公務員を志して勉強を始めたものの、法学部以外の出身の方は、法律系の専門科目について苦手意識を持っていることがほとんどです。「専門用語ばかりで頭に入ってこない」、「条文の数が多い民法なども対策するとなると、学習量が膨大で勉強が追いつかない!」と、くじけそうになっている方、よくこのブログに辿り着かれました。
上記の悩みは、毎年多くの受験生が同じく抱えながらも、当ブログのノウハウや、92.8%の方から満足頂いている、当ブログが取り扱っている問題集を活用して克服してきました。公務員の法律系の専門科目は、ポイントを押さえて学習すれば、独学でも対策が可能です。
今回は法律系の専門科目で最優先すべき科目や、その勉強法と頻出する単元について具体的に解説します。読み終える頃には、「法学」へのハードルがきっとさがっています。
法律系の専門科目攻略で最優先すべき3つの科目
公務員の筆記試験において効率よく得点するためには、出題される専門科目への理解が必要です。行政職を目指している方は、「法律系」の出題数が専門科目全体の中でも多いことにお気付きでしょう。
中でも憲法、民法、行政法の出題数が多いのが特徴です。そこで対策するなら、憲法、民法、行政法の3つを主要科目として優先的に取り組みます。対策する優先順位は、以下のとおりです。
- 憲法
- 民法
- 行政法
ここでは優先順位の高い憲法から順に、それぞれの科目の概要をご紹介します。
優先順位の高い「憲法」
法律系の専門科目は、憲法から学習をスタートさせます。さまざまな法律は有機的につながっており、他の法律科目と比べてとっつきやすい憲法は入門として最適だからです。
逆にいえば、行政法の学習は、基本的な憲法についての知識がないと理解しづらいといえます。また憲法では判例問題が多く、具体的な判例と一緒に暗記すれば忘れにくいので先に対策を始めましょう。
頻出分野だけでも押さえたい「民法」
民法も憲法と同じく優先して勉強すべき専門科目ですが、法学部ではない方が民法から学習するのはハードルが高いといえます。条文数が1000以上もあり、あらゆる法律の基礎であることから、制度理解が難しく学習量も多くなりがちです。
さらに近年次のような大幅な改正があったことから、苦手意識を持つ方が多いといえます。
- 債権法改正
- 成年年齢関係
- 相続法改正
そこで、誰もが得点しやすい頻出分野の問題を取りこぼさないよう対策しましょう。民法全体を貫く原則を意識しながら勉強し、細かい知識にこだわらないことが大切です。
憲法と民法を学んでから取り組みたい「行政法」
行政法は、憲法の統治機構をベースに民法の概念を多くとりいれていることから、憲法と民法を学んでから取り組むのがおすすめです。行政法とは、行政権と国民の関係性についての法律の集まりであり、行政法とよばれる法典が存在するわけではありません。
行政の範囲が広いことから、学者によって整理された数多くの法律から成り立っているのが特徴です。行政法の学習を通じて、役所のルールを学ぶことになります。公務員になると行政法に関する知識は必須となるので、法律系の中でも最も実務で役に立つ専門科目といえるでしょう。
なお学習の内容は暗記中心になることから、満点を狙うことも不可能ではありません。
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群馬県 H・Nさん
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憲法の勉強法と頻出する単元
ここでは、憲法の勉強法について見ていきましょう。
憲法の出題分野
憲法は大きく「人権」と「統治機構」に分けられます。人権は、国民の権利・自由を守ることが憲法の目指すところなので、公務員試験では頻出分野です。膨大な数の最高裁判所の判例を学習することがメインとなります。
公務員試験では最高裁判所が下した合憲・違憲の結論はもちろん、違憲審査基準も問われるので参考にしてください。
一方、統治では、三権分立のそれぞれの組織や権限を学ぶことがメインです。統治の学習は、行政法、政治学、行政学、財政学など他の専門科目の対策をする際に役立ちます。
憲法で優先すべき単元
ここでは、憲法で優先すべき単元について見ていきましょう。
区分 |
単元 |
人権 |
人権共有主体性 |
幸福追求権 |
|
法の下の平等 |
|
精神的自由権と経済的自由権 |
|
社会権のうち生存権 |
|
統治機構 |
【国会】衆議院の優越、会期、国会議員の特権、国政調査権 |
【内閣】内閣総理大臣の地位・権限、内閣総辞職、衆議院の解散、議院内閣制 |
|
【裁判所】裁判所の組織、司法権の限界、司法権の独立、違憲審査権 |
|
財政や地方自治 |
おすすめの勉強法
憲法の問題では条文や判決文をもとに作成されるため、判例の内容、条文の意味や解釈の仕方を知って、問題を解けるように学習しましょう。つまり、判例と条文をセットで覚えることが大事です。判例をすみずみまで暗記する必要はありません。
ただし以下の傾向は押さえておく必要があります。
- 人権では最高裁判所の判例についての知識が必要になる
- 統治機構では条文の知識がより重要になる
条文や判例の要点を押さえた対策向けの専門試験問題集を使えば、法律の初学者の方でも合格圏を狙えます。ぜひ弊社「公務員試験サクセス」の専門試験問題集をお役立てください。
過去問から出題傾向を分析して作成された専門試験問題集を解きながら、関係する条文を繰り返しチェックするようにしましょう。条文が頭に入っていれば、専門試験だけでなく論文試験対策にもなるのでおすすめです。
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民法の勉強法と頻出する単元
ここでは、民法の勉強法について見ていきましょう。
民法の5つの分野
民法は、公務員の職務遂行において必要な知識です。民法は、大きく次の5つの分野から構成されています。
- 総則
- 物権・担保物権
- 債権総論
- 債権各論
- 親族・相続
民法では社会生活で生じる争いや対立を収める目的で、5つの分野を通じて「法律が味方する側」を定めています。1000以上の条文から成り立ちボリュームがあるので、テキストに載っていることを丸暗記しようとするとうまくいきません。
民法の条文が存在する意義を、自分の良心と照らし合わせながら理解を深めていくことが大切です。
民法で優先すべき単元
志望する職種によって違いはあるものの、頻出分野は「総則」「債権総論」「債権各論」です。
民法の総則は、民法全体に通じる規則を定めています。総則を理解すれば、法的観点から社会生活上の問題を把握でき、問題解決に向けて論理的に組み立てられるようになるでしょう。
すでに改正法が施行されているので、以下の点で混乱しないように整理しておくことが大切です。
改正民法 | 改正ポイント |
債権法 |
・消滅時効に関する見直し ・保証に関する見直し ・約款(定型約款)に関する規定の新設 ・法定利率に関する見直し |
相続法 | ・配偶者居住権の新設 ・自筆証書遺言の方式緩和 ・法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設について |
「親族・相続」の出題頻度は高くありません。しかし身近な「親族・相続」は理解しやすく、捨ててしまうには惜しい単元です。高齢化の進展に合わせて改正されたことから、学習すれば時事対策にもなります。
おすすめの勉強法
民法は社会生活に直結している法律なので、事例問題も多く出題されます。具体的な事例とあわせて、理解を深めましょう。民法全体を貫く基本原則を理解し、民法的な考え方を身につける必要があります。
例えば民法第1条2項で「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない」と規定される信義誠実の原則などのことです。
事例の背後にある民法的な考え方を読み解き、基本パターンと応用パターンを整理してください。条文は読みづらいので、あえて読み込む必要はありません。
仕上げには、出題傾向を考慮して作成された対策向けの専門試験問題集を使いましょう。公務員の専門科目対策は、ぜひ弊社「公務員試験サクセス」にお任せください。
なお憲法、民法、行政法の順で勉強するのが王道の勉強法ですが、仮に時間がない場合は、迷わず対策向けの専門試験問題集を選ぶことが大切です。過去問など出題傾向を分析して作成された専門試験問題集は、効率よく得点するための有効な情報源となるでしょう。
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行政法の勉強法と頻出する単元
ここでは、行政法の勉強法について見ていきましょう。
行政法の3つの分野
行政法は、3つの分野に大別できます。
行政法の分野 | 含まれる法律 |
行政の組織に関する組織法 | 国家行政組織法、内閣法、地方自治法 |
行政の活動に関する作用法 | 個人情報保護法、行政手続法、行政代執行法 |
行政の活動により被害を受けた国民を救済する方法に関する救済法 | 行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法 |
行政法では、法律用語の意味といったシンプルな問いが出題されることがあります。全般的に難易度は低めで、取り組み始めると非常に得点しやすいと感じるでしょう。
行政法で優先すべき単元
公務員試験のどの職種であっても、行政法の頻出分野は救済法の分野です。行政事件訴訟法、国家賠償法は、特に優先すべき単元といえます。
組織法分野は、志望する職種によって出題傾向に偏りがあるのが特徴です。地方自治法は、文字通り、地方公務員試験では頻出ですが、国家公務員試験では出題されません。
国家行政組織法や内閣法などは、地方公務員試験ではほぼ出題がないと考えて良いでしょう。
おすすめの勉強法
行政法は憲法の行政権の理解を前提としているほか、民法の概念を取り入れた用語の整理が多く見られるため、学習順序としては最後です。公務員試験の直前期、例えば年明けに対策しても間に合います。
暗記が中心となることから、直前期に学習して忘れてしまう前に公務員試験を受けることが大事です。判例の学習では、量をこなすことを重視してキーワードを暗記するようにします。
行政法には最近制定された法令も多いことから、条文も読みやすい傾向にあります。特に行政手続法は、条文を読めば基礎知識が身につくのでぜひお試しください。
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