公務員専門試験の経済系科目の勉強法はこれ!科目の優先度も解説

経済系専門試験 7つの勉強方法

公務員試験の筆記試験は教養科目と専門科目からなり、専門科目は多くの科目数があります。経済系科目は行政事務区分の公務員試験の専門科目として出題されます。マクロ経済やミクロ経済をはじめ科目数が多いため、効率よく勉強することが合格への近道です。

今回は、公務員試験の専門科目における経済系科目の重要度やおすすめの勉強方法、さらに時事問題の対策をご紹介します。公務員試験の行政事務系の専門科目対策に、ぜひ役立ててください。

公務員試験(大卒程度)の経済系専門試験について

経済の動向が写っているモニター

経済系科目は、公務員試験(大卒程度)の行政事務区分の専門試験にて出題されます。公務員試験の経済系専門試験には、以下の科目があります。

  • マクロ経済学
  • ミクロ経済学
  • 財政学
  • 経営学
  • 会計学

これらの経済系専門試験の内容や出題傾向、配分について解説します。

マクロ経済学

マクロ経済学とは、マクロ的(広い)視点から社会全体の動きや状況を見て、分析する経済学です。政治や政府などの大きなレベルを判断対象とし、物価や消費、金融などの動きを国全体から考えます。

マクロ経済学で取り上げられる代表的な内容には、以下のものがあります。

・景気の好・不況

・円高・ドル安

・有効求人倍率の上昇・下降

国家公務員試験では、マクロ経済学は以下の5分野から出題されます。

分野 公務員試験での出題内容
国民所得理論 ・GDPなどの国民経済計算 ・生産と所得と消費の3つを分析する45度線分析
IS-LM分析 ・45度線分析の分析対象に貨幣市場を加えたもの ・利子率の高低により、貨幣に対する需要の変化を考慮したもの
AD-AS分析 ・IS-LM分析に労働市場を取り入れたもの ・物価変動から見る、物価変動による需給への影響
経済変動理論 さまざまな理論をベースに、望ましい経済成長の達成への方法や手法を考える
国際マクロ経済学 ・海外との貿易や投資まで考慮したマクロ経済の動きの分析 ・為替レートの上下による財市場・金融市場への影響をこれまでの分析をもとに考察

マクロ経済学の出題傾向は以下の通りです。

出題傾向

該当する分野

分野ごとの内容

かなりよく出る

国民所得理論

国民経済計算の諸概念、乗数理論、45度線分析

IS-LM分析

貨幣供給、IS曲線・LM曲線

AD-AS分析

AD曲線・AS曲線、フィリップス曲線

経済変動理論

新古典派成長理論

よく出る

IS-LM分析

財政・金融政策の効果、貨幣需要・貨幣市場の均衡

国際マクロ経済学

開放経済

マクロ経済学の専門試験における出題数は、ミクロ経済学と合わせて「経済学」の科目として以下のようになっています。

区分 出題数
国家総合職(経済区分) 16問(40問中)
国家一般職 10問(40問中)
東京都特別区 10問(40問中)
地方上級 11問(40問中)
市役所上級・中級 11問(40問中)

ミクロ経済学

ミクロ経済学とは、ミクロ的(狭い)視点から社会の動きや状況を見て、分析する領域の経済学です。ミクロ経済学では消費者や生産者などの個々の経済主体の行動に焦点を当て、市場価格への影響、資源の企業や家計への配分などの動きを見て考えます。

国家公務員試験では、ミクロ経済学は以下の6分野から出題されます。

分野 出題内容
消費者理論 ・消費者が満足する財の種類と消費程度

生産者理論

(完全競争)

・生産者の目線から一番利益が出る生産程度の考察

・独占や寡占などケースを除いた完全競争のみに絞っている

生産者理論

(不完全競争)

・独占や寡占の場合を考えた生産者理論
市場理論 ・生産者より範囲の広い市場に着目した分析

パレート最適と

市場の失敗

・市場が機能しない場合の手法や方法の考察
ミクロ貿易論 ・比較優位論などの貿易に関する理論

ミクロ経済学の出題傾向は以下の通りです。

出題傾向

該当する分野

分野ごとの内容

かなりよく出る

消費者理論

財の分類、価格弾力性、無差別曲線

生産者理論(完全競争)

生産関数と費用関数、損益分岐点と操業停止点

生産者理論(不完全競争)

独占、複占・寡占、ゲーム理論

よく出る

消費者理論

代替効果・所得効果

市場理論

市場の安定、余剰分析

パレート最適と市場の失敗

外部効果、パレート最適、情報の不完全性

財政学

財政学とは、歴史、制度、理論の側面から政府の経済活動を分析する領域の経済学です。分析内容によって以下の3分野に分かれます。

分野分析内容
政府部門と財政制度

以下のような日本の現状について

・政府の構造 ・租税制度 ・予算制度

政府の政策に関する評価・経済的影響

以下のような政策について

・公共財(公園、消防、警察など) ・公共サービス ・租税

政策決定過程の問題政策を決定、実行する政府の課題について

財政学は経済系専門試験の選択科目です。出題傾向は以下の通りとなっています。

出題傾向

該当する分野

分野ごとの内容

かなりよく出る

財政制度

予算制度、財政投融資、地方財政、国債制度、税制

財政事情

わが国の財政事情、各国の財政事情

財政学の出題数は以下の通りです。

区分 出題数
国家一般職 5問(40問中)
国税専門官・財務専門官 6問(40問中)
東京都特別区 5問(40問中)
地方上級 2問(40問中)

経営学

経営学とは、組織(企業)の運営について研究した学問です。組織や企業運営に必要な経営資源の有効活用方法や、運営および発展方法についてを考えます。経営学は、研究する内容に応じて以下の5つの分野に分類されます。

分類 研究する内容
経営学節 ・伝統的管理論 ・人間関係論 ・動機づけ理論 ・意思決定論 ・コンティンジェンシー理論 ・リーダーシップ論 ・経営組織論 ・経営学節全般
経営組織 ・組織形態
経営戦略論 ・経営多角化とM&A ・プロダクトポートフォリオマネジメント ・競争戦略論 ・経営戦略全般
経営学各論 ・人事労務管理 ・生産と技術 ・マーケティング ・財務管理
現代企業の経営 ・企業形態と企業集中 ・株式会社制度 ・日本企業と経営 ・イノベーションマネジメント ・国際経営 ・経営史 ・経営事情

経営学は全体から浅く広く出題される傾向にあります。公務員試験における経営学の出題数は以下の通りです。

区分 出題数
国家一般職 5問(40問中)
国税専門官・財務専門官 6問(40問中)
東京都特別区 5問(40問中)
地方上級 2問(40問中)

会計学

会計学とは、企業の適正な会計に関する以下のことについて考える学問です。

  • 計算方法
  • 表示
  • 学問会計基準
  • 制度
  • 会計実務
  • 損益計算書、貸借対照表などの決算書

公務員試験における会計学では、特に会計実務がメインとなっていて以下の9つの分野から出題されます。

  1. 企業会計と会計原則
  2. 資産会計
  3. 負債及び資本会計
  4. 損益会計
  5. 財務諸表の種類と表示
  6. 外貨換算・金融商品
  7. 本支店・合併・連結会計
  8. 財務諸表分析
  9. 簿記会計

会計学は全体からまんべんなく出題される傾向にあります。ただし、以下の2分野の出題傾向はやや高めです。

  • 企業会計と会計原則
  • 資産会計

公務員試験における会計学の出題数は以下の通りです。

区分 出題数
国税専門官 8問/40問
財務専門官 6問/40問

公務員試験の経済系専門試験の勉強方法

電卓、ペン、経済に関する本

公務員試験の経済系専門試験は出題範囲が広いため、効率よく勉強することが重要です。公務員試験の経済系専門試験の勉強方法を解説します。

出題傾向によって科目をしぼる

経済系専門試験は範囲が広いため、出題傾向を把握したうえで勉強する科目をまず絞りましょう。受験する試験によって出題される科目が異なるため、まず自分の志望先と受験する試験を決めます。試験の傾向をみると、優先すべき科目が分かります。

勉強する順番を把握しておく

経済系専門試験は、以下の順番で勉強するのがおすすめです。

  1. ミクロ経済学
  2. マクロ経済学
  3. 財政学
  4. 経営学、会計学

公務員の経済系専門試験は、ミクロ経済学とマクロ経済学両方を両方合わせた経済学がどの試験でも全体の25%ほどをしめ、専門試験だけでなく教養試験の範囲にも含まれています。まずは経済学領域を重点的に勉強しましょう。

ミクロ経済学は視点が狭く、マクロ経済学は視点が広い経済学です。ミクロ経済学から勉強することで、経済学に関して体系的に学べます。ミクロ経済学で基礎を押さえておくと、マクロ経済学の国や政治などの抽象的な視点からの範囲も理解できます。

財政学は経済学と内容が重複する部分も多く、延長している分野ともいえます。先に経済学を勉強してから財政学を勉強することで、理解度も深まります。

ミクロ経済学は繰り返し問題を解く

ミクロ経済学もマクロ経済学と同じく、かんたんな計算ができれば問題ありません。ミクロ経済学は、内容をきちんと理解し問題を解き切るのが重要です。なんとなく分かった、レベルでは本番の試験で得点につながりません。過去問の重要問題は何度も解いて、絶対に解ける確信が持てるレベルにまで持っていく必要があります。

マクロ経済学は図表から理解する

マクロ経済学は数字を使用しますが、数学が苦手でもかんたんな計算ができれば問題ありません。計算量は多くない一方、グラフが多く登場する傾向にあります。勉強の際には過去問や参考書のグラフを使って理解するだけでなく、自分でもグラフを書いてみるのが重要です。

財政学は最新情報を取り入れておく

財政学は時事問題と統計データを扱います。最新の時事問題や統計データを掲載している、最新の過去問を使って勉強しましょう。時事問題対策には、時事問題対策専用の参考書を使うのが有効な対策です。

経営学は薄めの過去問題集で対策をする

経営学は、必須科目ではないため経済学や財政学に比べると公務員試験の科目としての重要度は低くなります。もしも経営学を選択するなら、過去問を繰り返し解き、基礎固めをするのが有効です。

過去問は複数用意しなくても、薄めの問題集を一冊準備しておくだけで問題ありません。経営学に勉強の時間を注力せず、主要科目を重点的に勉強するようにしましょう。

会計学は会計の仕組みを理解めし、過去問で対策

会計学も、経営学と同じく必須科目ではないため経済学や財政学よりも優先度は低くなります。会計の仕組みを理解するために、まずは会計の入門書を利用しましょう。日商簿記三級の参考書や問題集も活用できます。

会計の仕組みを理解したら、基礎問題と重要度の高い問題を優先して過去問を繰り返し解きます。会計のルールを踏まえたうえで、問題を解ける状態にしておくのが重要です。

公務員の経済系専門試験の対策をしっかり行おう

公務員の経済系専門試験の内容や出題傾向、勉強方法について解説しました。経済系専門試験は出題される科目の範囲も広いため、勉強する科目をしぼって優先的に勉強するのが有効です。まず自分の志望する試験の傾向を把握し、過去問を使ってしっかりと対策をしておきましょう。