市役所職員の年収・給与はどれぐらい?実際の金額を徹底調査

世間では「公務員は恵まれている」とよく言われており、それが就職人気が高い理由の1つとなっています。市役所職員を目指している方にとって気になるのが、月収や年収、退職金など、給与面での待遇について。今回は、市役所職員の平均年収や各種手当や退職金などのお金に関することや、福利厚生などについてご紹介します。

市役所職員の平均給料額(給与額)や年収は?

公務員の給料は高いと言われがちですが、実際のところはどうなのか。まずは民間企業の給料と比較してみましょう。

市役所職員と民間企業の給料の比較

総務省が2020年12月に発表した「令和2年地方公務員給与実態調査結果等の概要」によりますと、市役所職員の諸手当を含めた令和2年の平均給与月額は、392,985円(平均年齢41.9歳、指定都市除く)。指定都市の市役所職員の場合は、430,033円(平均年齢41.8歳)です。

この統計には賞与が記載されていないため、年収は確認できませんが、大阪市が公表している給与モデルの令和3年度見込額によりますと、41.7歳の主務で5,904,528円です。これには時間外勤務手当は含まれていませんので、残業がある場合はさらに加算されます。

一方、国税庁が2020年11月に発表した「令和元年分民間給与実態統計調査」によりますと、事業者規模が1,000人以上5,000人未満の企業では、給料の平均は月額に直すと約334,083円 、年収は約5,086,000円(平均年齢43.9歳)。

100人以上500人未満の企業では、月額約302,083円 、年収は4,372,000円(平均年齢45.3歳)と、民間企業よりも市職員の方が高いといえます。


市役所職員の給料・給与の特徴

市役所職員の年収ですが、民間と比べて思ったよりも差がないと思われたでしょうか。内訳を見てみると、民間企業とはやや構成が異なることがわかります。また、年功序列で上がり続けるのも民間企業とは異なる特徴で、若い段階で「思ったより少ない」と感じるのは早計です。

ボーナス

毎月の給与とは別に支給されるボーナスですが、公務員の世界ではボーナスや賞与とは呼ばず、勤勉手当や期末手当と呼ばれます。市役所職員を始めとする地方公務員の場合、ボーナスの金額は基本的に国家公務員の水準に準拠して決められています。ちなみに大阪市の場合は、令和2年の支給月数は4.50か月分で、他の市役所でもおおよそ同じ水準です。なお、多くの市役所で公式のホームページで支給月数や平均額が公開されています。

主な手当

市役所職員には、毎月の給与やボーナス以外に、さまざまな手当が支給されます。主なものは、以下の通りです。

  • 扶養手当:子どもなどの扶養親族がいる場合に支給
  • 通勤手当:交通機関や自転車などを利用して通勤する場合に支給
  • 時間外手当:いわゆる残業代のこと
  • 管理職手当:一定の役職以上に支給されるが、その代わりに時間外手当は支給されない

これらは民間企業でも聞かれる手当ですが、それ以外にも下記のような手当が支給される場合も。

  • 地域手当:都会など物価が高い地域で支給
  • 寒冷地手当:寒い地域は暖房費がかかるという理由で支給
  • 特殊勤務手当:危険性が高かったり、精神的な負担があったりする仕事に就いている場合に支給

これらは役所や仕事の内容などによって変わります。

なお、市役所職員(指定都市を除く)における令和2年の平均給与月額392,985円のうち、諸手当は76,776円と、多いことがわかります。(期末手当、勤勉手当、寒冷地手当、任期付研究員業績手当、特定任期付職員業績手当及び災害派遣手当は含まず)

市役所職員が収入を増やす方法

市役所職員の給与体系は、後述の俸給表に基づいて段階を踏んで収入が上がっていきます。現時点で成果主義ではないため、急激に上昇することはありません。しかし安定した収入があり倒産のリスクがないことで人生設計が立てやすいといえます。そこで収入を増やす方法として考えられるのは、長期的なマネープランによる投資です。

また、最近では会社員でも副業の動きが広がりつつありますが、市役所職員は地方公務員法によって副業が禁止されています。今後は日本の労働環境の変化により禁止が解かれる可能性がありますが、これは、公務員には「職務専念義務」「守秘義務」「信用失墜行為の禁止」などが課せられているためです。

民間企業との給料の違い

地方公務員である市役所職員の給料は、地方公務員法に基づいて条例で定めた俸給表 によって規定されています。俸給表は「級」と「号俸」の組み合わせであり、勤続年数や成績に応じて級や号俸が上がると、収入も上がります。

民間企業の場合給与や賞与は、自社で得た利益や世間の景気動向などを考慮して算定されます。市役所職員など地方公務員の給与は、国家公務員の動向によって決められるのですが、その国家公務員の給与は、人事院勧告によって決められます。人事院勧告では民間企業の平均給与を勘案して決められるため、公務員といえども、世間の景況に多少は左右されます。

市役所職員の初任給

どの会社に就職するか、あるいはどの役所に就職するか、決め手となる1つが初任給。市役所職員の場合、高卒と大卒、事務職と技術職などの職種によっても変わってきます。

高卒

民間企業と同じく、高校卒と大学卒で初任給は異なります。例えば、神戸市の初任給(地域手当を含む、令和3年1月現在)は、高校卒は約170,800円。高専・短大卒は約183,000円です。総務省の「平成31年地方公務員給与の実態 」によりますと、全国の市役所職員平均の高校卒を見ると、一般行政職は148,021 円、消防士は155,402円です。

大卒

先程の神戸市を例に出すと、大学卒の初任給(地域手当を含む、令和3年1月現在)は約206,800円、大学院卒は223,900円。また、総務省の「平成31年地方公務員給与の実態 」によりますと、全国の市役所職員平均の大学卒を見ると、一般行政職は177,840円、消防士は185,702円です。上記の結果から、市役所でも大卒の方が高卒よりも3万円程度高いことが分かります。

定年は学歴に関係なく同じですので、大学卒の方が高校卒よりも勤続年数が4年少ないです。しかし、初任給が多いため、生涯賃金で比較すると、大学卒の方が多いことになります。


市役所職員の福利厚生

毎月の給料も気になるところですが、それ以外にも市役所職員は福利厚生が充実しているのもポイントです。

休暇制度

市役所職員は年次有給休暇が1年で20日 付与されます(入庁後しばらくの期間は、付与日数はこれより少ない)。まる1日休む以外にも、半日単位や1時間単位で休むことも可能です。また、お盆休みはありませんが、ある一定期間の間に取得する夏季休暇が3〜5日程度あります(自治体ごとに日数は異なる)。その他に介護休暇や病気休暇、特別休暇、市役所によって結婚休暇などもあります。

共済組合

いざという時に備えて、市職員は共済組合というものに加入しますが、主に3つの事業があります。

  • 短期給付事業:組合員や被扶養者が病気やけがなどに見舞われた場合や休業・災害などの際に支給
  • 長期給付等事業:公的年金や手当金等が受けられ、組合員や家族の生活を保障
  • 福祉事業:人間ドック助成などの健康関連事業や財形貯蓄などの貯金事業、住宅ローンなどの貸付事業

これらは入庁時に説明がありますので、どんな恩恵が受けられるのか確認しておきましょう。

互助会

また、共済組合とは別に、市職員が入る互助会という組織があります。毎月会費を支払うことで、大きく分けて4つの特典が受けられます。

  • 給付事業:冠婚葬祭のイベントに応じて給付金を支給
  • 福利厚生事業:スポーツ大会などのイベントを開催
  • 福利厚生サービス事業:旅行や娯楽施設での割引
  • 貸付事業:災害や冠婚葬祭のイベントに応じて貸付

市役所職員の生涯年収

労働政策研究・研修機構がまとめた「ユースフル労働統計2020」に よりますと、学校卒業から60歳まで働いたとした生涯賃金(退職金を含めず)は、以下のようになります。

 男性女性
高校卒2,1371,520
大学・大学院卒2,7212,157
(単位:百万円)

一方、市役所職員については、平均給与月額にボーナスを年4.50か月と仮定し、勤続年数を大学卒の38年(22歳〜60歳)を掛けた概算は、約2億4,640万円と なります。大学卒・高校卒ごとの平均給与月額は公表されていませんが、大学卒の場合はこれよりも多く、高校卒の場合は少ないと推測されます。

もちろん、時代によってボーナスの支給年月は異なりますし、管理職の場合も支給年月は変わりますので、あくまでも概算ですが、そこまで大きな差はないということがわかります。

ただし、リストラはほぼなく倒産の心配もないというのは、民間企業とは異なる大きな強みでしょう。

市役所職員の退職金

総務省の「平成31年地方公務員給与の実態」によりますと、5年以上勤続した市役所職員(指定都市除く)のうち、一般行政職員で定年退職した場合の退職金は平均2,213万円です。 一方、厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」によりますと、大卒の管理・事務・技術職が勤続35年以上定年退職した場合、退職金の平均額は2,173万円で す。条件が異なるため、単純な比較はできませんが、市役所と民間企業で大きな差はありません。また、民間企業は事業規模などによって金額は大きく変わります。

安定した収入が見込める市役所職員

今回は市役所職員の年収や退職金、福利厚生などについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。成果に応じて急激に給料が上がっていくことはありませんが、真面目にきちんと勤めていれば、基本的に年齢が上がるにつれて着実に給料は上がっていきます。また、毎月の給料だけではなく、福利厚生や退職金も加味すると、魅力的に映るのではないでしょうか。

具体的な採用試験の流れや内容は、当ブログの「市役所職員になるためには?採用試験の流れや内容をチェック!」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。