教養科目の一つ「社会科学」は、出題数が数的処理、文章理解に次いで多く、得点源にしたい科目です。しかし、お問い合わせいただく中には、「範囲の広さ、似たような用語の羅列にめまいがしてきた…」「専門科目でも、法律や経済、社会学があるけど、違いが分からなくて身にならない」といった心折れる声が多くあり、社会科学を苦手としている人は多いようです。逆に言えば、社会科学を攻略すれば、かなり有利になるということになります。
そこで、今回は社会科学の対策や、専門科目との重複について具体的に解説いたします。社会科学は時事問題が多いのが特徴で、政治・経済・社会、いずれも基本的・普遍的な知識に加え、最新のニュースが反映された問題が出題される可能性があります。ふだんからニュースに敏感になっておくことも大事ですね。
効率的に勉強すれば得点につながりやすい科目ですので、対策を知って着実に知識を増やしていきましょう。
社会科学の重要性
社会科学は職種に関係なく、ほぼすべての試験で出題される科目です。公務員試験の中でもとくに出題数が多い文章理解と同数か、もしくはそれ以上の出題数になっていることもあります。
また、社会科学は解答を必須としている自治体が多数です。公務員にとっていかに社会科学の知識が重要であるかが分かります。
おもに政治、経済、社会の知識が問われますが、その範囲は広く、試験に挑むにあたっては入念な準備が必要です。
- 政治……政治制度、政治原理、選挙制度、行政関係、国際関係
- 経済……ミクロ経済、マクロ経済、財政、経済事情
- 社会……社会学、社会心理学、社会事情
政治は日本だけではなく、各国の政治・選挙制度をはじめとして、国際的な政治知識を必要とします。大統領制や議院内閣制の違い、投票制度、重要な国際条約の知識が問われます。時事的な要素が強く、実際に時事問題が多数出題される傾向です。
経済はミクロ経済、マクロ経済など、専門的な知識が必要とされる分野です。レベルそのものは高校時代の授業・政治経済の「経済」が相当します。時事問題が出題されることもありますので、経済のニュースに目を光らせておきましょう。
社会は社会科学の中では出題範囲が広い上に、日々の情報が変わりやすい分野です。社会保障制度をはじめ、労働問題や環境問題、消費関連問題など、社会になくてはならない制度や関心を持たれる問題について問われます。時事問題は古い情報よりも新しい情報が出題される傾向です。社会情勢や制度の変更にすぐ気づけるよう、情報に敏感になっておきましょう。
【公務員試験サクセス】
<消防士採用試験 合格体験談>
福島県 Y・Eさん
社会科学の音声解説で頻出項目の暗記が楽にでき、得点源にできて合格!
私は幼いころに消防士さんに助けられた経験があり、「自分も人を助ける仕事をしたい」「多くの人の支えになりたい」と憧れを持ち、消防官を志望しました。
ネットで募集要項を検索している時に、公務員サクセス要点解説講座と自治体別問題集を見つけました。中でも1問5分の音声解説が、暗記が苦手な悩みを解決してくれました。日々のスキマ時間に繰り返し聞いていると、驚くように暗記できるようになりました。
また、要点解説講座には頻出項目が詰まっているので、模試の得点も伸びていきました。自治体別問題集で傾向が分かり無駄・無理のない対策がとれ、自分の不得意にも、基礎や応用共に学べたりと、柔軟に学習できたことはとてもよかったです。念願の消防官の試験に合格出来て良かったです。
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社会科学の特徴と対策
社会科学は専門科目と重なる内容が多いため、専門科目で受験する科目が被っている人は有利になります。得点源として逃さないようにしましょう。
時事問題が多いことが目を引く特徴です。政治・経済・社会、いずれも基本的・普遍的な知識を問われるだけではなく、最新のニュースが反映された問題が出される可能性があります。
また、試験によく出るもの、出ないものも分かれています。社会では社会心理学がほとんど出題されていません。社会事情を主軸にした出題がよく見られています。政治では基本的人権や裁判制度、国会、各国の政治制度が頻出します。
また、職種によって、多少出題傾向が違うことも見受けられます。たとえば経済ですが、職種を問わずに出るのはマクロ経済です。ミクロ経済は地方上級で出されることはなく、国家公務員と東京特別区でよく出題されています。財政は国家一般職での出題が高頻度で見られます。
専門科目との重複
前述の通り、被っている専門科目がある人は非常に有利です。抵抗なく勉強を進められるでしょう。専門外の人に大きなアドバンテージをつけるチャンスです。
ただ、気をつけておきたいことは、専門の試験で問われない部分を社会科学の試験で問われるかもしれないということです。点数を取りこぼさないためには、専門試験の勉強をしているからといって社会科学の該当科目をおろそかにせず、まんべんなく知識を身につけることが大切です。
その一方で、被っていない科目は過去問を繰り返しながら時事問題にアンテナを張って最新の情報を取り込み、内容理解と知識への昇華が必要です。
暗記による時間短縮
社会科学は数的推理と異なり、面倒な計算を必要としません。また、文章理解のような解法でもありません。基本的に暗記が中心です。問題を見た瞬間に解答が浮かぶほどしっかり暗記しておけば、高得点を狙うことができます。
暗記中心で解答ができる社会科学は、試験の制限時間の中で解答時間を大幅に短縮できます。その分、ほかの科目の解答に時間を回せるというメリットが生じます。
数的推理や文章理解は1問につき3分~4分での解答が望ましいと考えられます。一方社会科学は、事前の準備次第では1分~2分で解答できるものであり、大幅な時間短縮が期待できます。
試験問題に取り組む順番は、個人によって違いがあります。暗記中心の社会科学を含む一般知識から取り組む人もいれば、訓練と経験がものを言う数的処理から取り組む人など、それぞれ効率良く進められる順番があるはずです。
時間を計りながら過去問を解いたり、模擬試験にトライしたりするなど、本番を意識した方法も取り入れて、「どこで社会科学を解答するか、その時間配分をどうするか」ということも、試験準備のカリキュラムの一環として導入すると役に立つでしょう。
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情報をアップデートし続けて、社会科学を得点源にしよう
社会科学は効率良く勉強することで、大きな得点源につながることが期待できる科目です。つねに最新の情報にアンテナを張りながら知識と情報のアップデートに努め、本番に備えましょう。
数的処理や文章理解と比べると、暗記中心の勉強で攻略できる科目だということも分かりましたね。「ラッキー」と思う人もいれば、「暗記が苦手」と言う人もいるでしょう。どちらの方にも、以下の記事をおススメします。
暗記と言っても、ただ丸暗記すればいいというわけではないのです。目からうろこの暗記術について伝授いたします。