公務員専門試験の科目一覧を解説!出題傾向や専門記述について

公務員専門試験の傾向 出題の多い科目は?

公務員を目指して対策を立て始めた皆さん、公務員試験の1次試験は教養科目、専門科目とも、とにかく科目数が多くて戸惑っているのではないでしょうか。

「教養科目はなんとか取り組めそう。でも、専門科目も突破しなければならないなんて…」「専門科目は科目数も多い上に難易度も高いので、何からどう手をつければいいのか頭が痛い」。当ブログにも毎年、このようなお声が多数届いています。

そのような皆さんに、今回は専門試験の区分ごとの出題数や傾向について解説していますので、参考にしてみてください。試験勉強に取り組む前に、出題傾向を分析することが大事です。頭を整理していけば、次のステップが見えてくることでしょう。

公務員試験の専門試験とは

総務省の入り口前

公務員の専門試験は、地方上級の公務員試験で実施される筆記試験のひとつです。筆記試験は出題科目が多く、範囲も幅広いため対策は必須となります。試験レベルは大学卒業レベルです。

自治体の多くでは、高校卒業後でも受験は可能ですが、受験資格に大学卒業、または卒業見込みでなければならないと定めている自治体もあります。

公務員試験は筆記試験と面接で構成されていて、筆記試験には教養試験(教養科目)と専門試験(専門科目)があります。教養試験は地方公務員で実施される試験で、専門試験は大学卒業程度の地方上級の公務員試験で実施される試験です。

公務員専門試験の科目一覧

台に乗っている辞書と付箋とペン

公務員専門試験を受けるにあたり、それぞれの専門試験の科目ついて解説します。

地方公務員専門試験の科目一覧

地方公務員試験の1次試験で実施される専門試験の科目一覧です。東京都特別区を例にまとめています。

試験の区分 出題分野
事務 憲法、行政法、民法、経営学、マクロ経済学、ミクロ経済学、財政学、政治学、行政学、社会学
土木 応用力学、測量、土質工学、土木施工、道路・橋梁、都市計画
造園 造園植物、植栽・土壌肥料学、造園史、造園計画、生態学、造園施工・管理
建築 建築計画、都市計画、建築史、建築設備、建築法規、建築構造、建築施工
機械 物理、材料力学、熱力学・熱機関、流体力学・流体機械、計測・制御、機械材料
電気 電気・電子回路、電気磁気学、材料・制御、電気機器、発送配電、情報・通信
福祉 児童心理学、社会心理学、ケースワーク、社会学概論、社会福祉論
心理 一般心理学、応用心理学、臨床心理学
衛生 公衆衛生学、微生物学、化学、食品衛生学、環境衛生学
化学 有機化学、無機化学、分析化学、物理化学、生化学、応用化学
保健師 公衆衛生看護学、保健医療福祉行政論、疫学・保健統計学

国家公務員総合職の専門試験の科目一覧

国家公務員専門試験で実施される科目一覧をまとめました。区分ごとの出題数や必須問題と選択問題のそれぞれの出題数もチェックしてみてください。

試験の区分

多肢選択式

記述式

 

政治・国際

(55題)

必須

(25題)

政治学、国際関係、憲法

選択

(3題)

政治学、行政学、憲法、国際関係、国際法、公共政策のうち3科目選択

選択

(30題)

行政学、国際事情、国際法、行政法、民法、経済学、財政学、経済政策

法律

(49題)

必須

(31題)

憲法、行政法、民法

選択

(3題)

憲法、行政法、民法、国際法、公共政策

選択

(18題)

商法、刑法、労働法、国際法、経済学・財政学

経済

(46題)

必須

(31題)

経済理論、財政学・経済政策、経済事情、統計学・計量経済学

必須

(1題)

経済理論

選択

(15題)

経済史・経済事情、国際経済学、経営学、憲法、民法

選択

(2題)

財政学、経済政策、公共政策

人間科学

(105題)

I部

(5題)

人間科学基礎

選択

(2題)

6題中2題選択

心理学基礎

教育学、福祉及び社会学関連

教育学関連

福祉関連

社会学関連

II部

(15題)

A心理系

B教育・福祉・社会系

III部

(20題)

 

認知心理学、臨床心理学、教育環境学、教育経営学、教育方法学、教育心理学、社会学、社会心理学、現代社会論、社会福祉各論、社会福祉総論、福祉計画論、地域福祉論14科目のうち4科目選択

 

デジタル

(63題)

必須

(20題)

基礎数学、情報基礎、情報と社会

 

 

 

 

選択

(2題)

計算機科学、情報工学(ハードウェア)、情報工学(ソフトウェア)、情報技術

 

選択必須問題(17題)

計算機科学、情報工学(ハードウェア)、情報工学(ソフトウェア)、情報技術

選択問題

(選択必修問題と選択問題の解答計20題になるように選択)

数学モデル、オペレーションズ・リサーチ、経営工学、制御工学、電磁気学、電気工学、電子工学、通信工学

工学

(155題)

必須

(20題)

工学関連基礎

選択

(1題または2題)

建築設計、都市設計、計測工学、制御工学、電磁気学・電気回路、電力工学、電気機器、電子工学、通信工学、材料力学、機械力学、信頼性工学、流体力学、熱力学・熱機関、航空工学、土質力学、水理学、土木計画、構造力学、環境工学・衛生工学、船舶海洋工学、材料工学、原子力工学

 

選択

(20題)

技術論、基礎化学、工学基礎実験、情報基礎、電磁気学、電気工学、材料力学、流体力学、構造力学・土木材料・土木施工、土質力学・水理学、環境工学・衛生工学、構造力学、建築構造・建築材料・建築施工、計測工学・制御工学、建築計画・建築法規・建築設備、電子工学、機械力学、通信工学、熱力学・熱機関、土木計画、建築史・都市計画、材料工学、原子力工学、船舶海洋工学

数理科学・

物理・

地球科学

(115題)

I部

(5題)

基礎数学・情報数学

選択

(2題)

代数、幾何、解析、確率・統計、情報科学、ス学モデル、経営工学、古典物理学、現代物理学、地球物理学、地質学

II部

(10題)

A.Bから1つ選択

A:数理科学系

B:物理・地球科学系

III部

(25題)

集合・位相、解析、代数、幾何、情報理論、確率・統計、数値計算、数学モデル、計算機数学、離散数学、経営工学、物理数学、オペレーションズ・リサーチ、古典物理学、地球物理学、地質学、現代物理学

化学・

生物・

薬学

(106題)

必須

(10題)

基礎数学、基礎化学、基礎物理、基礎生物学

選択

(19題うち任意2題選択)

物理化学、無機化学、有機化学、分析化学、薬化学、薬理学、化学工学、薬剤学、食品学、生化学、土壌肥科学・農薬、分子生物学・生物工学、応用微生物学、発生生物学、生理学、細胞生物学、遺伝学、生態学


公務員専門試験の出題傾向

分厚い本を持つスーツを着た男性

公務員試験の専門試験で得点を稼ぐには、出題傾向のチェックが大切です。出題範囲が幅広いため、全て勉強するとなると膨大な時間が必要になります。出題傾向を知ることで効率よく勉強できるでしょう。

法律・経済・行政系科目の出題が多い

職種や区分を問わず、法律系科目・経済系科目・行政系科目の3科目を対策しておきましょう。国家公務員の場合、法律系科目の出題数が多く、区分によっては半分以上を占めるものもあります。特に憲法・民法・行政法は多く出題されます。

法律科目の次に多く出題されている科目は、経済科目です。経済原論・経済政策(ミクロ経済学・マクロ経済学)や財政学、経済事情はほとんどの区分で出題されます。行政系科目は政治学や行政学です。

行政系科目は政治学や社会学、財政学、行政学が出題する割合が高く、公務員試験でも人気の高い行政事務の区分の場合、法律・経済・行政系科目は多く出題されます。併願の場合も勉強しておくと有利になる科目のため、しっかりと対策しておきます。

公務員試験は自治体別の出題傾向に合わせて対策しよう

科目数の多さを目にして、「試験に突破できる自信がない」としり込みしている方、同じように不安を抱いている受験生が大勢いることを忘れないでください。毎年、効率の良い勉強方法を見つけた方が合格を手に入れています。

ご自分が受験する自治体の出題傾向に合わせた勉強をすることが、合格への近道です。当ブログが扱っている「自治体別・採用試験問題集」は、初級・中級・上級と試験レベル別にご用意しています。出題科目や範囲が広い教養試験も効率よく勉強できるため、専門試験対策に力を入れたい方におすすめです。

また、行政系専門科目を重点的に対策したい方は、以下の記事がおすすめです。出題傾向に加えて、科目ごとの勉強を開始するタイミング・効率よくできる対策法を徹底解説しています。


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