警察官になるためには、幅広い科目から出題される教養試験、論作文・面接試験をはじめ、体力試験も通過する必要があります。
「十分な試験対策時間を確保できない方」あるいは「採用試験まで時間がない方」は、過去問を繰り返し解くのがおすすめです。
では、どのような問題集を選べば良いのでしょうか?今回は警察官採用試験の過去問を収録した問題集と、実際の試験内容についてご紹介します。
警察官採用試験の対策をするなら過去問に取り組むことが有効
学生時代に受験を経験した人なら、過去問が収録された問題集を活用したことがあるでしょう。
過去問を解くメリットは、出題傾向を把握できる点です。警察官採用試験では、出題科目が幅広いために、的をしぼって対策する必要があります。そこで過去問が収録された問題集を活用すると、出題側が重要視するポイントを把握でき、効率よく対策できるというわけです。
そのため、教養試験と論作文試験などの筆記試験が実施される第1次試験を突破するためには、過去問を解く対策方法が特に有効です。
そこでインターネットを利用して、受験を意識している「志望する県警名」+「過去問」で検索してみましょう。都道府県警察の中には、過去問や過去問をベースに作成された例題を掲載しているケースがあります。
ただしすべての問題が公表されているケースは少なく、過去何年かに遡って傾向を探るのは難しいのが現状です。
【公務員試験サクセス】
<警察官採用試験 合格体験談>
高知県 J・Wさん
テキストの頻出問題が出題された!苦手も克服して合格
警察官採用試験では、出やすい問題はどの自治体でも出るみたいです。教養試験は、公務員サクセスのテキストの内容と似た問題が出ました。2回目の挑戦で、手広く対策はせずに今回は教材を公務員試験サクセスに絞って取り組んだことで合格できたと思います。
公務員要点解説講座には、質の良い解法が入っています。また、1問5分で集中する方が分かりやすく効果的だと思います。また私は、数的処理が苦手だったので、理解が不足している箇所は、5~6回、解説を見ながら解くようにしました。
どの科目も繰り返し解くことで、少しずつ定着していくと思いますので熱意を持って頑張ってください。
過去問対策したいなら県警別の問題集がおすすめ
配属が県警の警察官となる採用試験は、地方公務員試験ですので、全国統一試験ではありません。つまり、地域ごとに出題傾向や試験内容が異なる場合があるので、一般的な問題集では対応しきれない可能性があります。
出題傾向を探りながら効率よく勉強したいなら、都道府県警察別の過去問が収録された問題集を選びましょう。
そこでおすすめしたいのが「公務員試験サクセス」が提供する「自治体別・公務員採用試験問題集」です。中でも教養試験問題集は全部で6冊あり、1冊あたり2回分の教養試験模試が収録されています。
教養試験問題集は、都道府県警察ごとに警察官採用試験の過去問を独自分析した予想問題集です。厳密な意味で、実際に出題された過去問を収録したものではありません。過去と全く同じ問題が出題されることは考えにくいため、予想問題で対策することを目的としています。
教養試験問題集の魅力は、出題傾向から精選された予想問題ばかりを120分の模試形式で取り組める点と、しっかりした解答と豊富な解説がついている点です。
実践さながらの予想問題を解きつつ解説を繰り返し読むことで、答えの導き方を学べるため得点力が高まります。時間配分しながら取り組めば実践力も高まるため、直前対策にぴったりな問題集を探している人に、特におすすめです。
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専門試験では専門分野の問題が出題される
最近では犯罪の手口が高度化・多様化しており、都道府県警察の中には国際捜査、サイバー犯罪捜査、科学(化学)捜査などに携わる専門性の高い警察官を求めています。警察官になりたい人の中には、警視庁の特別捜査官に憧れている人もいることでしょう。
職務上、特別な技能を発揮することを求められる警察官の採用試験では、専門知識全般についての試験が記述式で実施されます。高い専門性が要求されるために受験資格は厳しく、募集人数は若干名と少ないこともあって、参考書などは出版されていません。そのため、試験対策が難しいのが現状です。
一般の警察官採用試験に比べて、専門考査の情報量が少ないため、自分から採用担当に問い合わせるなど、積極的に情報を収集する必要があります。
受験先の都道府県警察で、例題を公式サイトに提示している場合があるので、最新の情報を入手して採用試験に臨むようにしましょう。
なお警視庁の場合は、 警視庁情報公開センター(警視庁本部庁舎1階)と都民情報ルーム(都庁第一本庁 舎3階)で、一定期間だけ過去問を閲覧可能です。
専門試験でよく出る法律の問題
警察官採用試験の専門試験では、法律に関連する問題が出題されることが多いです。
また教養試験の「一般知識科目」でも、社会科学の一環として基本的な法律知識が問われることが多いです。
法律の問題では、次のような分野の問題が問われます。
- 憲法:日本国憲法の基本的な内容や条文について
- 刑法:犯罪の定義や刑罰の種類など
- 民法:契約や財産に関する基本的なルール
- 行政法:行政手続法や地方自治法など
これらの法律に関する問題は、警察官としての基本的な知識を確認するために出題されます。ですので、事前に参考書や過去問などを活用して勉強することで、法律の基本的な知識を身につけておくことが重要です。
最短で法律の基本知識を身に着け、点数を上げる方法は、実践的な対策ができる「模試」を解くことです。Amazonをはじめ3つのサイトにて、あなたの志望自治体に主な傾向を合わせた模試形式の問題集を取り扱っていますので、ぜひご活用ください。
警察官採用試験の試験内容
警察官採用試験では、実際にどのような試験が実施されるのでしょうか?受験する警察によって試験内容に若干の違いはありますが、おおむね第1次と第2次試験で以下の試験を受けることになります。
- 教養試験(1次試験)
- 論作文試験(1次試験、まれに2次試験)
- 適性検査(1次試験、まれに1次試験と2次試験の両方)
- 体力検査(2次試験)
- 面接試験(2次試験、まれに1次試験と2次試験の両方)
では、それぞれについて見ていきましょう。
教養試験
第1次試験において五肢択一式で実施される教養試験では、50問を120~150分の持ち時間以内に解きます。
出題分野は、おおむね次のとおりです。
- 知能分野:文章理解、判断推理、数的処理、資料解釈、図形判断
- 知識分野:人文科学、社会科学、自然科学、一般科目(国語、英語、数学)
知識分野は暗記中心ですが、知能分野は解法を学ぶ必要があります。
論作文試験
大卒程度では小論文試験、高卒程度では作文試験と呼ばれることが一般的です。第1次試験で行うケースがほとんどですが、まれに第2次試験で行うケースもあります。
持ち時間は60〜80分で、テーマは警察官の仕事や警察組織に関するものです。どのような警察官になりたいのか。自分なりの意思を表明できるよう対策をしておきましょう。
漢字の読み・書きも、記述式の試験では重視されるので合わせて対策が必要です。
適性検査
警察官としての適性を見るものです。第1次試験で実施されたり、第1次・第2次試験の両方で実施される場合があります。
自分の性格や資質が、警察官に向いていれば、特に対策の必要はないでしょう。ただし、事前に警察官に必要な資質がどのようなものか理解しておく必要があります。
面接試験
面接試験は、第2次試験で実施されます。個別面談がほとんどですが、集団面接や集団討論の場合もあり、十分な事前対策が必要な試験です。
警察官採用試験の中でも、人物評価に繋がる面接試験はウェイトが高いので、面接マナーも含めて良い印象を与えられるように準備をしましょう。
体力検査
体力検査は、第2次試験で実施されるケースが多いですが、まれに第1次試験両方で行われるケースもあります。以下は、警察官として職務遂行に十分な体力があるかどうかチェックする、体力検査の種目例です。
- 腕立て伏せ
- 上体起こし
- 反復横跳び
- 握力
- 立ち幅跳び
- バービーテスト
- 20mシャトルラン
種目ごとの得点基準を公開している場合もあるので、ぜひチェックしてみてください。
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自治体別模試でパターンや傾向をおさえよう
警察官採用試験の教養試験では、対策なしで時間内にすべて解答できるかどうか分かりません。模試形式の問題集を繰り返し解いて、出題パターンや傾向を把握することが大切です。特に試験直前は、実践に近い模試を通じて、自分なりの解き方を身につけるよう対策しましょう。
効率よく解けるようになれば、合格に手が届くようになります。都道府県警察ごとに出題パターンや傾向が異なるため、一般的な過去問より自治体別模試形式を選ぶと良いでしょう。