警察官になるには採用試験に合格する必要がある!受験資格は?

内容・流れ・難易度・倍率 役立つ情報を紹介

子どものころから「警察官になりたい」という夢を持ち続けている人は少なくありません。自治体別・警察官採用試験問題集を扱って16年の当ブログにも、毎年多くのアクセスがあり、正義感を持って市民の生活と安全を守り、社会を支えたいと本気で考える皆さんを、全力でサポートさせて頂いています。

しかし、警察官は憧れだけでなれるものではありません。厳しい仕事で、生半可では続けられるものではないのです。強い信念を持ち、「なぜ警察官を志すのか」という問いに明確に答えられるようでなければなりません。

読者の皆さんが、試験という壁を越えてまで警察官になるという、意思を貫けるように今回の記事では、警察官になるために知っておくべき基本を押さえた上で、安心して採用試験に挑戦できるように役立つ情報を解説します。ぜひ夢を実現させてください。

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警察官採用試験に関する3つの比較

次のステップに進む男の子

警察官になるための条件は「警察官採用試験」に合格することです。採用試験は全国一律ではなく、国家公務員と地方公務員とで異なります。また、受験資格や受験区分も国家公務員と地方公務員とでは違っているので注意が必要です。

国家公務員と地方公務員の違い

警察官は公務員です。公務員には国家公務員と地方公務員があります。警察官にも国家公務員と地方公務員があり、次のような組織に分かれています。

  • 国家公務員:警察庁
  • 地方公務員:都道府県警察

警察庁の警察官になるには「国家公務員試験(総合職/一般職)」に合格しなければなりません。受験資格は「短大卒」および「大卒」に限られます。

都道府県警察の警察官になるには、全国47都道府県の警察本部が独自に実施している採用試験に合格する必要があります。例えば神奈川県警で働きたい場合は神奈川県で、大阪府警なら大阪府で受験してください。警視庁を希望する場合は東京都で試験を受けます。

  • 神奈川県:神奈川県警察(神奈川県警)
  • 大阪府 :大阪府警察(大阪府警)
  • 北海道 :北海道警察(北海道警)
  • 東京都 :警視庁

大卒と高卒の違い

警察官は高卒でもなれます。すでに説明したように警察官には警察庁(国家公務員)と都道府県警察(地方公務員)の2種類があり、高卒でも受験できるのは都道府県警察です。また「警察庁」と「警視庁」を混同しないように気をつけてください。名前は似ていますが、警視庁は都道府県警察(東京都)に所属する地方公務員なので高卒でも受験できます。

大卒の場合だと、都道府県警察を目指すことももちろん可能ですし、警察庁を受験することも可能になります。警察庁の受験は国家公務員の試験になるため、問題自体の難易度が高く、その上警察庁は非常に人気も高いために倍率も高いことから、受験を合格するのはかなり難易度が高いと言えます。

逆に言えば、受験が熾烈になるほど、警察庁への就職は魅力的と言えます。昇進のスピードが早く、警察組織のリーダーとしての成長を期待されます。やりがいがあり、給与も期待できるでしょう。

それ以外の都道府県警察でも、大卒の場合は高卒よりも給与が高くなります。大卒から都道府県警察を目指すルートも非常に一般的であり、有力な選択肢の1つです。

警察官採用試験を受験する場合は、受験資格に年齢制限があるので注意してください。自分が受けたい都道府県警察の採用情報を必ずチェックしましょう。

男性警察官と女性警察官の違い

高卒・大卒以外に区分として考えられるものだと、男性女性の違いが考えられます。女性警察官を目指す場合だと、男性警察官の試験と違いが出るのでしょうか。

結論から言うと、女性警察官の場合でも試験内容は変わりません。男性警察官の場合と同じく、筆記試験や面接試験に加えて、体力試験も行われます。

ただし、応募条件のうち身体要件に関しては、身長や体重の面で男女の違いがあります。応募する際は、しっかりと条件を確認したうえで申し込むようにしましょう。

警察官の採用試験では、男女ともに同じ試験が行われるため、基本的に有利不利はありません。事前の準備を欠かさず行っていれば、合格は十分狙えるでしょう。

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愛知県 M・Kさん

私の勉強の中心は公務員試験サクセスの県警別問題集でしたがやっていく上ではちょっとした工夫もしていました。

解いた日付と正解か不正解かを必ず書き込むようにしていたのですが、これがかなり役に立ったと思います。こうすると、回数を重ねるうちに自分がよく間違う苦手な問題や苦手な分野がわかってくるので、5回目位からは間違ったものだけを解き直したり、不正解の多い分野を公務員試験サクセスの要点解説講座で強化したりしていました。

ここまでのポイントまとめ①
国家公務員:警察庁、地方公務員:都道府県警察
警察庁:国家公務員試験、都道府県警察:警察本部の採用試験
公務員試験サクセス

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警察官の種類は大きく分けて3つの職種がある

ひとくちに警察官といっても、国家公務員と地方公務員があります。国家公務員の中にも2つの異なる職務があるので、全体的には3つに分かれます。それぞれの職務内容や採用試験について説明しますので、どの分野の警察官になるかを決める参考にしてください。

都道府県警察(地方公務員)

都道府県警察の警察官とは、一般に街中で見かける警察署や交番で勤務している「お巡りさん」のことです。所属先は各都道府県に置かれている警察本部になります(東京都の場合は警視庁)。警察本部を管理しているのが各都道府県に設置されている「都道府県公安委員会」です。

警察署や交番で勤務する警察官は、地方警察職員という職名の地方公務員です。ただし、昇級によって警視正以上になると国家公務員に所属が変わります。

警察官採用試験は都道府県ごとに実施されるので、試験日や試験内容などはそれぞれ異なります。東京生まれだから警視庁、北海道出身だから北海道警察といったような出身地による受験の制限はありません。東京生まれでも北海道警察の採用試験にチャレンジできます。また都道府県警察によって試験日が異なるため、複数を併願することも可能です。

警察官になるためには、試験日の異なる都道府県警察を複数併願するのがポイントでしょう。どこの警察本部が合格しやすいということはありませんが、複数併願して合格のチャンスを広げておくことは必要です。

警察庁(国家公務員)

警察庁の警察官は、警察署や交番で勤務する警察官のように身近で見かける機会はあまり多くありません。というのも、基本的な仕事の内容が一般的な「お巡りさん」とは違うからです。都道府県警察の警察官のように、現場で防犯活動や捜査を行うことはありません。警察庁の警察官は、全国の警察組織のあり方を企画・運営したり、組織の調整を行ったりします。

警察庁を管理するのは内閣総理大臣所轄の「国家公安委員会」です。警察庁の警察官は国家公務員なので、国家公務員総合職試験や国家公務員採用一般職試験を受験することになります。

日本全体の警察組織に関する政策立案などの仕事をしたい方は警察庁の警察官を目指してください。

皇宮警察本部(国家公務員)

国家公務員に所属する警察官として、皇宮警察本部があります。警察庁の附属機関ですが、今まで紹介してきた都道府県警察や警察庁の警察官とは職務内容が異なります。皇宮警察本部の職務は、天皇皇后両陛下や皇族方の護衛、皇居・御所・御用邸などの警備を専門に行うことです。

一般的な「お巡りさん」のような捜査権はありませんが、海上保安官や労働基準監督官のように特別な状況下に限り捜査権を持つ特別司法警察職員です。天皇皇后両陛下や皇族の方々に対する犯罪や、宿泊している施設内で発生した犯罪などについて捜査する権限を持っています。

皇宮警察本部の警察官(皇宮護衛官)になるためには、国家公務員一般職に相当する「皇宮護衛官採用試験」に合格しなければなりません。

ここまでのポイントまとめ②
都道府県警察(地方)、警察庁(国家)、皇宮警察本部(国家)
複数併願するのがポイント!
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警察官の採用試験の内容と流れをチェックしよう

警察官の採用試験に合格するためには事前準備が大切です。まずは応募から合格までの全体の流れをチェックしておきましょう。さらに地方公務員試験と国家公務員試験の内容や試験の実施日程、応募条件なども説明しますので、しっかり把握してください。

応募から合格までの採用試験の流れをチェック

都道府県警察の採用試験は、年に複数回実施されるのが一般的です。年に2回のところもあれば3回実施するところもあります。応募時期(受付期間)も各自治体によって異なりますが、1週間~1か月前後の申し込み期間が設けられます。その間に願書などの必要書類を提出してください。申し込み方法は郵送とインターネットがあるので事前に確認しましょう。

第一次試験は応募期間終了後の約1か月~2か月後です。これは筆記試験ですが、引き続き資格経歴の確認、身体検査、適性検査などが行われます。

合否は1か月以内に発表されることが多く、約1~2週間後に第二次試験(面接試験)があります。体力検査や健康診断なども行われ、ここで試験は終了です。

最終合格発表は、第二次試験が終了して約1~2か月後になります。合格者は「警察官採用候補者名簿」に名前が記載されて、翌年度の4月1日以降に順次「巡査」として採用されます。

 受験の流れ詳細
1応募【応募時期】 春・夏(・冬 3回試験がある場合)
【応募期間】 1週間~1か月前後
2第一次試験応募締切の約1~2か月後(筆記試験、資格経歴確認、身体検査、適性検査など)
3合格発表試験後約1か月以内
4第二次試験第一次試験合格発表の約1~2週間後(面接試験、体力試験、健康診断など)
5最終合格発表第二次試験終了の約1~2か月後

警察庁の採用試験は、毎年度、6月頃に第一次試験(国家公務員試験/総合職・一般職)が行われます。1か月前後で一次試験の合格発表があり、その後の警察庁への官庁訪問によって面接試験が実施されます。8月中に最終合格発表という流れです。(一般職の場合は官庁訪問後に第二次試験を実施)

 受験の流れ詳細
1応募【応募時期】 4月の初旬  
【応募期間】 2週間弱
2第一次試験6月頃に国家公務員試験を実施
3合格発表試験後約3~4週間程度
4第二次試験一般職のみ
5最終合格発表8月中

都道府県警察・警察庁ともに採用試験の応募期日や試験日程などは毎年度変わることがあるため、応募要項やHPなどでしっかりチェックしてください。

採用試験はI類~III類まで分かれている

都道府県警察(地方公務員)および警察庁(国家公務員)の警察官採用試験には、Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類の3つに分かれています。どれを選択すればいいのかは、それぞれに受験区分があるのでチェックしてください。

Ⅰ類大学卒業程度
Ⅱ類短期大学卒業程度
Ⅲ類高校卒業程度

埼玉県警察などはⅠ類~Ⅲ類に分かれていますが、各自治体によって違う場合があります。この分類はあくまでも目安で、必ずしもこの学歴が必要というわけではありません。例えば大学卒でもⅢ類を受けられますし、高卒でもⅠ類やⅡ類を受けることは可能です。ただし、学歴に応じて試験内容が難しくなっているので、自分の卒業程度に応じた区分を選択するのが一般的でしょう。

地方自治体によっては明確に学歴で受験区分が分かれている場合もあるので、事前に確認が必要です。

警察庁の場合は、大学卒の学歴が必須なので高卒では受験資格がありません。

採用試験の実施日程は都道府県によって違う

すでに説明したように、都道府県警察の採用試験は一般的には年に2~3回(4月・8月・12月頃)実施され、各都道府県によって試験日が異なります。また複数併願する場合は、第一次試験や第二次試験が重ならないように調整してください。

応募条件には身体要件も含まれる

警察官の採用試験は誰でも受けられるというわけではなく、応募条件があります。年齢についての制限(35歳未満)については説明しましたが、その他にも身体要件を満たしている必要があります。主な身体要件としては、身長・体重・視力・色覚・聴覚・疾患・その他の運動機能などです。各都道府県警察によって基準は異なるので事前に確認してください。参考までに警視庁(東京都)の身体要件を紹介しましょう。なお、最近では身長・体重といった体格要件についての制限を廃止する傾向にあります。

身長男性:おおむね160cm以上 女性:おおむね154㎝以上
体重男性:おおむね48kg以上 女性:おおむね45㎏以上
視力裸眼視力が両眼とも0.6以上、または矯正視力が両眼とも1.0以上
色覚・聴覚警察官としての職務執行に支障がないこと
疾患警察官としての職務執行上、支障のある疾患がないこと
その他の運動機能警察官としての職務執行に支障がないこと
ここまでのポイントまとめ③
都道府県警の採用試験は年に2~3回(4月・8月・12月頃)
採用試験の出題分野は広範囲。6倍~10倍前後。
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採用試験の難易度や倍率もチェックしよう

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警察官の採用試験で合格するためには、難易度や倍率のチェックも大事なポイントです。特に都道府県警察の場合は各警察本部によって試験内容や応募人数が違うので、難易度や倍率が変わってきます。都道府県警察の警察官になるには、第1志望だけでなく、難易度や倍率を調べて併願受験をしてください。

都道府県警察

都道府県警察の採用試験は、自治体によって違いはありますが、ほとんど6倍~10倍前後となっています。大卒程度のⅠ類・高卒程度のⅢ類も同じ傾向です。

難易度はⅠ類の方がⅢ類より高く、高卒でⅠ類を受けるにはかなりの学習が必要でしょう。Ⅰ類では政治・経済・法律などの専門的な問題が出題され、Ⅲ類は国語・英語・数学など高校で習う知識が出題されます。

警視庁

日本の首都を守る警視庁は人気が高く、警察官を目指す受験者も多くなっています。参考までに直近2年間の合格倍率を男女別に紹介しましょう。

男性警察官

 

令和2年度

令和元年度

受験者数

合格者数

倍率

受験者数

合格者数

倍率

Ⅰ類

2,960

643

4.6

6,353

1,297

4.9

Ⅲ類

1,543

213

7.2

4,119

336

12.3

 

女性警察官

 

令和2年度

令和元年度

受験者数

合格者数

倍率

受験者数

合格者数

倍率

Ⅰ類

906

165

5.5

1,799

201

9.0

Ⅲ類

530

82

6.5

1,298

83

15.6

 

警察官は市民社会を守るやりがいのある仕事

身近な警察署や交番で勤務する都道府県警察も、警察組織を運営する警察庁も、どちらも市民社会を守るやりがいのある仕事です。モチベーションを持ち続けて効率よく勉強すれば、採用試験を突破することができるでしょう。


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