警察官の年収や給料はどれぐらい?属性ごとの違いを徹底調査

チェックしておきたいお給料!あなたの属性に対応した年収は?

「市民を守りたい!」「より住みやすいまちづくりに貢献したい!」と熱い想いをお持ちの皆さん、この記事に辿り着いたということは、警察官のリアルな事情についても興味深々でいらっしゃるのではないでしょうか。

実は「経験年数」「性別」「学歴」と、さまざまなパターンによって、警察官の年収は大きく異なってきます。決して安全なお仕事とは言えない警察官だからこそ、お給料事情はしっかり確認しておきたいですよね。

そこで今回は、総務省が公表しているデータなどを元に、警察官の平均年収や手当の種類を徹底解説します。最後まで読み終えたら、あなたは大体いくら年収を貰えるか、計算してみましょう。

警察官の年収はどれぐらい?

警視庁のパトカー1台の写真

まずは警察官に関する年収の金額を確認する前に、初任給と年収の内訳を確認してみましょう。

警察官の初任給はどれくらい?

警察官の初任給は、学歴により異なります。同じく令和3年度地方公務員給料与実態調査によりますと、経験年数が1年未満の警察官の平均給料月額は、以下のとおりです。

学歴初任給の金額
大学卒214,884円
短大卒198,705円
高校卒182,700円

なお、採用される自治体によっても給料金額に差異があります。

警察官の年収の内訳はどうなっている?

警察官の年収の内訳は、毎月一定の金額が支払われる給料が主で、その他に年2回支払われる勤勉手当と期末手当(いわゆるボーナス)があります。さらに残業や特殊な職務などに応じて支払われる手当もあります。具体的な金額などについては、記事の後半で解説します。

ただ、一般の公務員と同様、自治体によって給料の金額や手当の基準額は異なり、全国一律で同じ給与水準というわけではありません。総務省が公表している令和3年度地方公務員給与の実態調査によると、平均的な年収の内訳は以下のとおりです。

種別1回あたり金額年間合計
平均給料月額324,804円3,897,648円
平均諸手当月額137,038円1,644,456円
勤勉手当・ 期末手当1,429,137円
合計6,971,241円

国税庁が公表している令和2年分の民間給与実態統計調査によると、正規雇用の平均給与は496万円ですので、比較すると200万円ほど高額なのがわかります。

条件によって異なる警察官の給料

机の上に重ねて置かれたドル札5枚

同じ警察官でも、さまざまな要因によって年収には大きな違いがあります。ここではいろいろなパターンから見た、平均の年収や給料についてご説明します。

経験年数による平均年収の違い

令和3年度地方公務員給料実態調査で公表されている、都道府県警察職の経験年数別平均給料月額をもとに、推定の年収を算出したものは以下のとおりです。

経験年数平均給料月額推計年収
5年未満217,784円5,216,594円
5年以上10年未満254,834円5,824,214円
10年以上15年未満294,767円6,479,115円
15年以上20年未満342,380円7,259,968円
20年以上25年未満381,168円7,896,091円
25年以上30年未満402,993円8,254,021円
30年以上35年未満414,122円8,436,537円
35年以上409,457円8,360,031円

なお、諸手当月額は令和3年度地方公務員給料実態調査 警察官平均諸手当月額をもとに一律に137,078円として計算しています。また、賞与にあたる額は、国家公務員2022年の方針である年4.4か月として計算しています。

大まかに経験年数と年収は比例しており、その中でも経験年数が30年から35年の間が最も高く、25年以上30年未満よりも年収に18万円以上の開きがあります。

性別による平均年収の違い

警察官の年収は男女平均においても差があります。平成30年度地方公務員給与の実態によると、警察官の平均基本給与月額は男性が324,918円で、女性は280,795円となっています。比較すると、4万円以上の開きがあります。ちなみに平成31年度以降は、男女別の集計はありません。

学歴による平均年収の違い

先程、学歴によって初任給に差が生じると説明しましたが、採用されてからは経験年数と階級によって年収が上がります。そのため、結果的には学歴による年収差はなくなっていきます。

昇任試験に合格すると階級は上がり、通常は大学卒であれば採用されてから2年後、高校卒であれば4年後に最初の昇任試験が受けられます。昇任試験では学歴や性別などとは関係がなく挑戦できるため、実力主義といえるでしょう。

国家公務員と地方公務員では年収が違う?

多くの警察官は各都道府県の警察に勤めるため、地方公務員という位置付けです。しかし、警察庁の場合は国家公務員なので、地方公務員と国家公務員では手当の種類や給与水準などが異なります。

国家公務員

国家公務員試験を受けて警察庁に配属された際は、給与の算出に「行政職俸給表(一)」が適用されます。人事院が公表している令和4年度国家公務員給与等実態調査に基づき算出した平均年収は、以下のとおり約664万円です。

種別1回あたり金額年間合計
平均給与月額405,049円4,860,588円
賞与1,782,216円
合計6,642,804円

地方公務員

警察官の多くは地方公務員として、各都道府県警察に採用されます。地方公務員の警察官の平均年収は、前述のとおり6,971,241円と推定されます。

警察官の多くは地方公務員として、各都道府県警察に採用されたあと、管轄の警察署や交番に勤務します。年収は地域によって大きな違いがあり、その大きな原因の1つが地域手当です。

地域によって異なる生活事情を考慮した手当で、基本給に対する割合が0〜20%に設定されています。地域手当が最も高く設定されているのは特別区、いわゆる東京23区が該当します。

とにかく年収は多く貰いたい!方法は4つ

前述の「条件によって異なる警察官の給料」で説明したとおり、警察官の給与や年収は、勤続年数や勤務先によってさまざまです。もし、さらに年収を上げたいと思ったら、どのように対応すれば良いのでしょうか。その方法について、4つの例をご紹介します。

昇任試験により階級を上げる

現在勤務している方にとって、直接的に給料を上げる方法は、階級を上げることです。階級が上がると適用される号俸が上がり、給与や年収が上がります。階級を上げるためには勤続年数を積み重ねるのはもちろんのこと、昇任試験に合格しなければなりません。さらに警部以上の階級となると、昇任試験ではなく能力によって評価されます。

大卒での採用

初任給は高卒区分(Ⅱ類)より大卒区分(Ⅰ類)の方が高く設定されています。そのため、いったん大学に入学したあと、警察官を目指しても遅くはありません。ただ、高卒と大卒の差については、最初は開きがありますが、早く昇進すると差が縮まっていきますので、学歴に大きくこだわる必要はありません。

小国家公務員での採用

国家公務員として警察庁に入庁、特に総合職採用試験を受けて入庁すると、一般職での採用よりも昇給が早まるため、生涯年収が上がります。さらに東京23区内で勤務すれば、地域手当は基本給の20%となるため、さらに年収が上がります。

採用される場所を検討

地方公務員として勤めている中で同じ勤続年数であっても、年収で大きな差異を及ぼす原因の1つが地域手当です。先程、勤務地によって0〜20%の違いがあると説明しましたが、地域手当が高く設定されている自治体で採用されれば、おのずと年収は上がります。

ただし、地域手当が設定される地域は比較的物価が高い所が多いため、結果的に生活費も多くかかるかもしれません。また、同一の都道府県内でも市町村により地域手当の適用率が異なることがあります。

当ブログでは、独学でも予備校のような学習が叶う、警察官採用試験対策セットの決定版「要点解説講座」を取り扱っています。これまで蓄積した試験データから厳選した、最重要・頻出問題について、講師が音声で詳しく解説しています。教養試験の185テクニックが身につくため、「仕事と勉強を両立しやすい!」「1テクニックの音声解説を5分以内に聴けるから、勉強のハードルが下がった!」と92.8%のお客様に満足いただいています。最小投資で志望自治体の傾向に合わせた対策ができる「自治体別・合格レベル問題集」も併せてご活用ください。


給与の内訳は

万札を数えるスーツの男性

ここでは、警察官の給与に含まれるさまざまな手当を解説します。

ボーナス

民間企業と同様に、警察官を含む公務員にはボーナスが支給されます。期末手当・勤勉手当という呼び方で、国家公務員の金額は法律によって定められています。地方公務員も国家公務員とほぼ同じですが、国家公務員のボーナスを参考として算出され、各自治体によって支給額は異なります。

退職金

警察官の退職手当(いわゆる退職金)は退職理由と勤続年数によって決められ、自己都合退職であれば、同じ勤務年数であっても定年退職よりも退職手当の金額は低くなります。

令和3年度地方公務員給与の実態調査によると、退職手当の平均は約1,736万円です。また、退職までの勤続年数と退職理由に応じた退職金は、以下のとおりです。

区分1人あたり平均手当額
自己都合の退職等3,100,000円
11年以上25年未満勤続後の定年退職等11,573,000円
25年以上勤続後の定年退職等22,296,000円

警察官に支給される手当

警察官も他の公務員と同様、地域手当や扶養手当が支払われますが、業務の特殊性からさまざまな種類の特殊勤務手当も支給されます。その種類は犯罪予防・捜査手当、警ら手当、犯罪鑑識手当、通信指令手当、爆発物処理作業手当など多岐にわたります。

手当の種類が多いためか、毎月支給されるお金に占める手当の割合が他の公務員より高いことが特徴です。令和3年度地方公務員給与の実態調査によると、手当の割合は約3割となっており、一般行政職と比べて1割弱ほど高くなっています。

職種給与月額合計(円)諸手当月額(円)諸手当月額の割合(%)
警察官461,882137,07829.7
一般行政職402,94886,90821.6

手当の種類が豊富であり、金額も多いということは、それだけ体力的にも精神的にも負担がかかる仕事といえるでしょう。

警察官の福利厚生

他の公務員と同様、各種休暇の取得など福利厚生も充実しています。福利厚生の内容は自治体によって異なりますが、結婚や出産、こどもの入学などで各種給付金を受けることができます。

また、年収には直結しませんが、住宅資金や教育資金の融資や資格取得支援制度など、さまざまな福利厚生制度が用意されています。

安定した高水準の収入が得られる

同じ勤続年数でも階級によって差がありますし、勤務地や作業内容による手当の違いなどによっても異なります。

ただ、全般的には給料の高さや手当の豊富さから、継続して比較的高い水準で給与を受けられます。体力的にも精神的にも大変な仕事であり、使命感がないと勤めるのが難しい警察官ですが、何かしらの魅力を感じて警察官を目指すようになった皆さんですから、きっと乗り越えられることを信じています。

「試験対策を本格的に始めたい!」「具体的にどんな試験があるの?」という方は、以下の記事をご覧ください。警察官採用試験を受けるにあたって、合格のために必要不可欠な情報が満載です。

/* イメージマップ(クリッカブルマップ)用コード */