警察官になるには採用試験に合格する必要がある!受験資格は?

警察官は市民の生活と安全を守り、社会を支えるとても重要な職業です。それだけにやりがいがあり、毎年警察官を目指して全国の志望者が採用試験に挑戦しています。

警察官といっても国家公務員と地方公務員に分かれています。また地方公務員の場合は都道府県によって試験内容や採用人数も異なり、複雑でわかりづらいこともあるのではないでしょうか。そこで今回は警察官になるために知っておくべき基本を押さえた上で、安心して採用試験に挑戦できるように役立つ情報をご紹介します。

警察官になるための採用試験とは

警察官になるための条件は「警察官採用試験」に合格することです。採用試験は全国一律ではなく、国家公務員と地方公務員とで異なります。また、受験資格や受験区分も国家公務員と地方公務員とでは違っているので注意が必要です。

警察官の採用試験に合格するにはコースの選び方が大切

警察官は公務員です。公務員には国家公務員と地方公務員があります。警察官にも国家公務員と地方公務員があり、次のような組織に分かれています。

  • 国家公務員:警察庁
  • 地方公務員:都道府県警察

警察庁の警察官になるには「国家公務員試験(総合職/一般職)」に合格しなければなりません。受験資格は「短大卒」および「大卒」に限られます。

都道府県警察の警察官になるには、全国47都道府県の警察本部が独自に実施している採用試験に合格する必要があります。例えば神奈川県警で働きたい場合は神奈川県で、大阪府警なら大阪府で受験してください。警視庁を希望する場合は東京都で試験を受けます。

  • 神奈川県:神奈川県警察(神奈川県警)
  • 大阪府 :大阪府警察(大阪府警)
  • 北海道 :北海道警察(北海道警)
  • 東京都 :警視庁

都道府県警察の受験資格は、埼玉県警察の場合は次の3種類に分かれます。

  • Ⅰ類:大学卒業程度
  • Ⅱ類:短大・専門学校卒業程度
  • Ⅲ類:高校卒業程度

警視庁はⅠ類とⅢ類のみ、神奈川県警察は警察官Aと警察官Bという区分けになっており、各都道府県警察によって基準が異なるので事前の確認が必要です。また警察官になるには筆記試験だけでなく身体検査もあります。

高卒でも受験できるのは都道府県警察

高卒でも警察官になれます。すでに説明したように警察官には警察庁(国家公務員)と都道府県警察(地方公務員)の2種類があり、高卒でも受験できるのは都道府県警察です。また「警察庁」と「警視庁」を混同しないように気をつけてください。名前は似ていますが、警視庁は都道府県警察(東京都)に所属する地方公務員なので高卒でも受験できます。

警察官採用試験を受験する場合は、受験資格に年齢制限があるので注意してください。自分が受けたい都道府県警察の採用情報を必ずチェックしましょう。

警察官の採用の倍率に関しては、当ブログの「警察官の採用倍率はどれくらい?警察官採用試験実施結果を調査」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

警察官の種類は大きく分けて3つの職種がある

ひとくちに警察官といっても、国家公務員と地方公務員があります。国家公務員の中にも2つの異なる職務があるので、全体的には3つに分かれます。それぞれの職務内容や採用試験について説明しますので、どの分野の警察官になるかを決める参考にしてください。

都道府県警察(地方公務員)

都道府県警察の警察官とは、一般に街中で見かける警察署や交番で勤務している「お巡りさん」のことです。所属先は各都道府県に置かれている警察本部になります(東京都の場合は警視庁)。警察本部を管理しているのが各都道府県に設置されている「都道府県公安委員会」です。

警察署や交番で勤務する警察官は、地方警察職員という職名の地方公務員です。ただし、昇級によって警視正以上になると国家公務員に所属が変わります。

警察官採用試験は都道府県ごとに実施されるので、試験日や試験内容などはそれぞれ異なります。東京生まれだから警視庁、北海道出身だから北海道警察といったような出身地による受験の制限はありません。東京生まれでも北海道警察の採用試験にチャレンジできます。また都道府県警察によって試験日が異なるため、複数を併願することも可能です。

警察官になるためには、試験日の異なる都道府県警察を複数併願するのがポイントでしょう。どこの警察本部が合格しやすいということはありませんが、複数併願して合格のチャンスを広げておくことは必要です。

警察庁(国家公務員)

警察庁の警察官は、警察署や交番で勤務する警察官のように身近で見かける機会はあまり多くありません。というのも、基本的な仕事の内容が一般的な「お巡りさん」とは違うからです。都道府県警察の警察官のように、現場で防犯活動や捜査を行うことはありません。警察庁の警察官は、全国の警察組織のあり方を企画・運営したり、組織の調整を行ったりします。

警察庁を管理するのは内閣総理大臣所轄の「国家公安委員会」です。警察庁の警察官は国家公務員なので、国家公務員総合職試験や国家公務員採用一般職試験を受験することになります。

日本全体の警察組織に関する政策立案などの仕事をしたい方は警察庁の警察官を目指してください。

皇宮警察本部(国家公務員)

国家公務員に所属する警察官として、皇宮警察本部があります。警察庁の附属機関ですが、今まで紹介してきた都道府県警察や警察庁の警察官とは職務内容が異なります。皇宮警察本部の職務は、天皇皇后両陛下や皇族方の護衛、皇居・御所・御用邸などの警備を専門に行うことです。

一般的な「お巡りさん」のような捜査権はありませんが、海上保安官や労働基準監督官のように特別な状況下に限り捜査権を持つ特別司法警察職員です。天皇皇后両陛下や皇族の方々に対する犯罪や、宿泊している施設内で発生した犯罪などについて捜査する権限を持っています。

皇宮警察本部の警察官(皇宮護衛官)になるためには、国家公務員一般職に相当する「皇宮護衛官採用試験」に合格しなければなりません。

警察官の採用試験の内容と流れをチェックしよう

警察官の採用試験に合格するためには事前準備が大切です。まずは応募から合格までの全体の流れをチェックしておきましょう。さらに地方公務員試験と国家公務員試験の内容や試験の実施日程、応募条件なども説明しますので、しっかり把握してください。

応募から合格までの採用試験の流れをチェック

都道府県警察の採用試験は、年に複数回実施されるのが一般的です。年に2回のところもあれば3回実施するところもあります。応募時期(受付期間)も各自治体によって異なりますが、1週間~1か月前後の申し込み期間が設けられます。その間に願書などの必要書類を提出してください。申し込み方法は郵送とインターネットがあるので事前に確認しましょう。

第一次試験は応募期間終了後の約1か月~2か月後です。これは筆記試験ですが、引き続き資格経歴の確認、身体検査、適性検査などが行われます。

合否は1か月以内に発表されることが多く、約1~2週間後に第二次試験(面接試験)があります。体力検査や健康診断なども行われ、ここで試験は終了です。

最終合格発表は、第二次試験が終了して約1~2か月後になります。合格者は「警察官採用候補者名簿」に名前が記載されて、翌年度の4月1日以降に順次「巡査」として採用されます。

 受験の流れ詳細
1応募【応募時期】 春・夏(・冬 3回試験がある場合)
【応募期間】 1週間~1か月前後
2第一次試験応募締切の約1~2か月後(筆記試験、資格経歴確認、身体検査、適性検査など)
3合格発表試験後約1か月以内
4第二次試験第一次試験合格発表の約1~2週間後(面接試験、体力試験、健康診断など)
5最終合格発表第二次試験終了の約1~2か月後

警察庁の採用試験は、毎年度、6月頃に第一次試験(国家公務員試験/総合職・一般職)が行われます。1か月前後で一次試験の合格発表があり、その後の警察庁への官庁訪問によって面接試験が実施されます。8月中に最終合格発表という流れです。(一般職の場合は官庁訪問後に第二次試験を実施)

 受験の流れ詳細
1応募【応募時期】 4月の初旬  
【応募期間】 2週間弱
2第一次試験6月頃に国家公務員試験を実施
3合格発表試験後約3~4週間程度
4第二次試験一般職のみ
5最終合格発表8月中

都道府県警察・警察庁ともに採用試験の応募期日や試験日程などは毎年度変わることがあるため、応募要項やHPなどでしっかりチェックしてください。

採用試験はI類~III類まで分かれている

都道府県警察(地方公務員)および警察庁(国家公務員)の警察官採用試験には、Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類の3つに分かれています。どれを選択すればいいのかは、それぞれに受験区分があるのでチェックしてください。

Ⅰ類大学卒業程度
Ⅱ類短期大学卒業程度
Ⅲ類高校卒業程度

埼玉県警察などはⅠ類~Ⅲ類に分かれていますが、各自治体によって違う場合があります。この分類はあくまでも目安で、必ずしもこの学歴が必要というわけではありません。例えば大学卒でもⅢ類を受けられますし、高卒でもⅠ類やⅡ類を受けることは可能です。ただし、学歴に応じて試験内容が難しくなっているので、自分の卒業程度に応じた区分を選択するのが一般的でしょう。

地方自治体によっては明確に学歴で受験区分が分かれている場合もあるので、事前に確認が必要です。

警察庁の場合は、大学卒の学歴が必須なので高卒では受験資格がありません。

採用試験の実施日程は都道府県によって違う

すでに説明したように、都道府県警察の採用試験は一般的には年に2~3回(4月・8月・12月頃)実施され、各都道府県によって試験日が異なります。また複数併願する場合は、第一次試験や第二次試験が重ならないように調整してください。

応募条件には身体要件も含まれる

警察官の採用試験は誰でも受けられるというわけではなく、応募条件があります。年齢についての制限(35歳未満)については説明しましたが、その他にも身体要件を満たしている必要があります。主な身体要件としては、身長・体重・視力・色覚・聴覚・疾患・その他の運動機能などです。各都道府県警察によって基準は異なるので事前に確認してください。参考までに警視庁(東京都)の身体要件を紹介しましょう。なお、最近では身長・体重といった体格要件についての制限を廃止する傾向にあります。

身長男性:おおむね160cm以上 女性:おおむね154㎝以上
体重男性:おおむね48kg以上 女性:おおむね45㎏以上
視力裸眼視力が両眼とも0.6以上、または矯正視力が両眼とも1.0以上
色覚・聴覚警察官としての職務執行に支障がないこと
疾患警察官としての職務執行上、支障のある疾患がないこと
その他の運動機能警察官としての職務執行に支障がないこと

採用試験の難易度や倍率もチェックしよう

警察官の採用試験で合格するためには、難易度や倍率のチェックも大事なポイントです。特に都道府県警察の場合は各警察本部によって試験内容や応募人数が違うので、難易度や倍率が変わってきます。都道府県警察の警察官になるには、第1志望だけでなく、難易度や倍率を調べて併願受験をしてください。

都道府県警察

都道府県警察の採用試験は、自治体によって違いはありますが、ほとんど6倍~10倍前後となっています。大卒程度のⅠ類・高卒程度のⅢ類も同じ傾向です。

難易度はⅠ類の方がⅢ類より高く、高卒でⅠ類を受けるにはかなりの学習が必要でしょう。Ⅰ類では政治・経済・法律などの専門的な問題が出題され、Ⅲ類は国語・英語・数学など高校で習う知識が出題されます。

警視庁

日本の首都を守る警視庁は人気が高く、警察官を目指す受験者も多くなっています。参考までに直近2年間の合格倍率を男女別に紹介しましょう。

男性警察官

 

令和2年度

令和元年度

受験者数

合格者数

倍率

受験者数

合格者数

倍率

Ⅰ類

2,960

643

4.6

6,353

1,297

4.9

Ⅲ類

1,543

213

7.2

4,119

336

12.3

 

女性警察官

 

令和2年度

令和元年度

受験者数

合格者数

倍率

受験者数

合格者数

倍率

Ⅰ類

906

165

5.5

1,799

201

9.0

Ⅲ類

530

82

6.5

1,298

83

15.6

 

警察官は市民社会を守るやりがいのある仕事

警察官になるためには採用試験に合格しなければなりません。そのために必要な情報をご紹介してきました。警察官には身近な警察署や交番で勤務する都道府県警察と、警察組織を運営する警察庁があります。どちらも市民社会を守るやりがいのある仕事です。

本記事を参考にして自分が希望する職種を目標に定め、採用試験の準備をしっかり行って、憧れの警察官を目指しましょう。