警察の体力試験にも準備が必要!1.5次試験の合格基準や対策方法を解説

「体力あれば合格できる?」その考え、危険です!

警察官採用試験では、筆記試験や面接試験のほかにも体力試験を突破する必要があります。とはいえ体力にあまり自信がなくて、どの程度の体力が求められているのか気になる人も多いでしょう。

逆に部活をやっていたからといって、「筆記試験対策に集中できる!ラッキー!」と思っている方、全く対策しないで体力試験にのぞむのは厳禁です。体力試験の項目や、評価基準を正しく理解していないと、感覚では体力がありそうに思えても、評価基準に引っかかってしまったら一巻の終わりです。

そこで今回は、警察官採用試験における体力試験の配点や近年の変更点・注意点、合格基準や対策方法について解説します。

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体力試験の結果が合否を左右する?

階段を上る2人の足元

警察官採用試験において、体力試験は「職務執行上必要な体力の有無」について検査するものです。多くの都道府県警察では警察官採用試験の1.5次試験や2次試験で体力試験が実施されていますが、中には2度に渡り実施されるケースもあります。

この体力試験の結果は、警察官採用試験の合否を左右するほど重視されているのでしょうか?ここでは配点方法、体力試験の傾向、体力についての考え方について解説します。

警察官の1.5次試験とは

警察官の試験では、都道府県によっては一次試験の2日目がある場合があります。例えば一次試験の1日目に教養試験を行い、そこに合格した人が2日目の体力試験・面接試験に進みます。この2日目の体力試験や面接試験のことを、通称として1.5次試験と言う場合があります。

試験の方式は都道府県で異なるので、どの段階で体力試験や面接試験があるか、また面接試験は何度行うかを確認しておきましょう。

警察官採用試験における配点

配点方法は自治体によって違いはありますが、配点割合のイメージをつかむために茨城県の例をご紹介します。

試験の種類配点合格基準
教養試験120点4割以上
論(作)文試験60点4割以上
体力試験60点以下の両方を満たす必要あり   ・5割以上 ・体力試験種目別基準に満たない種目が3種目以上ないこと
口述試験(集団討論)80点4割以上
口述試験(個別面接)160点4割5分以上

面接試験の配点が非常に高いことから見ると、体力試験の配点は低いようです。

ただし、すべての体力試験種目において足切りラインよりも高い得点を獲得していないと落とされてしまうので注意してください。

体格基準撤廃や体力試験項目の削減も見られる

警察官採用試験では少しずつ方針や検査項目の変更などが見受けられるので、最新の試験案内をチェックすることが大事です。

たとえば身長・体重・胸囲(男性のみ)において、従来は体格基準が設けられていましたが、撤廃した自治体があります。

体力検査についての変更事例や注意点は、次の5つです。

  • 以前は6項目あった体力試験項目から、「立ち幅とび」「握力」を廃止して、項目数を4つに削減
  • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、「反復横跳び」や「上体起こし」については未実施
  • スクワットを取りやめて、代わりにバーピーテストを実施
  • 試験案内で公開されている体力検査の種目が、試験当日に変更される可能性
  • 第1次と第2次試験の両方で体力検査が実施される場合、第1次試験の体力試験で合格基準に達しないと第2次試験に進めない

試験に合格したらキツイ訓練が待っている!?

警察官の採用試験では、筆記、体力、面接でバランスがとれていることが重視されます。そのため体力試験は、合否を大きく左右する要素だといえるでしょう。筆記試験では満点でも、腕立て伏せが1回もできないようでは警察官採用試験の合格は難しいということです。

また体力試験では、アスリートのようなすぐれた身体能力が求められているわけではありません。たとえば腕立て伏せであれば、周りのペースに遅れずに、またツブれることなくついていけるかどうかが重視されます。

実際になんとかギリギリで体力試験をクリアし警察官として採用されたとしても、警察学校で受ける訓練は甘くありません。しっかり訓練が待っていますので、努力すれば体力はつきますが、精神的にタフでなければつぶれてしまうことも考えられます。

現場で使う非常に重たい警察無線のほか、拳銃と警棒を腰のベルトにつけて動き回ることを想像してみてください。警察官試験は単なる通過点に過ぎず、体力は必然的に欲しい要素となります。

本気で警察官を目指すなら、筆記試験の対策と並行して体力をつける努力も必要だといえるでしょう。

ここまでのポイントまとめ①
配点:面接160点、教養120点、論作文60点、体力60点
筆記・面接対策と並行して体力をつける!
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警察が求める体力試験合格の基準はどれくらい?

2~3Kgのダンベル6本がピラミッドのように積まれていて、青いスニーカーが隣に置いてある

ここでは警察官採用試験における体力試験種目ごとの得点基準や、合格者の平均値を解説します。自治体ごとに異なるものの、合格基準に達する体力を知るための参考にしてください。

警察が公表している体力試験の得点基準

ここでは、香川県の例を参考に、令和4年度の体力検査の種目ごとの得点基準についてご紹介します。香川県は、体力試験を第1次試験と第2次試験の両方で実施している自治体です。

検査項目は5種目あり最高得点は40点のため満点は200点で、合格基準は100点とされています。体力試験が100点に満たない場合には、第1次試験は不合格となる点に注意が必要です。

男性と女性では、異なる得点基準が示されているので参考にしてください。

試験項目

性別

0点

10点

20点

30点

40点

反復横とび

男性

41回以下

42~47回

48~53回

54~59回

60回以上

女性

35回以下

36~40回

41~46回

47~51回

52回以上

20mシャトルラン

男性

31回以下

32~52回

53~73回

74~94回

95回以上

女性

18回以下

19~32回

33~46回

47~61回

62回以上

握力

男性

35kg以下

36~42kg

43~49kg

50~55kg

56kg以上

女性

19kg以下

20~24kg

25~29kg

30~34kg

35kg以上

腕立て伏せ

男性

14回以下

15~24回

25~33回

34~41回

42回以上

女性

8回以下

9~17回

18~26回

27~35回

36回以上

上体おこし

男性

17回以下

18~21回

22~25回

26~29回

30回以上

女性

9回以下

10~13回

14~17回

18~21回

22回以上

女性には男性並みの体力は求められていない

上記の得点基準を見るとわかるとおり、女性には男性並みの体力は求められていません。北海道警察では令和3年度の体力試験合格者平均値を公表していますので、ここでご紹介します。

自分自身の現状や課題を把握する際の参考として、この合格者平均値をぜひ役立ててください。

試験項目女性男性
握力(右)27.6kg43.8kg
握力(左)25.7kg41.8kg
腕立て伏せ9.9回/60秒35.6回/100秒
バーピーテスト19.7回/80秒29.9回/120秒
ここまでのポイントまとめ②
体力試験が100点に満たないと不合格。
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体力試験突破に向けた対策2選

ストレッチしている足元

ここでは、警察官採用試験で実施される体力試験突破に向けた対策方法を解説します。

最低でも半年前から準備を!当日は本気で取り組む

「体力試験の配点が低いから頑張って対策しなくてもいい」という考えは通用しないことは、すでに述べました。

「自分は部活をずっとやってきているから余裕で体力試験を突破できる」と過信しすぎるのも禁物です。舐めているとその気持ちを読まれてしまって、本気で取り組む気がないと見なされ悪い印象を与える可能性があります。

当日は、とにかく本気で体力試験のすべての検査項目に取り組むことが重要です。

また各種目の足切りラインより少し上を目指して、不得意種目を無くすように、まんべんなく準備を進めましょう。できれば、最低でも半年前から準備を進めるのがおすすめです。

本番で過度に緊張したり検査項目が想定と違ったりしても、しっかり対策しておけば焦らず験にのぞめるでしょう。

特にバーピーテストについては自己流の解釈で習得しないよう、正しい方法をおさらいするようにしてください。

警察推奨のトレーニングが参考になる!

合格者の平均値について、体力を測る数値としてすでにご紹介しましたがピンと来ない人も多いでしょう。

そこで体で実感できる方法として、大阪府警察官採用試験で実施される体力検査をもとに公安されたサーキットトレーニングをご紹介します。

「OSAKA POLICE TRAINING」略して「OPトレ(おぴとれ)」と呼ばれるサーキットトレーニングです。3セットしっかりできれば体力試験の最低基準をクリアできたと考えられるようなので、視聴しながら自分の出来を確認しましょう。

また神奈川県警は公式の採用チャンネルを開設しており「バーピーテスト」や「腕立て伏せ」などの方法を紹介しています。

福岡県警察公式チャンネル公式でも「バーピーテストの実施要領」を紹介しているので、正しい方法を確認してから対策するようにしてください。

油断禁物!体力試験にも全力で取り組もう

警察官の体力基準は高いわけではないので、体力に不安がある人でも十分な事前準備をすれば合格できます。逆に今自信を持っている人は、油断せず、コツコツとトレーニングを重ねて、確実に合格できるようにしましょう。


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