「警察官になりたい」という夢に向かって一歩踏み出した皆さん、採用試験を受けるにあたって、「何をどのように勉強すればよいか分からない」「出題範囲が広いし、今年は諦めようかな」。そんな壁に早くもぶつかっている人も少なくないでしょう。
たしかに、警察官採用試験の出題範囲は広いので、要領良く勉強しなければ、膨大な時間と労力がかかってしまいます。
でも、せっかく芽生えた使命感を流してあきらめてしまうのはもったいないです。今回は、警察官採用試験の出題科目と対策方法、効率的な勉強方法を解説いたします。また、警察官採用試験に合格した先輩たちの声も紹介していますので、きっと良いヒントが見つかることでしょう。
1次試験はここを勉強&対策
警察官採用試験の1次試験は、主に以下の3つの試験で構成されています。
- 筆記試験(教養試験と論作文試験と国語試験)
- 身体検査
- 適性検査
筆記試験では五枝択一マークシート式の「教養試験」と、記述式の「論作文試験」「国語試験」が行われます。
教養試験は「一般知能科目」と「一般知識科目」に大きく分かれています。それぞれの出題分野はおおむね次のとおりです。
試験名 |
科目名 |
試験範囲 |
教養試験 |
一般知能科目 |
● 数的処理 ● 文章理解 ● 判断推理 ● 資料解釈 ● 図形判断 |
一般知識科目 |
● 社会科学 ● 人文科学 ● 自然科学 ● 一般科目(国語・英語・数学) |
ここからは、それぞれの科目別の対策方法を紹介します。
一般知能科目
一般知能科目では、とくに数的処理の攻略が重要です。過去問分析をもとに頻出問題を繰り返し解き、解法のパターンを覚えましょう。
文章理解も点を落としたくない分野です。重要なのは読解・選択のテクニックを身に付けること。繰り返し練習問題を解くことに加えて、新聞や小説などに触れて文章を読むことに慣れ親しむと良いでしょう。
一般知識科目
一般知識科目では、社会科学が多く出題される傾向にあります。政治・経済・社会・法律といったテーマを、広く学習することが必要です。
人文科学は、歴史・地理・思想・文学芸術などが出題されます。出題数の少なさに対して学習範囲が非常に広いため、頻出テーマに的を絞って勉強すると良いでしょう。
自然科学は、数学・物理・化学・生物・地学など、理系の問題が主です。基礎的な内容の出題も多く見られるため、頻出テーマを中心に満遍なく学習しましょう。
論作文試験
論作文試験でよく出題されるのは「理想の警察官像」「犯罪に対する知識・考え方」「警察行政に関する意見」など、警察官採用試験ならではのテーマです。過去のテーマなどを参考に、考えを筋道立ててまとめられるようにしましょう。
また、論理的文章の基礎的な書き方を身に付ける必要があります。過去の出題テーマや予想テーマについて、実際に論述する練習をしましょう。書いた文章は第三者に添削してもらうと、上達につながります。
適性検査
警察官採用試験の適性検査では、Yes/No形式の性格検査や、簡単な足し算を繰り返す「クレペリン検査」がよく用いられます。いずれも特別に時間を割いて対策する必要はありませんが、インターネットなどで同様の試験を受けて、出題形式や問題の解き方に慣れておくと良いでしょう。
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【公務員試験サクセス】
<警察官採用試験・合格体験談>
千葉県M.Kさん
自宅学習を選んで正解! 要点解説講座で合格しました。
予算と仕事をしながらの対策になるため、自宅学習で対策を取りました。現役から離れて久しく、勉強には正直、不安がありました。市販の参考書では範囲が広すぎて手が止まってしまい、解決できないかと教材を探したところ、受験サクセスの公務員試験要点解説講座を見つけました。
公務員試験の頻出・ポイントの問題が収録されていて、勉強の方向性が一気に定まったのと1問5分の音声解説で学べるので、通学、家事など時間を無駄なく使って対策が取れました。
予備校に通った友人もいましたが、ちょうどコロナが流行りだし、授業がままならなくなったと話を聞き、自宅学習を選んで良かったと思いました。志望の自治体に合格することができ、春から職員としてスタートします。自宅でも必要な対策をしっかり押さえられる公務員試験要点解説講座は本当におすすめです。
2次試験はここを勉強&対策
2次試験では口述試験(面接)、体力検査が行われるほか、1次試験に引き続き身体検査、適性検査が実施されます。
2次試験の主な目的は、受験者の能力や人柄を試験することです。2次試験の配点比率は近年高まる傾向にあるため、軽視できません。
口述試験、体力検査の出題内容には、次のようなものがあります。
試験名 | 試験の詳細 |
口述試験 | ・志望動機 ・やりたいこと(部署など) ・自己PR ・趣味 ・学生時代の活動 ・併願状況 ・気になったニュース |
体力検査 | ・腕立て伏せ ・上体起こし(腹筋) ・バーピーテスト ・反復横跳び ・シャトルラン ・持久走 |
ここからは、口述試験と体力検査の出題内容をそれぞれ紹介します。
口述試験
口述試験は、個別面接形式です。質問は質問カードを中心に、志望動機や自己PR、興味関心などに関するものが多いようです。自己分析や仕事研究などの対策を行い、よく出る質問については回答をまとめておくと良いでしょう。
また、時事問題についての質問をされることもよくあります。日常的にニュースや社会情勢などに関心を持ち、意見をまとめておくことも大切です。
詳しくは本メディアの以下の記事をチェックしてください。
体力検査
体力検査の内容は年度や自治体によって異なりますが、いずれもある程度の持久力や筋力を求められる試験です。運動に自信のない人は、勉強の合間にリフレッシュを兼ねて筋力トレーニングをするなど、事前に対策をとっておくほうが良いでしょう。
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1次試験は簡単でも手を抜くのはNG
警察官採用試験の1次試験は、それほど難しくありません。しかし、だからといって全く対策をせずに臨むのはNGです。
警察官採用試験は、1次試験合格者のみが2次試験に進めるシステムです。難易度が低いとはいえ、全員が2次試験に進めるわけではありません。出題傾向を把握して適切な対策をしておかなければ、合格ラインに到達しない可能性が誰にでもあるのです。
さらに重要なのは、最終的な合格者が2次試験の結果だけで選別されるのではない、という点です。合格者の判定は、1次試験と2次試験の結果の総合評価により行われます。つまり、2次試験に進めても1次試験の結果が良くなければ、最終判定で落ちる可能性が高くなるわけです。
「1次試験はとりあえず通過できれば良い」とタカをくくらず、しっかりと試験対策を行なうことが、警察官採用試験の合格の近道です。
効率的な勉強方法の5つのポイント
警察官採用試験の問題は、広範囲から出題されます。そのため、全ての科目を一から習得していく勉強方法では、時間がいくらあっても足りません。勉強をどれだけ効率良く進めて習熟度を上げられるかが、試験通過のカギとなるでしょう。
警察官採用試験のための効率的な勉強法として、次の5つが挙げられます。
- 過去問題の傾向を掴む
- 反復して問題を解く
- 科目ごとに分かれた参考書を使う
- 1日のノルマを決める
- 配点の割合が高い科目を優先する
ここからは、それぞれの勉強方法について詳しく解説します。
1.過去問題の傾向を掴む
警察官採用試験の毎年の出題内容には、ある程度の傾向があります。数年分の過去問題を実際に解いてみると、共通する傾向や、頻出する問題を把握できるでしょう。
傾向や頻出問題が掴めたら、同じ系統の問題をやり込むことで、点数がぐっと取りやすくなるでしょう。何も知らずにやみくもに勉強することと比べて、ポイントも絞りやすくなります。
2.反復して問題を解く
過去問などを参考に出題されやすい問題を把握したら、類似問題や一度解いて間違った問題を繰り返し解くことが有効です。
とくに、数的処理、判断推理、文章理解、資料解釈の問題は、解法をしっかり覚えれば、あとは類型に当てはめていくことで確実に点数を取れるようになります。できるだけ数をこなして解法に慣れ、問題を解くスピードや正解率を上げていきましょう。
3.科目ごとに分かれた参考書を使う
参考書を選ぶ際は、まずは科目ごとに1冊ずつ用意すると良いでしょう。なぜなら、すべてが1冊にまとまった参考書は、広く学習できるものの、内容が薄くなってしまうからです。
科目ごとの参考書でしっかりと理解を深め、全体を網羅した参考書や問題集は、試験が近くなったタイミングでの理解度確認に利用するなど、上手に使い分けるようにしましょう。
4.1日のノルマを決める
警察官採用試験の出題範囲は広いため、メリハリをつけて勉強を進めていかなければ、いつまでも終わりが見えずにストレスが溜まることがあります。
「1日に過去問題を○問ずつ解く」「○日までに○周反復する」といった、短期的・中期的なノルマを設定して勉強すると、集中力が切れにくくなるためにおすすめです。
ノルマを決める際は、常に余裕を持ってクリアできる量にすると、モチベーションを保ちながら継続しやすくなります。
5.配点の割合が高い科目を優先する
試験当日までに確実に点数を取れる状態に仕上げるためには、勉強する科目の取捨選択が必要となる場合もあります。
科目を絞って勉強する際には、配点の割合が高い科目を優先することが、合格を狙うためのテクニックです。1次試験の教養試験でいうと、数的処理、推理判断、文章理解は配点が高い傾向にあるため、優先して勉強すると良いでしょう。
また、論作文試験も教養試験と同程度の配点があります。過去の出題テーマをもとに論述の訓練をするなどして、しっかり備えておきましょう。
採用試験合格に必要な勉強時間は?
警察官採用試験に合格するのに必要な勉強時間は、一概に何時間とはいえません。クリアしなければならない課題の量や、勉強方法によって異なるためです。課題の量や1日に取れる勉強時間、自分の集中力が続く時間などさまざまな要素を見積もって、逆算して試験勉強を始める時期を決めましょう。
警察官採用試験に合格した人では、試験の半年~1年前ごろに勉強を開始したケースが多く見られます。高校生や大学生で試験勉強を始める場合には、部活動の引退などがスタートのタイミングとなることが多いです。ただし、なかには4ヵ月前から勉強を始めたという声もあり、人によってかなり幅があります。
一般的な1日の勉強時間を2時間程度と見積もると、総勉強時間は4ヵ月前に勉強を始めた場合で240時間、1年前に始めた場合は720時間となります。総時間をどのように各試験科目や出題分野に割り振るかを考えて、計画的に勉強を進めることが大切です。
また、どうしても勉強時間をたくさん取れない場合には、科目を絞って勉強するなどの工夫をしましょう。自分のペースと事情に合わせた勉強スタイルを見つけることで、勉強時間が少なくても成果を上げられるはずです。
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警察官採用試験に合格した先輩の声
警視庁採用センターが運営する「警視庁採用サイト」には、警察官採用試験に合格した先輩方の、採用試験対策に関する次のような声が掲載されています。
■公務員対策講座を受講した?
- 受講せず合格した先輩から勉強法を教わった
- 受講せず過去問題集で勉強した
- 何から手をつけたらよいか分からなかったために受講した
■主に取り組んだ勉強は?
- 参考書を繰り返し解き、論文はできるだけ多くの人に見てもらった
- 市販の参考書を分野ごとに購入した
- 毎日のノルマを決めて過去問題を速く解く練習をした
- とにかく問題を反復して解いた
■やっておいたほうがよい1次試験対策は?
- 過去問題を解いて傾向と対策を掴む
- 模擬試験を受験して時間配分を考えておく
- 精神面・体力面を鍛える
- 模試で良い点を取っても過信しない
■2次試験対策として取り組んだことは?
- 体力試験のためにコツコツとトレーニングをした
- 鏡の前で面接のシミュレーションをした
- 面接の話題となるような特別な活動に参加した
- 学校の先生と面接の練習をした
先輩方の声を見ると、公務員対策講座を受講せずに自学で対策した方が少なくありません。また、過去問題から傾向と対策を掴むことのほか、繰り返し問題を解くことや面接のシミュレーションなど、地道な努力の積み重ねが大切であることがわかります。
予備校や講座で勉強する方法も
自分で対策を考えながら警察官採用試験の勉強をするほかに、公務員対策講座や予備校に通って勉強する方法もあります。
講座や予備校に通うメリットは、次のとおりです。
- 精度の高い情報が得られる
- スケジュール管理がしやすくなる
- 2次試験対策を充実させられる
公務員対策講座や予備校に通うと、蓄積されたデータにもとづいた出題傾向や、前年度からの変更点といった情報を得やすくなります。また、あらかじめ試験日を見据えた日程に沿って授業が行われるため、自分でスケジュールを組まなくても、当日までに最低限の学習を終えることが可能です。
情報収集やスケジュール管理が苦手な人にとっては、メリットが大きいといえるでしょう。また、自分では正解がわかりづらい2次試験の面接や論作文なども、専門の講師から直接指導を受けられます。
ただし、講座や予備校に通うにはまとまった費用が必要なこと、授業スケジュールに合わせて時間を空けなければならないことなど、デメリットも少なくありません。ご自身に向いているかどうかをよく考えて、利用を検討すると良いでしょう。
警察官採用試験の勉強は傾向と対策を掴んで効率的に
警察官採用試験の科目とその対策方法について解説しました。「なんだか気が遠くなりそう」「やっぱり無理だと実感しました」という不安なお声もたくさん聞こえてきそうですね。
でも、合格を手に入れた先輩方も皆さんと同じように、勉強をスタートする前には、当ブログに不安や戸惑いの声を多く寄せていました。過去問題を活用して傾向と対策方法をつかむこと、配点の大きな分野を優先的に勉強することがポイントです。しっかりと対策をして、合格を目指しましょう!