町村役場の就職試験、コネは必要?受験生の不安なポイントを解説!

あの噂は本当…? 町村役場試験の気になる事情

町村役場職員に関する就職試験の内容については、一般的に筆記や面接による試験が行なわれます。しかし、よく聞くのが「町村職員が親や親戚だと有利」、「ある人を介すると採用してくれる」という、まことしやかに流れている噂です。

国家公務員や政令指定都市ではコネ採用という話は聞きませんが、町村レベルではいまだにその慣習が残っているという話も聞きます。今回はその真偽のほどについて調べたうえで、実際にコネ採用と呼ばれるものがあるのかどうかについて、ご紹介します。

試験の内容はどうなっているか

教室の背景に浮かぶ試験問題と解答用紙

町村職員の試験日程は、それぞれの自治体や職種(一般行政職、技術職、資格・免許職)によって異なりますが、おおむね7月から申し込み受付、1次試験が9月頃、2次試験が10月頃に行なわれます(町村によっては、3次試験もあり)。

筆記試験

公務員として持ち合わせておくべき教養を問う筆記試験を行います。文章の理解力や人文・社会・自然科学などの基礎知識、数的な処理能力が問われます。大学受験などと同じく、受験対策が必要です。技術職の場合は専門分野に特化した内容が出題されます。

作文・小論文

小論文や作文は1次試験または2次試験で課されるもので、与えられた課題に対して自分の考えを述べます。記述内容自体の良し悪しよりも、課題を正確に把握したうえでわかりやすく文章がまとめられているのか、日本語を正しく使用しているか、文章作成のルールに従い、しっかりした文章構成をもとに記述されているのかなどが問われます。

SNSなどの普及により、短い文章を書く場面は増えたものの、構成を意識したある程度の文字数のある文章を書く機会は減ってきており、慣れていない場合は対策が必要です。

面接

個別面接が一般的ですが、集団面接や集団討論を実施する場合もあり、面接を複数回重ねる役場もあります。筆記試験と面接試験の点数割合は役場によってまちまちですが、筆記試験は大勢の希望者を絞るために利用し、実際の採用の可否には面接を重視している傾向が強まっています。

エントリーシートを元に質問されることが多いため、事前に自分の考えを整理しておきましょう。公務員としての心構えや考え方、集団行動への適応力などがチェックされます。

実際にコネはあるのか?

固い握手を女性社員が見つめている

町村での公務員就職試験の形式については市とほぼ変わらず、特別なことはありません。しかし、なぜいまだに「町村役場の職員はコネ採用があるのではないか」という噂がささやかれるのでしょうか。

逮捕の事例も

2006年(平成18年)、広島県呉市の一般行政職採用試験で職員の不正採用を行なっていたとして、当時の市長と助役(事件当時の役職名)が逮捕されています。さらに2017年(平成29年)には山梨市で、知り合いの受験生の一次筆記試験結果を改ざんしたとして、市長が逮捕されています。

市レベルで改ざんがされるのだから、規模の小さな町村レベルではなおのこと改ざんが容易ではないかと推測されているようですが、逮捕者が出るぐらいの内容ですから、どの町村でもコネ採用が行なわれていると考えるのは早計です。

噂を呼ぶ原因は?

町村職員には町村議会議員の子どもや親戚、近所の人がいたり、地元企業の有力者の子どもや親戚がいることは珍しいことではありません。町村職員は毎年募集しているわけでもなく、人数がかなり限られているなど狭き門です。ただでさえ職員数が少ないのに、何らかの知り合いの人がいると「コネ採用ではないか」と勘繰ってしまいそうです。

しかし、小さな町村であればあるほど、もともとの人口が少ないために、親戚や知り合いなど何らかの形で議員や有力者と関係のある人がいる可能性は高くなります。そのため、「コネ採用が日常的に行なわれているのではないか?」という誤解を生んでいるようです。

また、試験で不正は行ないにくい状況ではあるものの、客観的に点数が出せる筆記試験とは異なり、小論文や面接は試験官の裁量で点数を上下できそうというイメージも、コネ採用の疑惑につながりやすくなっています。最近の人物重視という考え方から、むしろ今の方がコネ採用の噂が広がりやすくなっているともいえます。

縁故ではないが影響のあるケースも

広幅用紙にアイディアを書き込む複数の女性

では、今の就職試験は、筆記試験や小論文、面接など、当日の試験結果だけですべてが決まるのかといわれると、そうとはいい切れません。私的な人とのつながりによるコネではありませんが、就職よりも前に役場とつながっておくという意味で、コネを作っておくと有利に働く場合があります。

小さい町村は地元が有利

町村の規模が小さければ小さいほど、自分の故郷である場所の自治体に受験した方がいいでしょう。昔から住んでいてよく知っている場所であるだけに志望理由が考えやすいうえに、近所や親戚からたどっていくと、役場職員とつながりのある方が出てくる可能性があります。面接官は役場の職員であるため、まったく知らない人よりも、書面にはない人となりなどがある程度伝わっている受験者の方が、より有利に働くものと思われます。

臨時職員・アルバイト

就職前に役場とつながりを持つ方法として1番簡単なのは、臨時職員やアルバイトとして働くことです。臨時職員は正規職員が行なう事務を補助する役割を担い、窓口業務や電話対応、庶務事務などを行います。正規職員と一緒に仕事をして自分のことを知ってもらい、人間関係を築けます。

親しくなれば、職員の方に過去の受験体験やアドバイスを聞けるのは大きなメリットですし、面接の時にも具体的な仕事の話ができて大きなアピールポイントとなるでしょう。

もし、臨時職員やアルバイトを募集していない場合は、温浴施設などの第3セクターと呼ばれる町運営の施設で働くことも選択肢のひとつです。施設の運営には役場が関わっているため、仕事を通じて正規職員に自分の存在を覚えてもらえる可能性があります。

地域活動への参加

自分の故郷ではなく、アルバイトなどの採用がかなり難しいという場合は、その地域のボランティア活動やイベントに参加するという方法もあります。イベントを通じて正規職員と知り合いになることで、アルバイトと同様に自分を知ってもらういい機会となります。

アルバイトやボランティア以外では、「地域おこし協力隊」というものもあります。これは地方自治体が募集しているもので、1〜3年間その地域で生活し、一般の人が移住するための協力や啓発活動などを行う移住コーディネーターや、地域のブランディングなどを行う仕事です。地域おこし協力隊はボランティアではなく、給与や家賃補助などが支給されます。

地域おこし協力隊の任務が完了すると、必ず正規職員になれるというわけではありませんが、通常ルートで採用試験を受けて、面接などで自分の経験を話すのは大きなアドバンテージになるものと思われます。

出身以外でも町村役場には就職できるかどうかは、当ブログの「出身以外でも町村役場には就職できる?選択肢を広げてみよう」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

あからさまなコネはないが、地域に根ざした経験は必要

今回は町村職員の就職試験に関する内容を説明しつつ、コネ採用があるのかどうかについて説明しました。いわゆる有力者や議員などによる縁故採用はないものの、合格には筆記試験に直接関係のない要素もあるようです。

とはいえ、いくらコネクションを作ったとしても、筆記試験や小論文などで点数を取らなければ採用は難しいでしょう。採用試験に向けた勉強があくまでもメインとして、役場とのつながりを作る活動にも目を向けてみましょう。