教員採用試験では、第一次選考で筆記試験が実施されます。誰しも、合格のために自分が受験する筆記試験の内容はしっかり踏まえておきたいところ。ところが、受験する教員採用試験の種類によって出題される科目や問題の内容は異なります。そのため「教養試験をとりあえず勉強したら何とかなるだろう」という漠然とした勉強だけでは、希望自治体に合格するための対策が出来ずにコケてしまいかねません。
そのため今回は、教員採用試験で出題される小論文を含めた筆記試験の内容の詳細に加えて、希望自治体の傾向と過去問の調べ方について解説します。最後まで読めば、具体的にどう動き出せば良いのかがハッキリ分かるようになります。
教員採用試験の第一次選考で出題される問題

教員採用試験の第一次選考では、以下の分野の問題が出題されます。
- 教職教養
- 一般教養
- 専門教養
それぞれの問題の内容や科目を紹介します。
教職教養で出題される科目と問題
教職教養では、教育に関する総合的な知識と理解を求める問題が以下の科目より幅広く出題されます。
科目 | 科目の特徴や出題される内容 |
教育原理 | ・教育の原理や原則に関する分野 ・教育指導要領や生徒指導提要について出題 |
教育史 | ・教育の歴史に関する分野 ・日本教育史と西洋教育史に分かれる ・歴史上の人物や実績について出題 |
教育法規 | ・学校教育の法令に関する分野 ・法律の名称や番号、用語などについて出題 |
教育心理 | ・教育心理学に関する分野 ・心理学に関する人物や実績について出題 |
教育時事 | ・教育に関する時事的な話題 ・答申、報告書、通知などの内容や用語について出題 |
出題される内容や形式は自治体によって異なります。たとえば東京都では、共通問題と受験する教員採用試験の区分によって変わる選択問題で構成されています。
一般教養で出題される科目と問題
一般教養では、小学校から高校までで学んだ一般常識を問う問題や、受験する自治体の地域性を問われる問題などが、以下の分野から出題されます。
科目 | 科目の特徴や出題される内容 |
人文分野 | ・国語 ・英語 ・音楽 ・美術 ・保健体育 ・家庭 |
自然分野 | ・数学 ・物理 ・化学 ・生物 ・地学 |
社会分野 | ・歴史 ・地理 ・政治 ・経済 ・倫理 |
一般時事 | ・国際情勢 ・政治 ・経済 ・社会 ・情報 ・環境 ・科学 ・文化 ・スポーツ |
ローカル問題 | ・歴史 ・教育政策 ・固有の文化 ・人口 ・面積 |
なお、一般教養の問題を設けているかは受験する自治体によって異なります。例えば東京都の「公立学校教員採用候補者選考」の第一次選考は、教職教養と専門教養のみです。
専門教養で出題される科目と問題
専門教養では、以下のように教科や科目の知識、指導力を問う問題が出題されます。特に小学校は、全科目を幅広くに対策する必要があるので、対策は早めに始めると安心です。
受験する免許の種類 | 出題される科目 |
小学校(全科および特別支援学校) | 小学校の全科目 |
小学校(特別コース) | 受験する区分の科目 |
中学・高等学校(特別支援学校含む) | 受験する区分の科目 |
小論文で出題される問題
教員採用試験の第一次選考で、多くの自治体が小論文を設定しています。小論文で出題されるおもなテーマは以下の通りです。
テーマの区分 | テーマの内容や求められるもの |
教師像 | ・理想の教師像、教育理念、熱意を問う |
教育論 | ・教育の現状を踏まえた課題 ・課題解決のための提案 |
生徒指導・学習指導 | ・いじめなど教育現場における問題への具体的な対策方法 |
抽象題 | ・教職とは関係のないテーマ ・発想力や文章力を問う |
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教員採用試験で出題される問題の傾向と対策

教員採用試験の第一次選考を突破するために必要なのが、出題される問題の傾向を把握し、必要な勉強を効率よくすることです。教員仕様試験で出題される問題の傾向と対策方法についてまとめました。
教職教養は出題割合が高い
教員採用試験の区分は、大きく分けると以下のふたつに分類できます。
- 受験する区分を問わず共通で出題される(教職教養と一般教養)
- 受験する区分によって問題内容が異なる(専門教養)
教職教養と一般教養は受験する教員採用試験の区分を問わず、共通の問題(または一部選択)が出題されます。このふたつの内、一般教養よりも教職教養の方が、出題割合が高い傾向にあります。
たとえば千葉県の教員採用試験では、20問中教職教養90%、一般教養10%の出題割合となっています。東京都と広島県は一般教養を採用試験にて出題していないため、教職教養100%です。
教員採用試験の第一次試験の総合得点を挙げるためには、教職教養問題への対策をしっかり行うのが重要といえるでしょう。
問題の出題傾向は自治体によって異なる
教員採用試験の問題の内容は自治体によって異なります。自分が受験を希望する教員採用試験の過去問などを参考に、以下の内容を確認して傾向を把握しましょう。
- 出題される科目
- 全体の問題数
- 出題範囲
- 試験時間
たとえば教職教養の分野には教職原理、教職史など5つの科目がありますが、どの科目が出題されるかは自治体によって異なります。ある自治体では5つの科目からまんべんなく、ある自治体では教職心理が出題されない、という場合もあります。
自分が受験を希望する教員採用試験の出題傾向を把握することで、必要な範囲のみを勉強できます。効率よく教員採用試験の筆記試験対策をするためにも、過去問を参考に出題傾向や内容をチェックしておきましょう。
専門教養は配点が高い
教員採用試験の第一次選考の中でも、専門教養は受験する区分によって出題される科目や問題の内容が異なります。たとえば小学校教員なら全科目、中学校の英語科教員なら英語のように、教員として実際に教える教科の知識を求められるためです。
専門教養は、教員採用試験の第一次選考の中でもっとも配点が高くなっています。教員として採用後にもっとも求められる、指導する科目の専門的な知識や指導力を問う分野だからです。
専門教養は、配点が高い一方で試験問題の難易度も高くなっています。専門教養対策をしっかりと行うことも、第一次選考の得点力アップに必須です。専門教養も自治体によって出題傾向や内容が異なります。過去問からしっかりと内容や傾向を調べて、得点につなげましょう。
教員採用試験の過去問題を調べる方法

自分が受験する自治体の教員採用試験の内容や傾向を調べ、必要な部分を効率よく勉強することで、教員採用試験の突破につなげられます。毎年の出題傾向などを把握するためにかかせないのが、過去問題です。
本項では、教員採用試験の過去問題を調べる方法を解説します。
各自治体の教員採用関連サイトで調べる
各自治体は、教員採用試験の関連サイトにて、過去問題を公開しています。たとえば東京都では、「東京都公立学校教員採用ポータルサイト」にて教職教養と専門教養、論文の過去問題と解答、配点を記載しています。
過去問題集と参考書を購入する
教員採用試験対策ができる過去問題集や参考書を購入するのも有効です。過去の傾向や配点なども参考にできるので、効率良く勉強が進められます。「教職教養」「論文」など、試験区分や科目別に問題集や参考書が発売されているため、苦手なところを重点的に勉強したいときにも有効です。
当ブログで扱っている問題集は、実際にその自治体を受けた受験生から聞き取り調査をもとに作成しているので、より特化した対策を行えると好評です。
教員採用試験の問題の内容や傾向は早めの把握を
教員採用試験の問題で出題される範囲や内容は受験する自治体によって異なります。まずは受験を希望する自治体の過去問を調べて、内容や傾向、配点を把握しましょう。
範囲も広く専門的な知識が求められる教員採用試験の筆記試験対策、効率の良い勉強につなげて、第一次選考突破を目指しましょう。
また、筆記試験を突破した先には、面接や集団討論による試験が待ち構えています。以下の記事では、教員採用試験で実際に出た討論テーマ15個を紹介しているだけでなく、集団討論ならではの攻略ポイントを徹底解説しているので、集団討論に慣れていない方、初めての方も、安心して試験に臨めます。
