教員採用試験の一般教養3つの勉強法とは?出題範囲や学習計画の立て方を解説

範囲が莫大な一般教養…〇〇の把握が勝利の秘訣

「一般教養、範囲が膨大すぎ、どこから手を付けたらいいの…?」と、虚空を見つめる皆さん、よくぞこの記事に辿り着きました。教員採用試験の中でも、一般教養は義務教育で習った範囲をはじめ、時事問題やローカル問題などからも出題されるため、範囲の広さに困惑して、当ブログにお問合せくださるお客様は多いです。ですが悩んでいるだけでは、現実は動かせません。

そこで今回は、教員採用試験の一般教養3つ勉強法に加えて、後半の方では、お客様の生の声をもとに、おすすめの学習計画の立て方についても解説しています。一般教養がなぜ教員にとって大事なのか?ということも解説していますので、目的を理解して、モチベーションを高めて頂けたらと思います。

教員採用試験の筆記試験の出題範囲

机の上に2冊、開いた本が重なっている

教員採用試験の筆記試験は以下の3つに分けられます。

  • 教職教養
  • 一般教養
  • 専門教養

「教職教養」と「一般教養」をまとめて出題する自治体もあれば、「一般教養」が出題されないなど、自治体によって出題傾向が異なるのが特徴です。

まずは、教員採用試験の3つの筆記試験の出題範囲の詳細を解説します。一般教養の内容をしっかり把握したうえで、とっておきの勉強法を吸収していきましょう。

教職教養は教職に必要な専門的な知識

教職教養は「教育原理」「教育史」「教育法規」「教育時事」「教育心理」の5つの分野から、教員として必要な教育に関する総合的な知識について出題されます。法令や児童心理学、教育関係のニュース、文部科学省のホームページ、中央教育審議会答申など、出題範囲が幅広いのが特徴です。

しかし、出題範囲は広いですが、過去問の分析から出題傾向がつかめれば範囲を絞って内容を暗記していけばよいため、勉強もしやすいでしょう。

一般教養は小・中・高の学習範囲と一般的な教養

一般教養は「人文科学」「社会科学」「自然科学」の分野から、小・中・高で学んできた国語・社会・数学・理科・英語の5科目から出題されます。教員として働くにあたり、備えてほしい学力が問われる問題です。

出題される内容は基本問題が主流ですが、自治体によって出題比率は異なります。近年は教職教養とまとめて出題される自治体もあるほか、東京都では一般教養試験を廃止して、教職教養問題の充実をはかっています。

また、一般教養では、自治体によってローカル情報をもとにした問題や時事問題も出題されることも覚えておきましょう。

人文科学からは一般教養では漢字の読み書きも出題されます。漢字の読み書きに自信がない方は、漢字を徹底して学んでおくことが大事です。また、四字熟語や語句の意味なども理解しておきましょう。

専門教養は科目の指導力が問われる

専門教養は全科目の専門的な知識が求められる内容が出題されます。中学校や高等学校の教員採用試験は大学入試レベルに相当する内容です。筆記試験のなかでも難しく、自治体によっても内容が異なります。そのため、受験先の自治体の過去問から出題傾向を分析しておくことが大事です。

試験問題の難易度が高いだけではなく、配点も高くなっています。専門教養で得点を狙えるように、しっかりと勉強をしておくことが大事です。

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一般教養も教員にとって重要

挙手をする女子中学生と、黒板の前で応える女性教師

教員採用試験の筆記試験で難易度が高いのは専門教養ですが、専門教養だけ対策すればよいわけではありません。

教員採用試験の一般教養の知識は、教職に就くなら欠かせないものです。そのため、東京都など一般教養の試験が実施されない自治体を受験するにしても、教員として最低限知っておくべき知識として勉強しておくことが大事です。

さらに、教員採用試験は教職教養・一般教養・専門教養の筆記試験は、それぞれ合格ラインの最低基準が設けられています。選考基準を下回った場合は、他の試験で合格基準を大きく上回っていても不合格になる可能性があるために、総合的な対策が必要です。

一般教養3つの勉強法

窓際の机に並んで座り勉強をする2人の女性

一般教養は出題範囲が広すぎるため、すべての範囲を勉強するには多くの時間を要します。教職教養や専門教養にくわえて、2次試験の対策も必要です。また、自分自身で受験先の自治体の過去問題を分析するところから始めるのも難しいでしょう。

では、具体的にどのように勉強していけばよいのか、一般教養の知識を深めて理解するための勉強法について解説します。

1. 勉強を開始する時期など具体的な学習計画を立てる

教員採用試験の試験日までの学習計画を立てます。

一般的に教員採用試験が実施されるのは7月です。逆算をして約1年前から準備を始めておくと、ゆとりをもって対策できます。ここでは、当ブログで取り扱っている問題集をご利用くださった方からのリアルなお声をもとに、具体的な学習の目安時期についてまとめてみました。

対策期間学習内容
8~12月・自治体の過去問題を分析する(出題傾向に変化がないことも確認) ・専門科目の基礎を身につけて土台をかためる ・高校理科と数学Iの基礎を確認する ・時事問題の確認
1~3月・出願先の自治体の学校教育方針を確認して、出題パターンにあった問題をくり返し解く ・苦手な科目をなくしておく
4~6月・模擬試験を受験して、実力を確認する

2. 苦手科目を把握して早期から取り組む

一般的な教員採用試験の問題集を解いてみて、自分のレベルを把握しましょう。苦手な科目や得意な科目がわかるだけでも勉強範囲を絞れます。

苦手科目の克服のために、教員採用試験対策の問題集をただがむしゃらに解くだけでは理解するのは難しいです。大学入試対策の問題集でつまづくなら、まずは高校入試対策の問題集を解いてみてください。

苦手な理由も「解き方がわからない」「暗記が苦手」「解けないと思い込んでいる」など個人差があります。問題集を解いてみて、苦手意識や弱点はどこにあるのか分析しましょう。

苦手科目の勉強はとにかく時間がかかります。克服するには正しい勉強法を知ることが大事です。勉強に対するモチベーションを維持できるように、簡単に分かる問題から解くことで確実な達成感を得られます。気分転換に得意科目を解いてもよいでしょう。

3. 自治体特有のローカル問題の傾向を分析する

一般教養では、自治体になじみのあるローカル問題も出題されます。自治体ごとに特色があるため、出題傾向を把握することが大事です。一般教養だけではなく、2次試験で実施される論作文の題材も自治体によって特色が異なります。

過去に出題された題材から、出題テーマの傾向を分析しましょう。自治体別の過去問題集なら、分析時間の時短になり、効率よく勉強に取り組むことが可能です。

自治体に関連する時事情報の収集はテレビや新聞もよいですが、インターネットを活用すると効率的です。中には前年度の過去問題をホームページで公表している自治体もあります。受験先の自治体のホームページを確認してください。

教員採用試験の一般教養以外の勉強法

鉛筆を手に、あごに肘をついて受講する女子学生

教員採用試験は、一般教養が優れていればよいわけではありません。教職教養と専門教養の勉強ももちろん大事です。それぞれの勉強のポイントについて簡単に解説します。

教職教養は暗記が必須

教職教養の勉強法は「教育原理」「教育史」「教育法規」「教育時事」「教育心理」の5つの分野から、よく出題される内容を覚えることが大事です。

ただし、教職教養の内容は時代の変化や制度の改定により、変わっているものもあります。ご自身で文部科学省のホームページや学習指導要領、国の教育政策などを確認しておいてください。以下に、教員採用試験を受験して合格されたお客様のお声をもとに、特に多くいただいたおすすめ勉強法を載せていますので、参考にしてください。

分野勉強法
教育原理、教育法規・重要法規のみ覚える ・「六法」を用意して学習時に参照した箇所を何度も勉強する
教育史、教育心理・教育用語や人名集を作成する
教育時事・時代によって変化するため、新しい情報を確認してスクラップブックを作る

教職教養も自治体ごとに特色のある試験です。上記5分野よりも学習指導要領からの出題が多い自治体もあるため、自治体別問題集を活用して効率よく勉強しましょう。

専門教養は専門知識のアップデートが要

専門教養は自分が専門とする科目に関する試験です。やはり専門とつくからには深い知識が求められるので、その科目に関する問題はしっかり解答できるように対策しておくことが大事です。

また、基礎と応用をしっかりとかためておくことが大事です。専門教養試験の対策問題集をくり返し解いて、知識の定着をアップデートしましょう。また、専門科目以外に大事なのが学習指導要領です。学習指導要領の内容は教職教養試験でも出題されますが、専門教養では以下の項目に目を通しておきましょう。

  • 教科の目標
  • 学年の目標
  • 教科の指導内容
  • 指導計画作成上の配慮事項
  • 内容の取扱いについての配慮事項

受験者が多い科目や受験者のレベルが高い自治体では、専門教養は大学入試共通テストと同等、またはそれ以上のレベルの問題が出るようです。自治体のホームページなどで過去問が公表されていれば、事前に確認をしてレベルを把握しておくとよいでしょう。

論作文・面接試験の対策も大事

原稿用紙の上に置かれた1本のボールペンとアナログ時計

近年の教員採用試験では、筆記試験よりも人物評価が重視される傾向にあります。人物評価に用いられるのは、論作文や面接試験です。

論作文は教育に関する題材が事前に提示され、そこから自分なりの意見を制限時間内に規定文字数で説明します。教育に関する意見を書くときに、筆記試験対策で得た知識を活かすように心がけましょう。

また、面接試験でも面接官からの質問に応える際には、筆記試験の勉強をしっかりやっていれば自分の教育観が明確になるため、自信をもって回答できます。

一般教養の勉強法に役立つ問題集を選ぼう

教員採用試験の一般教養はこれまで習ってきた内容が出題されるため、苦手な科目や単元が明確になれば取り組みやすい分野です。問題集は多く買いすぎると取り組み切れず、無駄にしてしまいがちです。1種類に絞って、時間と労力をかけずに、最短で知識と理解を深めていきましょう。

また、少し面接対策についても触れましたが、以下の記事では、具体的に教員採用試験で聞かれる頻出質問を、回答例付きで5つ解説しています。この記事1つで教員採用試験の面接対策をカバーできるので、ぜひ覗いてください。


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