教員採用試験の集団討論対策!実際に出たテーマやポイントを押さえて高評価を狙う

集団討論 実際に出たテーマ15選!

↓ 本記事の内容をざっくり4分で解説しています ↓

教員採用試験の集団討論はテーマに沿って受験者同士で話し合います。意見をダラダラと述べたり、他受験者の意見を遮ったりせず、円滑に進められるかコミュニケーション能力などが評価されています。

今回は教員採用試験の集団討論の出題テーマや質問例をご紹介します。集団討論で実際に聞かれたテーマ・質問を挙げてどのような回答をすればよいのか、押さえてほしいポイントについてもまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

目次

教員採用試験の集団討論とは

教員採用試験の面接試験には個人面接・集団面接・集団討論などがあり、主に2次試験で実施されます。選考方法は自治体によって異なり、模擬授業や実技試験、適性検査などを組み合わせて、教員として適正であるかを総合的に評価されます。

集団討論を実施しているのは小学校で36校、中学校で36校、高等学校で34校です。教員としての資質能力、意欲や情熱、指導力を適切に見極めるために実施されます。

集団討論の評価基準

集団討論はテーマをもとに集団で討論を行います。集団討論は複数人がグループを作りテーマについて話し合う様子を面接官が評価します。受験生が司会・書記・タイムキーパーなど役割を決めてから討論を始めます。「結論を出すこと」など討論の締め方について指示がある場合はそれに従いましょう。

面接官は受験生のどのような姿勢を評価するのでしょうか。集団討論ではいかに「チームワーク」を発揮できるかが勝負の分かれ目になります。そのため、チームワークを発揮するために必要な能力を、どれくらい備えているかを面接官は見ています。次の4つの評価基準をチェックして、好印象を与えましょう。

評価基準1:協調性

協調性とは、お互いの考え方や意見を尊重しあい協力しながら、チーム全体で議論をスムーズに進める能力のことを言います。学校現場に立てば、教員と生徒・保護者との関係のみならず教員同士や行政との関わりが必須であり、円滑な運営を行うためには、協調性は欠かせない能力です。

集団討論では、もしメンバー同士で協力ができなければ低く評価されてしまいます。同じグループのメンバーは、集団討論中はライバルではなく仲間だという意識を持ちましょう。時にはメンバーがズレた発言をして討論の流れが乱れるようなことが起こることもありますが、完全否定せず、代案を出したり、これまでの流れを確認し合ったりして、協力することを忘れないようにしましょう。

ウチら、集団討論3きょうだい!

評価基準2:コミュニケーション能力

「コミュニケーション能力」と聞くと、初対面の人ともすぐに打ち解けられる人や、良く話す人を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。本来「コミュニケーション能力」のある人とは、対人間でのやり取りにおいて、意思疎通をスムーズにできる人を指します。意思疎通をスムーズに行うためには、相手の考えを正しく受け取り、自分の意見を相手に分かりやすく伝わるような表現をする必要があります。

普段話すのが苦手という方も、論理的な意見を的確に伝えることができれば、説得力あるコミュニケーションを行う事が可能です。常に根拠を持った発言ができるよう練習しましょう。

評価基準3: 思考力

コミュニケーション能力の説明でも触れましたが、集団討論においては、論理的な発言をすることが求められます。そのため、物事を論理的に捉えて考えることのできる思考力が重要になってきます。
出てきた意見に補足すべき内容はないか、論点はズレていないかなどを意識しながら、討論を円滑に進めるための発言をして、思考力があることをアピールしましょう。

評価基準4:積極性

集団討論において、積極性は重要視される能力です。全員が他のメンバー任せになって発言が少ないと、合格への道は見えてきません。円滑で活気ある討論を進めるために、「まず役割分担を決めますか?」「時間に余裕があるので、ここで一度内容をまとめましょうか?」などと、チームに貢献する意識を持って積極的に発言しましょう。

ただし、自分ばかり好き勝手に発言して他のメンバーをなおざりにするような行動は、面接官にマイナスの評価を与えてしまいます。チームワークを大切にし、メンバー同士高め合っていけるような発言を心がけましょう。

注意!

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ワーク&音声解説で面接と集団討論をしっかり対策!

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音声での模擬面接はリアルで、1問1答形式でスキマ時間にいつでも練習ができ、本試験では楽しいくらいに受け答えができました。模擬面接の練習は、集団討論の発言にも役立ったと思います。筆記対策も、受験する自治体専用の合格レベル問題集は総仕上げにぴったりでした。合格のご連絡ができ、嬉しいです。

集団討論で実際に聞かれたテーマ・質問例15

空の上へ飛び立つロケットとその進行方向を示す矢印

集団討論において、実際に出題されたテーマ・質問を15例ご紹介します。どのような回答をすればよいのかポイントも解説しますので、参考にしてみてください。

質問1.他と協働する力について

「他と協働する力」の育み方について聞かれている質問です。単純に力を合わせる意味を持つ共同や協同と読み方や意味が似ています。しかし「協働(きょうどう)」の意味は「同じ目的のために、力をあわせて働くこと」であり共同、協同とはニュアンスが異なります。

このテーマを出題した仙台市がある宮城県では、子どもの健全育成に向けて家庭・地域・学校・行政が協力しながら活動することを「協働」として掲げています。自治体の教育施策に対する意見を考えておきましょう。

質問2.安心安全な学級づくりについて

自身の教育観を問われている質問です。学級づくりにおける安心安全とは何かを聞かれています。子どもたちを取り巻く社会環境や自然災害、事故や犯罪などから守るために、学校が主体となり児童生徒を守っていかなければなりません。

学校施設の耐震対策をはじめ、交通量が多い道路の見守り整備、いじめに関するメール相談窓口の開設など、安心安全な環境を整備する方法はたくさん考えられます。各自治体が取り組んでいる施策をチェックしておくと回答しやすいでしょう。

質問3.児童の体力向上のための取り組みについて

近年、子どもの体力低下は問題視されています。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、学校の休校や部活動の休止などがありました。そのため、子どもたちの体力低下や健康問題の懸念点に対してどのような取り組みが必要か聞かれています。

日常生活でも取り入れやすい運動を指導して、学校以外でも継続できるようにするなど子ども自身が「運動が楽しい!得意!」と思えるような指導方法を伝えるとよいでしょう。

質問4.オンライン授業を効果的に行う方法

近年、感染症流行防止のための教育施策としてタブレットを使用したオンライン授業に取り組んでいる自治体も増えてきました。国は「令和の日本型学校教育」として、対面授業とオンライン教育の両方を使いこなす「ハイブリッド型教育」の実現を目指しています。

そのためにはICTを活用した学校教育は必要不可欠なツールです。文部科学省のホームページで公開されている「分類別遠隔教育事例」の紹介動画をヒントに、自分の考えをまとめておきましょう。

質問5.不登校生徒を出さないために大切にしたいこと

文部科学省の調査によると小・中学校の不登校児童生徒数は、令和2年度で19万6,127人という結果がでました。前年度から1万4,855人増加しており、問題は深刻です。不登校の原因は子どもによって異なり、きっかけは多岐にわたります。そのため、個々に応じた対応が必要です。

スクールカウンセラーの設置など、国の対策も踏まえて新たな不登校生徒を出さないために何を大切にすればよいのかをじっくり考えてみましょう。

質問6.学力向上のために大切にしたいこと

担任学級の学力低下が判明し、学力向上に向けて大切にしたいことについて問われた質問です。文部科学省では習熟度に応じたきめ細かな指導に向けて、学力向上支援事業や学習指導カウンセラー派遣事業などさまざまな事業や施策に取り組んでいます。

また、各自治体でも学力向上に取り組んでおり、自治体のホームページで情報を公開しています。こうした国や自治体の事業をチェックして、自分の意見をまとめておきましょう。

質問7.SNSの生徒間におけるトラブルの防止

場面と対応を問われている質問です。国が行った調査によると「インターネットを利用している」と回答した児童生徒は約95.8%と高いことがわかりました。デジタル端末の普及に伴い子どもたちのSNSトラブルなどが増えてきています。学校側で実施している情報モラルに関する指導を理解した上で、どのように指導を行うのかについて意見をまとめましょう。

国はインターネット利用環境調査の結果や情報化社会の新たな問題を考えるための動画教材を提供しています。確認してみてください。

質問8.学校行事が果たす役割

文部科学省では学校行事の目標として、人間関係の形成、集団への所属感や連帯感を深めること、公共の精神の養成、自主的・実践的な態度の育成などを掲げています。この目標を達成するための自分なりに考えた方法を伝えましょう。

学校行事を含む特別活動の目標は、文部科学省が掲げる学習指導要領「生きる力」にも記載されています。学習指導要領については、自治体によって教職教養問題で出題されるものです。しっかり勉強しておきましょう。

質問9.児童のコミュニケーション能力の向上

近年、子どものコミュニケーション能力の低下が問題視されています。コミュニケーション能力を高めるにあたり、どのようなことを大切にすればよいのか自分の考えを伝えます。

文部科学省ではオンライン授業の実践校に向けてチャット機能の設定やコミュニケーション方法について、工夫や指導方法を公開しています。オンラインによる遠隔交流など、時代に沿ったコミュニケーション能力育成の取り組みも確認してみてください。

質問10.学級内でいじめがあるという情報への対応

担任している学級内でいじめが起きている情報を保護者から聞いたときに、どのように対応するのかを問われた質問です。いじめとして最も多いものは「冷やかし」「からかい」「悪口」「脅し文句」があり、全体の半数以上を超えています。

文部科学省のホームページには「学校におけるいじめ問題に関する基本的認識と取り組みのポイント」が掲載されています。いじめ問題が起きた際、どのように対応すべきか参考にして自分の意見をまとめてみてください。

質問11.教員はなぜ学び続ける必要があるのか

学び続ける教員が求められている理由について問われる質問です。文部科学省はこれからの教員は、責任感や探求力など自主的に学び続ける力に加えて、専門職としての高い知識や技能、豊かな人間性や社会性などを備えた人間力などが必要であるとしています。

社会の変化に応じた指導力を備えている教員であるか資質能力が評価されます。ICT教育や特別支援教育の充実など、さまざまな課題に取り組むため、現時点での資質だけではなく教員としての意欲も評価される質問です。

質問12.「○○市の教育が目指す人間像」について

各自治体では、教育方針とともに目指す人間像・求める職員像を掲げています。受験する自治体や教育委員会のホームページをチェックしていれば答えられる質問です。この求めている人間像に該当するのであれば高評価が期待できます。

 そのため、単純に内容を答えるのではなく、自分はその人間像になれているのか、なるためにどのようなことを心がけているのかを伝えられるとよいでしょう。そのためには事前に自治体のホームページから、どのような資質が求められているのか確認してみてください。

質問13.他の職員とのコミュニケーションを図る方法

教員同士、目指す教育を実践するには他の教員の協力は必須です。教員同士の相互理解が深まれば、コミュニケーションの活性化につながります。そのため、相互理解が深まる方法から考えてみるとよいでしょう。教材研究を一緒に行ったり、話し合ったりすることで同じ目標を共有しやすくなります。

 またこの質問ではコミュニケーション能力も評価されています。さまざまな年代の教員が働いているからこそ、どのような方法が適しているのか、普段から関心を持っておきましょう。

質問14.防災教育について

防災教育は、阪神淡路大震災や東日本大震災の被災地に限らず、全国の授業で取り組まれています。天災や自然災害はいつどこで起こるか予測が立てられません。子どもたち自身が防災について意識を持ってもらえるよう、過度に恐怖心をあおらないように理解させることが大切です。

 地震や津波、竜巻などが起こる仕組みや建築物の耐震補強など、子どもたちが関心をもてる内容を伝えられるとよいでしょう。若年層の防災訓練への参加率が低いという声もあるため、参加率を上げる方法の提案なども考えてみるとよいでしょう。

質問15.教師として大切なことは?

教師としての資質能力や適性を評価するための質問です。教師は子どもたちを導く者として、ふさわしい資質や能力を高め続けていかなければなりません。

 これは志望動機ともつながります。教員を目指すきっかけとなったエピソードを交えながら「教師に求められている資質」と「チーム学校」など文部科学省の取り組みをおさえた内容が作れれば、高い評価が期待できます。教師としてどうあるべきか、自身の「理想の教師像」を明確にしておくとよいでしょう。

教員採用試験の集団討論の対策ポイント

パソコンを使ったディスカッションで前を見つめる1人の男性と2人の女性

集団討論は与えられたテーマに対して、他の受験生と一緒に話し合います。他者の意見を否定しすぎず、自分の意見を簡潔にまとめて発言することが大切です。ここでは、集団討論をスムーズに進めるためにしておきたい対策ポイントを見ていきます。

対策ポイント1:発言しやすい雰囲気を作ろう

円滑な討論を進めていくためには、グループ内のはじめの雰囲気づくりが肝心です。多少の緊張感は必要ですが、お互いをライバル視してギクシャクした雰囲気のまま討論を始めると、お互いの意見がかみ合わなくなったり、委縮して自由に発言しづらいことから討論の内容が発展しにくくなります。面接官に「この人たちと一緒に働きたい」という印象を与えることも難しくなります。

まず集団討論が始まる前に、グループのメンバーと会話して緊張感をほぐし、一緒に頑張ろうと思える仲間意識を持ちましょう。討論中に意見が対立する場面がある時も、穏やかな雰囲気を保つことで、仲間として尊重しているという気持ちが伝わり、相手も意見を受け取りやすく、スムーズに活気ある討論を作り上げることができます。

対策ポイント2:論理的に意見を伝える練習をしよう

先ほど集団討論の評価基準3において、面接官に評価してもらうために、論理的な発言をすることが求められると伝えました。日常の中で討論をする場面はなかなか無いもので、数日で論理的思考を持つのは簡単ではありません。

そのため、集団討論の練習の中で発言をする時は、次の順番に話すことを意識しましょう。

  1. 結論を簡潔に伝える
  2. その結論に至った理由・根拠を伝える
  3. 余裕があれば、自分の実体験も話す

この順番さえ覚えれば、論理的に意見を伝えやすくなります。もし論理的でない発言をしたメンバーがいたら、「○○の部分が理解できなかったので、もう一度詳しく教えてもらえますか」とフォローを入れることで、流れに柔軟に対応できるというアピールができるでしょう。

対策ポイント3: 回答のバリエーションを用意しよう

他の受験者と回答が被らないように、回答のバリエーションを用意しておきましょう。多くの知識を身につけておくことがポイントです。特に教育関係の事柄については普段からニュースなどをチェックして自分なりの考えをメモするなど関心を持っておきましょう。

回答時に教育用語を交えることで教育への関心レベルの高さをアピールすることができます。普段から会話の中で使っておくことでスムーズに出てくるようになります。一部ご紹介しましょう。

  • 学校のマネジメント力
  • エビデンスに基づく教育
  • スタディログ
  • 学校施設
  • メタ認知
  • 探究的な学習
  • 出席停止
  • 学校におけるユニバーサルデザイン
  • アサーション
  • オルタナティブ教育
  • デジタル・シティズンシップ教育
  • エンパワーメント
  • 学校保健活動
  • 学校評価
  • アセスメント
  • 教員免許と教員養成
  • ICT教育

本番中焦らないように、回答のバリエーションを用意!

教員採用試験の集団討論対策は専用ワークを使って効率よく学ぼう

教員採用試験の集団討論は教員としての資質能力や適性が評価されています。他の受験者の意見もよく聞いて、自分なりの意見をしっかり伝えることで高い評価を得ることが可能です。

今回ご紹介したテーマや質問例を参考に、自分の言葉で回答を考えてみましょう。公務員試験サクセスには、教員採用試験の集団討論対策に役立つワークを揃えています。自治体別の出題傾向を抑えた内容なので、効率よく必要なスキルを身につけることが可能です。


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