教員採用試験対策の勉強法を解説!試験内容を把握して勉強を始めよう

変化の激しい時代において教育現場でも難しい対応が求められる中、教員も柔軟な姿勢で生徒や保護者と向き合っていかなければなりません。だからこそ、やりがいもあります。

「子どもたちの成長を見守り応援していく教員という職業に就きたい」と強い志を持って教員を目指している皆さん、ぜひ教員採用試験を突破してください!

教員採用試験はとにかく科目数が多く、対策しなければならないことがたくさんあります。まずは、試験内容を把握し、効果的な勉強方法を見出すことが大事ですね。今回は、教員採用試験一次選考、二次選考の内容、有効な勉強方法を解説します。これからの試験対策に役立ててください。

教員採用試験第一次選考の試験内容

消しゴム付き鉛筆を持つ右手

教員採用試験は、第一次選考と第二次選考の2段階に分かれて実施される自治体がほとんどです。さらに、教員採用試験で実施される内容は自治体によって異なります。ここでは、東京都の教員採用試験を例に解説していきます。

教員採用試験第一次選考は、以下の試験内容となっています。

  • 一般教養
  • 教職教養
  • 専門教養
  • 論文

それぞれの試験内容を解説します。

一般教養

一般教養とは、学校教育で扱われている基礎知識を問う筆記試験です。時事問題や自治体ならではの問題も増えつつあります。具体的には、以下の分野が出題されます。

人文科学国語、英語、音楽、美術、保健体育、家庭
社会科学日本史、世界史、地理、政治、経済、国際関係
自然科学数学、物理、化学、生物、地学

教職教養

教職教養とは、教員として必要な専門知識を問う筆記試験です。具体的には、以下の分野が出題されます。

教育法規教育の目的、学校教育、教育行政 …
教育原理学習指導要領、生徒指導、学習評価、教育時事 …
教育心理発達、学習、心理療法、教育評価 …
教育史西洋教育史、日本教育史 …

問題形式は「○○に関して法令に照らして正しいものはどれか」など、マークシートによる選択式となっています。

専門教養

専門教養とは、教員として必要な専門的知識や教養、指導力を問う筆記試験です。受験する校種によって試験内容が異なります。選択問題または計算した数字を塗りつぶすマークシートによる解答方式です。

小学校教員採用試験の専門教養の場合、小学校全科となるため、以下の範囲から数問ずつまんべんなく出題されます。

  • 国語
  • 算数
  • 理科
  • 社会
  • 体育
  • 音楽
  • 図画工作
  • 家庭科
  • 小学校学習指導要領の特定範囲

中学校、高等学校教員採用試験の専門教養の場合、受験する教科科目に関する問題が出題されます。たとえば数学科なら数学の問題、英語科なら英語の問題です。英語科の問題は問題文も英語となっています。

論文

与えられたテーマについて論述する問題です。論文の問題には以下の形式があります。

論文の問題形式与えられるテーマ
ある設定された状況に対して異なる視点からの論述を求める・生活指導主任からの発言を踏まえて
・これまでの教員としての経験や課題を踏まえて
・これまでの社会人経験を踏まえて
ある設定された状況を読んだ後、指定された内容を論述する・具体的な学習指導内容について
・具体的な学級運営について
・具体的な方針について

東京都の教員採用試験の論文では、小学校教員と小学校教員以外で設定された状況が異なる論述問題が出題されます。小学校教員採用試験では「あなたは第3学年の学級担任である」など小学校での指導を想定した問題です。

小学校教員以外の採用試験では「あなたは生活指導部に所属している」など中学校や高等学校での指導を想定した状況を設定した上で、論述していきます。

教員採用試験第二次選考の試験内容

白い壁の部屋に置かれているテーブルと複数の白い椅子

第一次選考に合格すると、第二次選考へ進みます。第二次選考では、以下の試験が実施されます。

  • 面接
  • 実技

それぞれの試験内容について解説します。

面接

面接は個人面接と集団面接の2つが同日に実施されます。個人面接は、受験者ひとりに対して面接官が面接を行います。

集団面接は、複数の受験者へ同時に行う面接です。東京都では、以下の流れにそって集団面接を進めていきます。

  1. 面接官が課題を提示(面接室によって異なる)
  2. 受験者がひとりずつ自分の意見や解決策を発表する
  3. 全員の発表終了後、受験者同士で課題についての話し合いをする

実技

実技は、受験する教員採用試験が以下の校種または教科に該当する受験者に対して行われる試験です。

  • 音楽
  • 美術
  • 保健体育
  • 英語
  • 小学校全科

児童や生徒を指導する上で必要となる能力、知識を実技によって問います。実技で出題される内容は以下の通りです。

教科科目試験内容おもな評価の観点
音楽・ピアノ初見演奏
・声楽初見視唱
・課題曲の中からひとつ選んでピアノ伴奏付き歌唱
・曲想にふさわしい表現の工夫
・基礎的な表現の技能など
美術色鉛筆による静物画(モチーフ指定)・モチーフの配置
・構図
・正確な描写
・色鉛筆の特徴を生かした技能など
体育・器械運動(マット運動)…倒立前転、伸膝後転、前方倒立回転跳び、側方倒立回転跳び1/4 ひねり
・ 陸上競技(走り高跳び)…はさみ跳び ・水泳…水中からのスタート 、25mバタフライ、25m背泳ぎ
・ 球技…(ハンドボール)ディフェンスをかわしドリブルからシュート、パスを受けてドリブルからジャンプシュート
・武道…(柔道)礼法(座礼)、後ろ受け身、前回り受け身 ・ダンス…(現代的なリズムのダンス)受験者にあらかじめ課題と課題曲を指定し、合うダンスを60秒程度
・体育実技を指導する上で必要かつ十分な技能の理解の状況
・学習指導要領および解説に示されている技能の習得の状況
英語・20分程度のOral Interview
・200語程度の英文の聴解と内容に関する質疑応答
・200語程度の英文の音読と内容に関する質疑応答
・英文の聴解
・英文の音読
・英文の内容に関する質問への応答
・意見表明など

教員採用試験の集団討論に関しては、当ブログの「教員採用試験の集団討論対策!ポイントを押さえて高評価を狙う」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

一次試験に通過すると二次試験に進みます。二次試験ではおもに面接が行われ、教員として相応しい人格であるかどうかをチェックされます。

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教員採用試験の勉強法

無造作に置かれたアイパッドとノートにメモを取ろうとする手

教員採用試験を突破するための勉強法は、以下の通りです。

  • 受験する自治体の情報を調べる
  • 勉強のスケジュールを立てる
  • 過去問を使って繰り返し勉強する
  • 一般教養対策~自分の苦手や課題を克服する~
  • 教職教養対策~主要分野を把握する~

それぞれで具体的にやるべきことを解説します。

受験する自治体の情報を調べる

教員採用試験の第一選考、第二次選考で出題される問題の内容や傾向は、各自治体によって異なります。自分が受ける予定の教員採用試験の内容に合わせて勉強するのが重要です。まずは自分が受験する自治体の教員採用試験の情報を入手しましょう。

教員採用試験の情報を調べる方法には、以下のものがあります。

  • 自治体や教育委員会のホームページ
  • 自治体の説明会
  • 教員採用試験を受けた経験のある人から話を聞く

教員採用試験を実施する各自治体や教育委員会では、教員採用試験の概要などをホームページに記載しています。また、説明会を開催することも多くなっています。たとえば東京都の教員採用試験については、東京都、東京都教育委員会いずれからも情報を入手できます。

実際に教員採用試験を受けた人から経験談を聞く方法もあります。大学の先輩や先生などから情報を得てみましょう。

勉強のスケジュールを立てる

教員採用試験の第一次選考、第二次選考が実施される日時は自治体によって異なります。自分が受験する自治体の教員採用試験の日時に合わせて、計画的に勉強を進めていかなければいけません。

教員採用試験のスケジュールを、東京都の例をもとに紹介します。

時期スケジュール内容
2月教員採用試験の案内ページの公開
3月教員採用試験の日程発表、応募の開始
5月上旬応募締め切り
6月応募状況の公表、受験票交付
7月中旬第一次選考の実施
8月上旬第一次選考の合格発表
8月下旬第二次選考の面接実施
9月中旬第二次選考の実技実施
10月最終合否発表

東京都のように、第一次選考の合格発表から、第二次会選考の実施までにあまり期間がない場合もあります。スケジュールを確認し、計画的に試験勉強を進めましょう。

過去問を使って繰り返し勉強する

教員採用試験を受験する自治体の情報やスケジュールを得たら、いよいよ勉強に入ります。教員採用試験に合格するには、繰り返し問題を解くのが有効です。問題に慣れるだけでなく、応用力も身に付けられます。

教員採用試験の過去問を入手すれば、繰り返し問題を解くだけでなく受験する自治体の傾向を把握するのにも役立ちます。

一般教養対策~自分の苦手や課題を克服する~

教員採用試験の過去問を進めると、自分の苦手分野がどこか見えてきます。一般教養は数学、国語、理科、社会、副教科という5教科に大きく分けられますが、1つでも苦手な教科があると、得点アップのための妨げになってしまいます。そのため、苦手教科を重点的に対策して克服しましょう。

一般教養の内容は、中学・高校で習う内容がほとんどですので、市販の参考書に加え、学校で使っていた教科書を使って対策を取ることもおすすめです。

教職教養対策~主要分野を把握する~

教職教養は出題範囲が広く、一般教養と違い中学や高校で学んだ内容ではないため、ほとんど一から勉強することになります。効率よく勉強するためには、まず、過去問において頻出している分野を見極めましょう。特に「教育法規」は言葉が難しく、膨大な条文を暗記する必要があります。早めに着手して、条文に触れることに慣れていきましょう。

教員採用試験は試験内容を把握して勉強を進めよう

教員採用試験は、受験する自治体によって内容やスケジュールが異なります。まずは自分が受験する自治体の情報を集めましょう。

そして、受験する自治体の教員採用試験に合った過去問題集や参考書を利用することで、合格する可能性が大幅にアップします。当ブログが扱っている「自治体別・教員採用試験問題集」を活用して、「仕事と両立しながら合格」を実現しましょう。


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