市役所職員に転職したい!年齢制限や経験年数を徹底調査

社会人枠?年齢制限?市役所転職は難しくない

今の職場に不満があったり、家庭の事情などによって転職をしたいと考えたりした時、転職先の1つとして人気なのが、市役所職員です。雇用環境が安定しており、地元に就職したいという方にはぴったりの就職先でしょう。

しかし、市役所職員へ転職しようと考えた時、試験が難しかったり年齢がある程度いっているからといって、転職の選択肢から外そうと思っていませんか。このことはよくお問合せいただくのですが、勿体ないです! 今回は、民間企業で働かれている方や、公務員から市役所職員へ転職したいという方に向けて、採用試験での年齢要件、受験資格や科目、主な採用試験日程、受験料等について解説します。

年齢による制限

Careerと書かれた黄色い標識

市役所の採用試験にあたっては、年齢に応じた条件が設定されています。職種や自治体によって条件は異なりますので、よく確認する必要があります。

社会人経験が少ない場合

大学卒業からあまり時間が経っていない場合は、大学在学中の学生と同様に、大学卒業程度一般枠の公務員試験が受けられます。

年齢の上限は何歳?

民間企業では、よく新卒者や第二新卒向けの採用と中途採用を分けることがありますが、市役所の一般枠の試験では卒業後の年数は問われません。

ただ、年齢には上限が設けられていて、多くは30歳までとされていますが、中には35歳や上限が設けられていないケースもあります。

政令指定都市での採用

では、実際に市役所の年齢制限を見ていきましょう。主な政令指定都市の募集要件は以下のとおりです。

都市名試験区分年齢要件
札幌市大学の部30歳まで
名古屋市第1類(全試験区分)30歳まで
京都市上級Ⅰ(大学卒業程度)30歳まで(「京都方式」という独自の方式では26歳まで)

政令指定都市以外での採用

政令指定都市ではない市役所の年齢上限はまちまちです。年齢制限が厳しい自治体では25~26歳程度が上限の市も多い一方、59歳まで受験可能という上限を設けている所もあります。

都市名試験区分年齢要件
北海道小樽市事務40歳まで
茨城県つくば市事務職59歳まで
兵庫県福知山市一般事務職(大卒)34歳まで

なお、公務員試験には大卒程度以外にも地方初級(高卒程度など)という区分もありますが、年齢上限が18〜21歳とかなり低く設定されています。また、同じ高卒程度でも警視庁警察官Ⅲ類は35歳までと、年齢の上限が引き上げられています。

ある程度の社会人経験を経た場合

社会人経験をある程度持つ方にとっては、社会人経験者採用試験を受ける方法があります。地方公務員の社会人経験者枠は一般枠よりも多くの受験要件が設定されています。しかし一定の期間、民間企業に勤務していた方にとっては、さほど難しくない要件となっています。

受験資格の要件

先程のケースとは違い、年齢や勤務年数に下限が設けられています。一部の例外を覗いて、年齢要件には30歳以上という下限を設定しています。一方で上限については、定年の前年となる59歳まで受験可能と、事実上年齢上限を撤廃する自治体が広がっています。

また、年齢以外に民間企業などで勤務した年数を要件とされています。多くの自治体は5年以上勤務を要件としていますが、直近10年内で7年以上という要件が課されていたりと、一部では異なる要件が設定されています。

さらに、1か所で勤務した年数が要件とされる場合もありますので、何度か転職したことがある方は注意が必要です。市役所によって要件が異なるため、よく確認しましょう。

都市名試験区分年齢要件備考
横浜市事務31歳から59歳まで就職氷河期世代対象の試験との併願は不可
市原市上級事務職31歳から39歳まで民間企業等における経験が直近10年中7年以上
宮崎市一般事務(デジタル)29歳から35歳まで行政機関や民間企業等におけるDX推進業務又はICT関連業務(システム開発・構築・研究・運用、システム運用業者への指導、その他技術相談対応等)の職務経験が3年以上(休職等の期間を除く)ある人

ただし、社会人経験者枠の採用試験は、すべての市役所で実施されているわけではありません。さらに、競争倍率は大卒一般枠よりもかなり高いのが難点です。

試験日程について

大卒一般枠の地方公務員試験は日程が重なることが多く、併願は難しいのですが、社会人経験者枠の場合は、市役所ごとで試験日程にばらつきがあります。

近畿地方にある政令指定都市の市役所を例に挙げると、令和4年度の大卒程度一般枠における一次試験の実施日は、京都市と大阪市がともに6月19日でした。そのため、どちらかしか受けることができません。しかし、社会人経験者枠の採用試験については、京都市が6月で大阪市は10月と受験日が異なるため、両方受験することができるのです。

さらに受験料は基本的に無料もしくは1000円程度であるため、交通費はかかるものの社会人経験者採用枠は多くの自治体でいくつも受験できるというのがメリットです。

試験科目について

大卒一般枠であれば専門的な試験に向けた勉強が必要ですが、社会人経験者採用枠は論文や面接がメインであり、筆記試験は基本的に教養試験のみです。そのため、対策にかなりの時間を要する専門的な試験がない分、今の職場を辞めて勉強の時間を取るという必要はありません。

年代を限定したケース

かつて、バブル経済崩壊後企業が採用枠を縮小したことで就職氷河期となりました。就職が非常に難しかった世代(1970年代前半〜1980年代前半頃の生まれの方)は、今も正社員として勤務することが難しい状況となっています。

いわゆるロスジェネ世代と呼ばれる方々に対し、公務員として採用しようという動きが広まり、氷河期世代採用試験というものが一部の市役所で実施されています。ただ、通常の社会人経験者枠とは異なり、生まれ年の範囲が狭く限定されています。また、経験者採用試験との併願ができないことなどもあるため、募集要項はよく注視しておきましょう。

都市名試験区分生年月日の要件 (令和5年度採用)備考
秋田県能代市行政1975年4月2日〜1987年4月1日
兵庫県伊丹市事務1970年4月2日〜1986年4月1日
鳥取県倉吉市調理員1972年4月2日〜1992年4月1日調理業務経験が必要

20代でも受験可能なケース

経験者採用試験は年齢に下限があり、ある程度の勤続年数が必要というお話をしましたが、比較的若い年齢であっても受験できる自治体もあります。社会人経験者採用試験は一般的に30歳以上の方が対象ですが、20代でも受験が可能です。

特に特別区(いわゆる東京23区)の経験者採用方法は、バリエーションが豊富な内容となっています。

特別区での経験者採用試験

特別区の経験者採用試験は、職務経験年数別に3つの区分が用意されています。

最も重要な年齢要件ですが、令和4年度経験者採用試験では「昭和38年4月2日以降に生まれた人」と規定されています。つまり、59歳以下であり、実質的に年齢の制限がありません。

採用区分職種の内容業務従事歴の年数下限備考
1級職係員の業務を行う職直近10年中4年業務従事歴は1つの民間企業等での継続した経験のみ対象
2級職係長職への昇任を前提とした係長職を補佐する職直近14年中8年業務従事歴は1年以上の期間について、複数の民間企業等での経験が通算可能 ただし、うち 1か所は継続した 4 年以上の経験が必要
3級職係長、担当係長、主査又は これに相当する職直近18年中12年

ここで注意すべきなのは、業務従事歴で計算できる期間は「満22歳に達した日の属する年度の翌年度の4月1日以降の期間に限ります」とあるため、最も若い人が受験可能な1級職でも、年齢は少なくとも26歳以上ということになります。

また、採用区分によって複数の勤め先での勤続年数が合算できるかできないかは変わってくること、採用区分によって募集している選考区分(事務・土木・福祉など)は異なります。その他にも細かな条件の違いがありますので、よくチェックしておきましょう。


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公務員から転職するケース

左に道路、右に黄色い標識

民間企業に勤めていた社員から市役所職員へ転職するだけではなく、市役所ではない別の公務員から市役所職員へと転職することは可能です。

民間企業勤務でなくても受験可能

社会人採用枠試験の名称には、よく「民間企業等」職務経験者と記載されていますが、「等」と付いているとおり、必ずしも民間企業での勤務に限定しているわけではありません。そのため、国家公務員や都道府県、あるいは別の市役所から新しい市役所へ転職することも可能です。

市役所が新卒とは別に社会人を採用する目的は、それまでの実務経験や専門知識を活用してもらいたいというものです。そのため、もし同じ公務員でも別の職種で勤めていた場合で、まだ勤続年数が短い場合は、民間企業の採用でいうところの第二新卒のように、大卒一般枠で受験したほうが良いかもしれません。

市役所への転職方法は条件がさまざま

今回は市役所職員へ転職する方法や採用試験の条件などについてご紹介しました。現在の職場環境や勤務条件に不満を持っている、地元に戻って就職したいなど、転職する理由はいろいろあります。やりがいも多く安定した労働環境で働くことのできる市役所での仕事は大きな魅力を持っています。

年齢や勤務環境によって受験可能な試験区分は異なりますので、よく確認したうえで受験してみてください。

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