火災現場の消火活動や災害・事故の現場で人々の命を救う消防士。あなたも住民の安全を守る姿に心打たれて、「消防士になりたい」と思った1人でしょう。厳しさも伴う仕事ですが、それ以上にやりがいを感じる職業であることはまちがいありません。
消防士を目指して勉強したいと思ってはいるものの、「いつからスタートすればいいの?」「今からやって間に合うの?」と悩んでいる人が多いのではないでしょうか。当ブログにも、試験対策についてたくさんのお問い合わせをいただいています。
そこで、今回は採用までの流れや試験の内容を踏まえて、勉強を始めるべき時期について解説します。「試験まで時間がない…」という方にも、最短で勉強できる方法を紹介しています。不安を解消して、自信を持って勉強に取り組みましょう。
消防士として採用されるには
消防士を目指す人は、消防士として働きたい消防本部や消防庁サイト、市役所サイトなどで情報を収集します。小さな市町村は、力を合わせて広域消防組合を発足させていることが多いため、検索するときの参考にしてください。なお「消防本部と消防庁」、「消防士と消防官」は同じ意味です。
市町村には、消防本部のほかに消防団も置かれています。消防職員である消防士は常勤の地方公務員ですが、消防団員は非常勤特別職の地方公務員という立場です。消防団員は通常、ほかの仕事に従事しています。
ここでは、消防士として採用される流れをみていきましょう。
消防士になるためには採用試験合格が必須
消防士として採用されるにあたって、ある程度の学力や体力をみるための採用試験に合格する必要があります。そこで地方公務員になるために、早めに採用試験の対策を始めましょう。いつから勉強を始めれば良いかは、後ほどご説明します。
採用案内ページでは、消防吏員採用試験、消防官採用試験や消防職員採用試験と記されていることが多いようです。申込受付期間は2週間程度と短いので見逃さないよう注意してください。
試験合格・採用後は消防学校に入学
晴れて消防士として採用されると、消防学校に入校し初任教育を受けます。これは現場活動に従事する知識や技術を身につけるためのものです。そして使命感はもちろん任務を遂行する上で重要な規律を体得します。
すぐに消防士として現場で活動するのではなく、消防学校学生として、1年間みっちりと寮生活をしながら学ぶことを知っておきましょう。
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消防士採用試験の内容とは
ここでは消防士採用試験の内容・区分・受験資格について解説します。特に受験資格を決める年齢・身体要件は、受験年度や地方自治体ごとに規定が異なるので、必ず当該年の採用試験案内をしっかりチェックするようにしましょう。
試験内容
消防士採用試験は、基本的に第1次試験と第2次試験に分かれています。第1次試験は一般教養・作文などの筆記試験や適性検査、第2次試験は面接や身体・体力検査を受けるイメージです。
ただし体力検査が第1次試験に組み込まれていたり、身体・体力検査を受けた後に面接を受けたりする流れになることもあります。
試験区分
年齢や学歴あるいは学力に応じて、試験区分が分かれています。
たとえば東京都の場合、採用試験でだされる一般教養のレベルに応じた区分です。I類は大学卒業程度、II類は短大卒業程度、III類は高校卒業程度となります。
大阪市の場合、短大卒業程度という試験区分はありません。大卒程度の消防吏員A、それ以外の消防吏員Bという具合です。
受験条件(年齢・身体)
消防士は地方公務員という性質上、地域によって受験資格を得られる年齢・身体要件について規定が異なることがあります。受験年度によって条件が変わることもあるので注意が必要です。
たとえば次のような開きがあります。
(大阪市)大卒程度の消防吏員Aは22〜27歳、高卒程度の消防吏員Bは18歳〜21歳
(東京都)I類は21〜29歳、II類は19〜29歳、III類は17〜21歳(I類に大卒程度の修了資格は必須ではなく、II類・III類には学歴の要件は設けられていません)
消防士という仕事上、大前提として「健康で消防業務に耐える体力」は必要です。受験資格を得るための身長や体重などの身体要件を、必ずしも設けていない地方自治体もあります。その場合、採用試験でその体力・身体検査を受けた結果、ある基準を満たさないと不合格となります。
ただし過去には、ほとんどの地方自治体が受験資格の身体要件を設けていたため、現在でも残している場合があるかもしれません。消防士として働きたいと志望している、地方自治体の受験資格をよく確認するようにしてください。
学歴区分や学科・専攻による採用の違いについて
消防士を目指すにあたって、Ⅰ類を目指すために大学に進学している場合や、Ⅱ類のために短大に進学しているケースも多くあるでしょう。ではその場合、学科や専攻によって差はあるのでしょうか。
結論から言えば、学科や専攻によって、試験の変化や有利不利といったものは基本的にありません。特に教養試験については公務員試験全体への対策であり、学科による区切りがないため同じスタートラインからの出発と言えるでしょう。
しいて言えば、専門科目は法律・化学といった分野が出題されるため、それぞれの科目に触れている学科であれば対策がしやすいでしょう。大学によっては公務員試験の対策講座などもあるため、そのような学校では有利に働く場合があります。
ただし、採用の観点では基本的に有利不利がない点を覚えておきましょう。
採用試験の勉強はいつから始める?
勉強を始めるのは、早いに越したことはありません。公務員採用試験における筆記試験は出題範囲が膨大ですので、1~2年前から試験対策を始めるのがベストです。
特に消防士の採用試験の場合、一般的には筆記試験に加えて「体力試験」が行われます。体力も勉強と同様に、数日間で身につくものではありません。採用試験を受けると決めたその日から、体力づくりを始めましょう。
筆記試験と体力試験それぞれの対策を上手に進めるコツとして、筆記試験勉強の休憩時間や、集中力が途切れた時に、体力づくりをしましょう。定期的に気持ちを切り替えられて効率よく対策を進める事ができます。
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消防士採用試験の受験資格を確認しよう
消防士になるために突破しなければならない採用試験の内容や試験区分、受験条件などを解説しました。消防士の採用試験では、筆記試験に加えて「体力試験」があるため、筆記試験対策だけでなく、今日からさっそく体力づくりにも取り組みたいですね。