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警察官は、行政職より給料が高めとあって公務員を目指す人の間で人気があります。警察官採用試験は18歳から35歳未満の人が受験可能です。新卒でも中途採用でも、警察官になるチャンスがあります。
試験種別は学歴によって決まっており、大卒(短大を除く)は「警察官A」を、それ以外の人は「警察官B」を受験しましょう。今回はそれぞれの採用試験における倍率や、合格までの採用試験の流れをご紹介します。
警察官採用試験の採用倍率は?
警察官を目指す人にとって気になる採用倍率。これは受験者数に対する、合格者数の占める割合です。実際に各都道府県の警察が発表している資料をみると、採用予定人員より最終合格者数が大幅に増えているケースもみられます。
内閣府男女共同参画局が、都道府県警察における女性参画の状況を見える化したデータによると、女性の割合は概ね10%程度です。実際に市民の安全や社会の秩序を守るという性質上、犯罪事件にもかかわる警察官の採用枠は男性が多く、女性枠は少なく設定されています。
では女性が警察官を目指す場合、採用倍率は高いのでしょうか?ここでは警察官採用試験の倍率について、神奈川県警察を例に比較します。大卒の人が受験する警察官Aと、短大卒や高卒の人などが受ける警察官Bの倍率を、男女別に調査しました。
<警察官A(男性)>
採用年度 | 採用予定人数 | 1次試験 受験者数 | 最終合格者数 | 倍率[1] |
令和2年度1回目 | 175人 | 955人 | 258人 | 3.7倍 |
令和2年度2回目 | 75人 | 446人 | 83人 | 5.4倍 |
令和元年度1回目 | 180人 | 1,139人 | 320人 | 3.6倍 |
令和元年度2回目 | 75人 | 431人 | 80人 | 5.4倍 |
<警察官A(女性)>
採用年度 | 採用予定人数 | 1次試験 受験者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
令和2年度1回目 | 30人 | 252人 | 72人 | 3.5倍 |
令和2年度2回目 | 25人 | 172人 | 31人 | 5.5倍 |
令和元年度1回目 | 30人 | 340人 | 57人 | 6.0倍 |
令和元年度2回目 | 25人 | 135人 | 27人 | 5.0倍 |
警察官Aの場合、男女の採用倍率は変わらず、ほぼ同じといえます。
<警察官B(男性)>
採用年度 | 採用予定人数 | 1次試験 受験者数 | 最終合格者数 | 倍率[1] |
令和2年度1回目 | 75人 | 1,164人 | 143人 | 8.1倍 |
令和2年度2回目 | 125人 | 553人 | 139人 | 4.0倍 |
令和元年度1回目 | 70人 | 1,407人 | 106人 | 13.3倍 |
令和元年度2回目 | 115人 | 752人 | 139人 | 5.4倍 |
<警察官B(女性)>
採用年度 | 採用予定人数 | 1次試験 受験者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
令和2年度1回目 | 20人 | 316人 | 38人 | 8.3倍 |
令和2年度2回目 | 35人 | 164人 | 36人 | 4.6倍 |
令和元年度1回目 | 20人 | 372人 | 30人 | 12.4倍 |
令和元年度2回目 | 35人 | 297人 | 52人 | 5.7倍 |
警察官Bの場合も、男女の採用倍率にあまり違いはありません。神奈川県警察の例をみると、警察官として採用枠の少ない女性でも、採用倍率は男性とほぼ同じで推移しています。
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警察官採用試験の採用倍率や難易度は決して高くない
女性でも男性でも、警察官採用試験において倍率に差はとくにみられないことがわかりました。では警察官Aと警察官Bの間で差はあるのでしょうか?神奈川県警察の例を一見すると、警察官Bの方が警察官Aより倍率が高いようにみえます。しかし警察官Aと警察官Bの間で、倍率に違いがほとんどない地域もあるのです。この差については、次の項目で詳しく説明しています。
前述の表をみると倍率が10%を超えた採用年度もありますが、それでも高いというほどの倍率ではないことがわかります。地域によって警察官の採用倍率は異なるため、採用倍率が低い地域で採用試験を受けるという方法も模索するといいかもしれません。
警察官採用試験の難易度は決して高くありません。体育会系などで鍛えており、実際に運動能力や体力に自信があれば、体力検査は問題なくこなせるでしょう。さらに柔道や剣道、簿記、語学、情報処理などの分野において認定を受けていれば、加点対象になります。
警察官採用試験の合格者決定基準を公表している場合もあるので、検索してみると良いでしょう。
【警察官採用試験の勉強法はこちら】
警察官の採用試験に合格するためには、しっかりとした勉強が不可欠です。合格するための勉強法について、詳しく解説します。
高卒と大卒による違い
先ほどの表と段落を見ると、大卒の「警察官A」と、高卒(その他)の「警察官B」では、高卒の方が倍率は高いが、地域差も大きいとありました。ここでは、大卒と高卒の違いについてより詳しく見ていきます。
高卒の方が倍率は高い
神奈川県警の例を取ると、男性警察官の令和2年度の1回目に行われた試験では、大卒だと3.7倍、高卒だと8.1倍とありました。年によってばらつきはありますが、基本的に高卒の方が倍率が高いということは変わりありません。
都道府県によっても差があるものの、高卒の方が倍率は高いという傾向はほぼ一致しています。
試験内容の違い
高卒の場合と大卒の場合では、採用試験の内容も変わってきます。
学科試験の内容は当然ながら大卒の方が難易度が高くなり、専門性が増しています。また、小論文や集団面接といった形態の試験も、高卒の場合より実施される自治体が増えてきます。
逆に、面接試験でのポイントなど、試験で変わらない点も存在します。高卒であっても大卒であっても、試験の対策は欠かさず行うべきでしょう。
給料や待遇の違い
高卒と大卒では、試験に合格した後でも違いがあります。
まず、給料については、警視庁の例を参考に見てみます。警視庁では、大卒の初任給は25万3300円。高卒の初任給は21万3900円となっています。この場合だと、高卒と大卒では初任給に約4万円の差がつくことになります。
また、昇任試験についても違いがあります。警察官に採用された後は、高卒でも大卒でもまず巡査からスタートすることになりますが、最初に昇任試験を受けるまでの期間は、高卒で4年間、大卒で2年間と決められています。
給料だけでなく、昇任のスピードについても差があることが分かります。
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<警察官採用試験・合格体験談>
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福岡県 J・Sさん
教養試験は公務員サクセスの教材が的中率が高く、覚えやすいので、公務員サクセスの教材さえしっかりやっていけば充分だと思います。
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社会人から警察官になれる?
現役の学生からだけではなく、社会人から警察官の採用を目指す場合もあります。
警察官の採用では、主に年齢の制限や、身長や体重、視力などの身体要件によって、受験資格が定められています。
年齢制限などに引っかかっていなければ、社会人からでも警察官の採用を目指すことは十分に可能でしょう。
ただし、現役の学生と比べて筆記試験のハードルが高いことなどから、しっかりとした対策が必要になってきます。面接試験でも学生とは質問が異なってきますので、面接の対策も行わなければなりません。
警察官採用試験の合格までの流れ
交通取締りや犯罪の予防・捜査などの職務を遂行する警察官になるには、警察官採用試験へ応募することから始まります。応募のチャンスは年に2回です。ただし男女別の日程を提示されたり、特別募集を実施したりする場合もあります。地方自治体や採用年度によって事情が異なるので、個別に採用情報をチェックしてみてください。
実際の試験の内容は、次のとおりです。
- 筆記試験
- 論文試験
- 適正試験
- 体力試験
- 面接試験
ここでは1次試験と2次試験にのぞみ、合格するまでの流れを紹介します。
1次試験は知識や思考力のチェック
1次試験では、一般教養の知識力や知力をみる学力テストが実施される、いわゆる筆記試験です。まずはこの学力テストのすべての科目で、できるだけ優秀な成績を修めるよう頑張りましょう。
さらに国語力をみるテストや、思考・表現力をみる論・作文に取り組みます。警察官としての素養や適性をみる、マークシート方式などの適性試験も受ける流れです。
2次試験では面接や身体・体力検査あり
2次試験では人物をみる面接試験や、身体および体力検査が実施されます。自治体によっては、記述式の適性試験が加わることがあるようです。体力検査では、さまざまな種目に取り組みます。
1次試験および2次試験を通じて、それぞれの試験種目の合格基準を満たす必要があります。特定の試験種目だけが突出していても、合格できないので注意が必要です。原則として、特定の試験種目を「事情があるので棄権」は認められません。
晴れて合格すると、警察官採用候補者名簿に名前が掲載されます。そして巡査としてキャリアをスタートさせることになるのです。
なお、具体的な面接試験の質問例と回答は、当ブログの「警察官になるには採用試験に合格する必要がある!受験資格は?」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。
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倍率を気にするより試験対策で学力をあげよう
都道府県によっては倍率が高い場合もあるかもしれませんが、全体的に警察官の採用倍率はさほど高くないことがわかりました。しかも、当初の採用枠以上に実際には合格者がでていることもあります。
警察としては、警察官として適性のある人をできるだけ採用しようという方針かもしれません。採用されないのではないか?と心配する前に、しっかり試験対策をする方が重要だといえます。