国立大学法人等の採用試験の内容は?受験要項・試験科目・日程

試験詳細と仕事内容を解説 年齢制限もチェック!

国立大学法人等試験は、公務員採用試験と日程が重ならないことや、試験内容が教養試験のみとなっていることからチャレンジしやすいこと、皆さんご存知でしたか?国立大学法人に目を付けた皆さんは良いセンスをお持ちです。

国立大学法人等とは、国立大学や大学共同利用機関、独立行政法人などの機関の総称です。アカデミックな環境で仕事ができることや、産学官連携推進のサポート、社会連携といった業務があり、さらに学生の支援に携われることも魅力で、実は大学職員は隠れた人気業種なのです。

「でも、いまひとつイメージがわきにくい」という皆さんのために、今回は、国立大学法人等の採用試験の科目や受験資格、仕事内容について解説します。ぜひ参考にして、一つの可能性として受験対策に取り組んでください。

国立大学法人等の職員採用試験の内容

国立大学法人等の職員採用試験は、日本全国を北海道、東北、関東甲信越、東海・北陸、近畿、中国・四国、九州の7地区に分け、統一した内容で一斉に実施されます。
以下で、試験の概要や試験科目、令和3年度の試験日程を確認しましょう。

職員採用試験の概要

職員採用試験の概要を3つに分けてご紹介します。

受験資格

令和3年度の受験資格は、次のとおりです。

  • 平成3年(1991年)4月2日以降生まれの人
  • 禁固以上の刑の執行中または執行猶予中ではない
  • 2年以内に懲戒解雇などの処分を受けた履歴がない
  • 日本国内での活動に制限がない在留資格を有している(外国籍の場合)

長期勤続によるキャリア形成を図る目的から、年齢制限が設けられていることに注意しましょう。

採用希望地区・第一次試験受験地区

受験申し込み時には7地区のうち採用希望地区を1地区選択する必要があり、複数地区の同時受験はできません。

第一次試は、採用希望地区や居住地にかかわらず受験に便利な地区で受験できます(令和3年度より)。第二次試験は、採用希望地区に属する機関で受験することとなります。

また、受験申し込み後に採用希望地区や第一次試験受験地区の変更はできないため、気をつけましょう。

試験区分

国立大学法人等の職員採用試験の試験区分は「事務系」「技術系」に大きく分かれており、さらに、次のように細分されています。

《事務系》

  • 事務
  • 図書

《技術系》

  • 電気
  • 機械
  • 土木
  • 建築
  • 化学
  • 物理
  • 電子・情報
  • 資源工学
  • 農学
  • 林学
  • 生物・生命科学

1度に申し込める試験区分は1つのみで、申し込み後の変更は原則不可です。

職員採用試験の試験科目

試験は、第一次試験と第二次試験の2段階です。

第一次試験では教養試験が行われます。マークシート式の筆記テストで、試験時間は120分。難易度は大学卒業程度です。

令和3年度の第一次試験の試験科目と問題数は、次のとおりです。

  • 一般知識(20問)…社会(7問)人文(7問)自然(6問)
  • 一般知能(20問)…文章理解(7問)判断推理(8問)数的推理および資料解釈(5問)

第一次試験を通過すると、第二次試験に進めます。第二次試験では、面接や、各試験区分の専門知識に関する考査などが行われます。機関ごとに個別で実施されるため、内容は受験先によってまちまちです。

なお「図書」区分では、一次試験通過後に別途、筆記による図書系専門試験が行われます。

【公務員試験サクセス】

<国立大学法人採用試験・合格体験談>

宮城県 F・Aさん
国立大学法人採用対策・全網羅セットで合格しました。

合格するためには、おさえるポイントがあると思いますが、まずはどんな試験なのかを把握することだと思います。

公務員サクセスの国立大学法人採用問題集は、出題傾向を考慮して作成されているので、この6冊で、必要な知識が得られました。

私は、まず問題集を6冊、ひととおり解いて、得意分野と苦手分野を明確にしました。数的推理、判断推理が特に苦手だったので、要点解説講座で何度も解きなおしました。知識系も、5分、10分の音声解説を繰り返し聞いて、記憶していきました。とにかく音声解説が詳しいので、とりあえず問題を解いて音声解説を聞きこむことで、最短ルートで理解できたと思います。

職員採用試験の試験日程

国立大学法人等の職員採用試験は、例年7月ごろ実施されます。令和3年度の試験日程は、以下のとおりです。

試験の種類詳細
第一次試験試験日時:7月4日(日)10~12時
合格発表日時:7月21日(水)9時30分(各採用希望地区のHPに掲載および本人へ通知)
第二次試験受験する国立大学法人等により異なります ※図書系専門試験は7月31日(土)

国立大学法人等はどんな仕事?

大学の図書館

国立大学法人等の職員の仕事内容は、勤務する機関の事業内容や規模、職員の専門分野によって異なります。その多くが機関の運営や教育・研究のサポート、学生支援、社会連携などにかかわるものです。

以下で、国立大学法人等の職員の代表的な仕事内容を紹介します。

事務の仕事

事務の仕事は、以下のように多岐にわたります。人事異動を経ることで、多彩な分野の業務を経験可能です。

  • 学生支援…学籍管理や就活支援、入学試験の実施など、学生の学業面・生活面のサポート
  • 研究支援…外部資金の受入や知的財産管理など、研究にかかわる助成や産学官連携推進のサポート
  • 国際交流…交流事業の推進や留学支援など
  • 総務・人事…事務全般の総括や人事
  • 財務…予算執行や物品購入、収入金の出納など、組織運営にかかわる財務の計画および管理
  • 広報・社会連携…研究活動や成果の発信
  • 企画・評価…機関の発展にかかわる企画立案、評価、業務改善推進など
  • 医療支援…附属病院の管理・運営

図書の仕事

図書の仕事は、大学などの図書館や図書室といった施設の管理・運営です。利用者に資料や情報、整った環境を提供し、学習や教育、研究活動をサポートします。

具体的には、次のような業務があります。

  • 資料の選定や発注、契約、受入
  • 目録データ作成
  • 資料の製本、修理
  • 閲覧・貸出・複写のサポート
  • レファレンスサービス

施設系技術職員の仕事

施設系技術職員は、「電気」「機械」「建築」など、技術系区分で採用された人が携わる職種です。主に、各機関の施設の計画や維持を担います。

具体的な仕事は、次のようなものです。

  • キャンパス空間の整備計画の作成
  • 施設の新築や改修の計画および調査・設計・積算・検査
  • 工事の発注・監督

教育・研究支援系技術職員の仕事

教育・研究支援系技術職員も、技術系区分で採用された人が配属される職種です。専門的技術や知識を活かして、教育や研究のサポートをするのが主な仕事です。

具体的な業務には、次のようなものがあります。

  • 学生の実験・実習に対する指導や助言
  • 研究・実験機器などの設計および開発・維持・管理
  • 実験のデータ処理や分析

試験内容を確認して十分な準備を

国立大学法人等の職員採用試験について、そして仕事について、具体的に解説してきました。漠然としていた印象が、記事を読んで少し具体的になってきたのではないでしょうか。

国立大学法人等は公務員と似ていますが、公務員ではありません。以下の記事では、国立大学法人等と公務員の違い、国立大学法人に向いている人の特徴などについて解説しています。記事を読んで、国立大学法人等についてさらに理解を深めてください。


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