公務員採用試験の集団面接、6つの注意点!頻出質問も解説

なぜ「集団」面接をするの!?答えが分かれば対策法も見える

公務員試験では筆記試験以外に面接試験を課していることは、皆さんご存知と思います。しかし面接試験といっても、個人面接だけではなく集団面接が行われるケースも珍しくありません。これまでの人生において集団での面接は受けたことがない、という方は意外と多くいらっしゃり、だからこそこの記事が生まれました。1人で回答するだけならまだしも、周りにライバルがいる中で回答するということに、皆さんも苦手意識があるのではないでしょうか。

今回はそんな苦手意識を払拭できるように、集団面接突破のコツや面接中のふるまい、頻出質問7つのポイントまで余すことなく解説します。見つめるべきはライバルではなく面接官、目的は試験合格です。全て読み終える頃には意識がきっと変化していることでしょう。

集団面接前に押さえておきたい3つのポイント

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面接では何を聞かれるかわからないだけに、念入りな準備が重要です。自治体が面接を行う目的や面接の特色を事前に押さえておくことで、おのずから質問される内容の傾向がわかってきます。

個人面接と集団面接はどう違う?

個人面接と異なり、集団面接は一度に複数(3人から8人程度)の受験者が面接に参加します。そのため、どうしても他の受験者が優秀に見えたり、他の受験者の回答が気になったりすることで、自分の実力が発揮しにくい傾向にあります。

しかし、受験者同士でディスカッションを行うわけではありませんので「質問されたことに対して回答する」「自分の意見を明確に伝える」という基本部分は、個人面接であれ集団面接であれ同じです。

回答者が多い分、自分が回答できる割り当て時間は少なくなります。そのため、結論から回答して、簡潔に内容を伝える訓練をしておく必要があるでしょう。

自治体が集団面接を採用している理由

自治体が集団面接を採用している理由は、個人面接よりも集団面接のほうが面接時間を短縮できるためです。

毎年筆記試験に合格する人数が多い試験では、個人面接の前に集団面接が実施されるケースが一般的です。また、集団面接とは別に、複数人で討論を行う形式の集団討論を取り入れている採用試験もあります。

地域の特色・政策を事前に確認する

地方公務員採用試験ならではの質問として、以下のような内容がテーマとなることがあります。

  • 地域特有の課題
  • 自治体で力を入れている政策

どこの自治体でも当てはまるような当たり障りのない回答を準備するのではなく、地域の特性や施策を事前によく理解した上で面接に臨めば、ライバルに差を付けられます。

集団面接4つの注意点

リビングの風景、薄型テレビ、テーブル1台、椅子3脚、壁に鏡

集団面接では回答内容だけではなく、言動などさまざまな観点から評価されます。ここでは、回答する際に注意すべき点についてご紹介します。

面接のマナー

最も注意すべきなのは、集団面接におけるマナーです。入退室の仕方や話を聞いている時の態度が悪いと、面接官への印象は悪くなります。さらに集団面接の場合は他の受験者と比較しやすいために、姿勢や態度が悪いと悪目立ちする可能性があります。

実際に入室から退室までに行う自分の行動や振る舞いを想定して、マナーが守られていることを客観的に確認しておきましょう。

回答時間は適切か

回答内容は重要ですが、その長さも気を付けたいポイントです。複数人が同時に面接を受けているために、時間がかかります。冗長な内容で回答に時間をかけてしまうと、面接官の興味を失いますし、熱意があるゆえに時間をかけたとしても、協調性がないと判断されかねません。

一方で時間が短すぎるのもよくありません。中身がないととらえられたり、そのテーマに興味がないと受け取られかねません。質問内容にもよりますが、1度の回答で使える時間は1分程度を想定しておきましょう。

声の大きさや抑揚

話の長さだけではなく、声の大きさや抑揚も意識したいポイントです。集団面接では、面接官と受験者の間に距離がある場合があり、声が小さいと聞き取りづらいことがあります。

また、声が小さいと消極的なイメージを持たれる可能性がありますし、抑揚がなく単調な話し方だと、回答のポイントを伝えづらくなります。声は大きくしっかりと出すことを意識するだけでも、かなり印象は変わるでしょう。

他の受験者への対応

集団面接では、自分以外の受験者も同席しています。そのため、面接官だけではなく、他の受験者に対しても気を配る必要があります。

回答している時の姿勢

特に気をつけるべきなのは、他の受験者が話している時の態度です。自分の回答が終わると安心して気を抜いてしまうかもしれませんが、他の人が話している時にあくびをしたり、緩んだ姿勢を取ったりしていると、評価が下がる可能性があります。

また恐ろしいことに、場合によっては「○○さんはどう思いますか?」と、急に回答を求められることがあります。自分の回答順ではなくても面接は続いていると意識して、他の受験者の回答に耳を傾けながら急な質問に備える体制を取ってください。

他の人の回答を意識しすぎない

集団面接では同席した受験者の回答を確認できます。その時に出てきがちな心境は「他の受験者の回答を上回ろう」というもの。無理に良い回答を作ろうとする気持ちが出てしまいやすいですが、かえってぎこちなくなったり、矛盾が生じたりする恐れがあるので、ありのまま自分の回答を素直に伝えましょう。他の人の意見を否定するような回答も当然控えましょう。

決まった人数しか採用されないという点では、確かに同席している受験者はライバルといえますが、競い合うような答え方をする人は面接官から良い印象は持たれません。

先に同じ回答を言われてしまったら

集団面接で困るのが、自分が考えていた回答と同じ内容を先に言われてしまったケースです。前の受験者が答えた内容が、自分が考えていたより優秀に感じることもあるでしょう。

「同じ回答をしても良いのか」「人の真似をしていると思われてしまわないか」と思うことで、結局しどろもどろになったり、答えられなくなったりすることは大きな失点につながります。

もし前の人と回答内容が同じになってしまっても、自分で考えた回答を落ち着いてしっかりと述べましょう。「前の方と同じ回答になりますが」などといった前置きも不要です。自身を持ちましょう。


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集団面接でよく聞かれる質問7つと対策

「?」が書かれたボードで顔を隠す人

次に集団面接でよく聞かれる質問と、回答のポイントを解説します・

質問1. 公務員の仕事内容はどのようにお考えですか?

公務員の仕事内容について問われる質問ですが、これは以下を確認する質問です。

  • 業務内容の理解度
  • 志望動機
  • 取り組む業務に対する受験者の価値観

仕事内容をあらかじめ調べたうえで、自分の能力がどのように活かせるか、学生時代に学んだことなどと絡めて回答しましょう。

質問2. 公的組織と民間企業の違いについて説明してください

こちらも公務員の仕事内容が理解できているかを問う質問です。質問1との大きな違いは、民間企業の社員は会社の利益を最大限に得ることを目的としていますが、公務員は住民の公共的な利益を提供することを目的としている点です。

利益を提供するためには、集めてきた税金や補助金をいかに有効的に使うかが大事であり、どのような形で提供すべきかを考える必要があります。これらの内容をいかに具体的に話すかがポイントとなります。

質問3. 学生生活の中で主に何を学びましたか?

民間企業の面接でもよく行われる質問で、面接官は以下について確認する意図があります。

  • 即戦力として活躍できること
  • 事前にしっかり自己分析できていること

ただし、集団面接ではゼミやアルバイト、ボランティアの経験など、似たような答えになりやすいため、具体的なエピソードを元に、自分が得たスキルや経験を簡潔に説明して、他の人の回答と差を付けましょう。

民間企業とは違い、競争によって利益を得るわけではないために、より人と円滑に物事を進める協調力が求められます。しかし、必要な能力はそれだけではありません。

行政職への採用ではさまざまな部署で経験を積む必要があるため、自ら積極的に学ぶ姿勢やコミュニケーションスキルなどが問われます。

質問4. 志望動機についてご説明ください

こちらも民間企業で同様の質問がされますが、就職に関する本気の度合いを確認しています。

単に地元だからという回答だけだと、志望度としては弱くみられてしまいます。自治体ごとに力を入れている施策は異なりますので、回答内で具体的な施策に触れると「事前に調べてきている=本気で志望している」と評価してもらいやすくなります。

また、興味を持った施策をただ説明するだけではなく、入庁したらどのような貢献をしたいのかを伝える必要もあります。地元ではない自治体を受験する場合は「なぜこの地域に興味を持ったのか?」を説明すると、より効果的にアピールできます。

質問5. この地域の魅力をアピールするとしたら何ですか?

学生だとプレゼンの経験はあまり多くないため、面接時にいきなり「この地域の魅力を私たちにアピールしてみてください」と言われても、スムーズに答えることは難しいでしょう。

自治体はその地域を振興するために活動している側面がありますので、活動地域に興味がある人に勤めてほしいと考えています。自治体が推進している施策や産業・観光などに対する説明は、公式サイトや発行されたパンフレットでチェックできますので、事前に情報を入手して整理しておきましょう。

また、地域の魅力をアピールする時に内容や対象が抽象的だと伝わりにくいため、以下のような要点で回答すると効果的です。

  • 魅力をアピールする対象を明確にする
  • アピールする対象者を明確にする
  • 具体的なアピール手段/方法を明確する

質問6. 入庁後はどのような施策に取り組まれたいですか?

施策について聞くのは、事前に調べてきているかという志望の本気度はもちろんのこと、仕事に対する熱量を測るためです。

施策は同時に複数行っていることが多いため、どの部門が施策に関係しているのか、実際にどのような業務を行っているのかを確認し、自分が取り組みたい仕事と結びつけて考えてみてください。

もし、施策と自分の経験が関連付けできそうであれば、学生時代のエピソードを交えて語ると、より好印象です。

質問7. 住民に理解されない場合にはどう対処されますか?

公務員もサービス業の一種であり、住民の対応は重要な業務の1つです。そのため、対応能力や公務員の特性への向き不向きをチェックする質問が行われることがあります。

課題に対して自分で解決しようとする姿勢は大事ですが、民間企業であれ自治体であれ、組織で業務や施策が行われます。そのために、適切なタイミングで他者に協力を求める能力が必要です。

また、交渉事は自分たちの要望を100%実現させることが目的ではありませんので、折衷案を提示するなどして、お互い良好な関係を目指す調整能力も大事です。

「ご理解いただくまで、熱意を持って説明し続けます」といった精神論に終始した内容や、「理解されない場合は、住民様のご要望を受け入れます」といった根本的な解決につながらない回答だと、評価が下がる可能性があります。

十分に準備することで対応できる

ここでは集団面接に関する注意点や、よく質問される内容などについて解説しました。集団面接に慣れているという方はまずいません。実際に声を出してみながら、繰り返し練習しましょう。

また、集団面接だけでなく、集団討論を実施する自治体も多くあります。以下の記事を読めば、集団討論の流れや、好印象を与えるポイントを掴めるので、ぜひチェックしてみてください。


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