教員採用試験は人物重視と言われていることは、皆さん既にご存知でしょう。そのため二次試験では教師として求める人材であることを示すため、限られた時間でいかに自分の強みや長所をアピールできるかが合否を分けます。ですが教員採用試験の二次試験は、面接・実技・模擬授業…対策することが多く、筆記試験対策に時間を割いたばかりに、二次試験対策は付け焼き刃で挑んで撃沈…なんてことにはなりたくないですよね。
そこで今回は、二次試験の内容や、試験ごとの対策ポイントを解説します。二次試験では評価基準を踏まえて対策を練り、練習を重ねることが合格へのカギです。最後まで読んで、早めの二次試験対策を開始して、周りの受験生より一歩先を進みましょう。
二次試験の試験内容

教員採用試験では、一次選考に合格した人だけが二次選考に進むことができます。二次選考の内容は、自治体により異なりますが、主に以下のような試験を実施している場合が多いです。
- 面接
- 実技
- 模擬授業
二次試験に向けてしっかりと対策できるように、まずはそれぞれの試験内容について把握しておきましょう。
面接
面接試験では、個人面接、集団面接が実施される場合が多くあります。面接官は、各校種の校長先生が中心となってます。あなたが面接官ならきっと「一緒に働くイメージができるかどうか」の観点から受験者を見るのではないでしょうか。面接官も同じように見ていますので、自分が面接官なら採用したい、という人をイメージしましょう。
質問に対する回答の内容だけでなく、所作や受け答えの仕方、全体的な印象など、受験者の全体像について評価されるため、短時間で自分のことを簡潔にアピールすることが大切です。
実技
実技試験は、児童や生徒を指導する上で、必要となる能力や知識を評価するために実施される試験です。受験する教員採用試験により、以下のような校種または教科に該当する場合に実施されます。
- 音楽
- 美術
- 保健体育
- 英語
- 小学校全科(体育、音楽)
出題される内容は次の通りです。
教科科目 | 試験内容 |
体育 | ・器械運動…マット運動、鉄棒、跳び箱 ・陸上競技…ハードル走、走り高跳び、走り幅跳び ・水泳…25mまたは50m ・球技…ハンドボール、バレーボール、サッカー ・その他…武道(柔道、剣道)、創作ダンス |
音楽 | ・ピアノ初見演奏 ・声楽初見視唱 ・課題曲の中からひとつ選んでピアノ伴奏付き歌唱 ・聴音 |
美術 | 色鉛筆による静物画(モチーフ指定) |
家庭 | ・食物…日常食の調理実習 ・被服…裁縫、小物づくり |
英語 | ・AET/ALTとの英会話 ・英語によるスピーチやディスカッション ・リーディングテスト |
自治体によっては、上記の科目以外でも実技試験を実施する場合があるため、志望する自治体の傾向をリサーチしておくなどの準備をしておきましょう。
模擬授業
模擬授業は、授業の進め方を評価するために実施される試験です。5~10分前後で制限時間が設けられ、授業の導入部分やクラスルームの指導などを模擬演技する形で行われます。模擬授業の参加人数は、一般的に以下の通りです。
参加者 | 人数 |
受験者 | 1~4人 |
面接官 | 3~5人 |
面接官は、自治体の教育担当者や学校の教頭、校長が同席する場合があります。また、参加者として、他の受験生や面接官が生徒役をつとめる自治体もあるため、自分が受験する自治体の模擬授業のパターンを把握しておきましょう。
面接の対策ポイント

筆記試験とは異なり、面接試験では、質問に対する模範的な回答を準備するだけでは十分な対策とはいえません。短い時間であなたがどんな人物なのかを見極める目的で実施されるため、質問の受け答え以外の点にも注意する必要があります。
ここでは、面接対策に役立つポイントを3点解説します。
質問を想定して準備
面接試験では、その場になってみないとどのような質問がされるのかわかりません。あらゆる質問を想定して、回答を事前に準備しておくことが大切です。過去に受験した人の経験談などをもとに、実際に質問された内容などをピックアップしておきましょう。教員採用試験の面接で良く聞かれる質問は次の通りです。
なぜ教員になりたいのか
この質問では、どのような教員になりたいのか、将来の展望や熱意などを聞かれています。教員を志したきっかけになる出来事や自分自身が学校生活で得られた経験などをもとに、子ども達の成長をサポートする教員になりたいと話をつなげるなど、ストーリー性のある回答を心がけ、面接官に熱意を伝えましょう。
また、将来の展望についても盛り込むことで、教員の仕事を通して自分自身も成長していきたいという心意気を伝えられます。長く教員として働きたいという意思も伝えるといいでしょう。
長所と短所について
自分をアピールするために、いくつも長所や短所を挙げるのはNGです。1つのポイントに絞って回答することで、要点をしっかりと伝えることができます。長所を伝えるときには、教育の場でどのように活かせるのかへつながるように説明しましょう。
短所は、まず自分でしっかりと理解していること、そして、改善するための努力についても説明することが大切です。長所と短所は表裏一体とも考えられるため、必ずしもネガティブに捉える必要はなく、短所を生かして何ができるのかについても考えておくとよいでしょう。
どのような授業をしたいか
まずは、文部科学省の学習指導要領をしっかりと確認した上で、自分が取り組んでみたい授業内容について説明できるようにしておきましょう。例えば、「主体的な学びのために、児童や生徒が積極的に発表できる場を設けたい」など、具体的に回答するのがポイントです。
教員としての未来に関する質問については、「何を目標にしながら、どのような教育活動をしたいのか」が主軸となるため、イメージを明確にしておくことで質問にもスムーズに答えられます。
清潔感のある身だしなみと正しい言葉遣い
面接官に与える第一印象は、身だしなみが大きく左右します。一般的な就活面接と同様に、面接にふさわしい服装や清潔感のある髪型などで臨むことが大切です。入退室の所作についても、状況に適した振る舞いができるかどうかをチェックされているため、落ち着いて対応できるようにしておきましょう。
また、言葉遣いについては、受け答えをしているうちに普段使っている略語やネットスラングなどが出てしまうこともあります。普段から正しい日本語で話すことを心掛けておくと、緊張感のある面接の場でもうっかりミスをする心配がありません。
質問に対し的確に答える
質問に回答するときには、相手が知りたいことを的確に答えられるようにしましょう。そのためには、まず「相手は何を知りたいのか」という質問の意図を理解することが大切です。答え方のポイントとしては、結論から先に始めて、次に理由を述べるとわかりやすく伝えられます。
また、自分の得意分野を質問されたときや、話しやすいと感じた面接官に当たったときなど、勢い余って質問されていないことまで話してしまうこともあります。面接の場では、話しすぎると悪印象を与えてしまう可能性があるため注意が必要です。
面接対策の詳細は「個人面接でよく聞かれる質問5つ!人物重視の教員採用試験突破のコツを解説」をご覧ください。
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実技試験の対策ポイント

教員採用試験の実技試験は、大会に出場するようなハイレベルの技術や技能が求められているものではありません。「基本が押さえられていること」が評価の基準になるため、技術や技能に自信がある場合でも、基本に沿った実演をすることを心掛けることが大切です。
一方で不安がある場合は、水泳や鉄棒、ピアノ演奏などのように短期間で一定レベルに達するのが難しい科目もあるため、早めに対策をしておくと良いでしょう。練習場所の確保なども自分でする必要があり、積極的に場所探しをすることも重要です。
模擬授業の対策ポイント

模擬授業では、教育の現場で児童や生徒を指導できるかどうかが評価されます。教員としての資質を面接官にアピールできる貴重な場になるため、事前にできる対策を取っておくことが合格への近道です。
ここでは、模擬授業をうまく乗り切るために押さえておくべき2つのポイントを紹介します。
教員としての心構えを身につけておく
模擬授業では、生徒役として面接官や校長、教頭などが参加するため、教壇に立つと緊張のあまりに頭が真っ白になってしまうことも少なくありません。
極度に緊張してしまうと、面接官と目を合わせられなくなったり、声が小さくなってしまったりと、思うように授業が進められなくなります。そのような事態を避けるためにも、日頃から教員としての心構えをしっかりと身に付けておくようにしましょう。
教員は、周囲に注目される立場であることを自覚できれば、自分の言動に自信を持てるようになります。過度に緊張せず模擬授業に臨みましょう。
つかみを大切に
模擬授業は短時間で実施されるため、一般的な授業とは流れが異なります。一般的な授業の流れは次の通りです。
- 導入
- 展開
- まとめ
一方、模擬授業は時間が限られているため、次のような流れになります。
- 導入
- 展開(冒頭部分のみ)
模擬授業は実施時間が短いため、授業の冒頭部分までしか行われません。面接官にうまくアピールするには、導入の部分から面接官の心をつかむことが重要です。冒頭から100%の力を発揮できるよう、つかみを意識した練習を重ねるようにしましょう。
模擬授業対策の詳細は「模擬授業は6つのポイントでまとまる!すぐ実践できる4つの対策と注意点まとめ」をご覧ください。
事前の対策が二次試験突破への近道
教員採用試験の二次試験では、限られた時間で面接官にうまく自己アピールするためにも、事前にできる対策を取っておくことが合格への近道です。今回紹介したポイントを参考にしながら、二次試験の合格に向けて対策を行いましょう。