年齢制限はある?教員採用試験に挑戦できる年齢条件を徹底解説

知らなきゃもったいない!教員の年齢制限は○歳まで

教員になるための条件の1つに「年齢制限」があります。年齢制限は各都道府県や各政令指定都市によって異なっています。教員に強いあこがれを抱いている方や、早く社会に出たい方であれば、「何歳から受験できるのか?」

一度社会に出たけれど、やっぱり教員になる夢が捨てられないという社会人であれば、「何歳まで受験可能なのか?」

このように気になっていらっしゃることでしょう。どちらのお悩みもこの記事で解決できます。今回は、教員採用試験の年齢制限の傾向について情報をたっぷりお届けします。最後の方では、私立学校の年齢制限についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

公立学校教員採用試験の年齢条件

大きな鉛筆を手にもつ女性

公立学校の教員になるには教員免許状の取得と、公立学校教員採用選考試験に合格するという2つのハードルがあります。公立学校の教員は地方公務員に区分され、採用試験は各都道府県や各政令指定都市が管轄しており、年齢条件は統一されていません。教員を目指している方は、希望する都道府県や政令指定都市が何歳まで受験できるのか、調べる必要があります。

教員採用試験は何歳から受験できるのか?

受験時の年齢資格の一例を見てみましょう。

  • 必要な免許状:受験校種・教科の普通免許状所有者または〇〇年〇月〇日までに取得見込みの方
  • 受験資格要件:〇〇年4月2日以降に出生した方

教員採用試験の受験資格の欄を見ると上記のように、「〇〇以降に出生した者」などと記載があるだけで、教員採用試験は何歳から受験できるか明記されていません。

最近では、教員免許状が無くても教壇に立てる制度が出てきていますが、基本的には、教員免許状がなければ学校の教壇に立つことができません。教員免許状を取得するためには、教職課程のある大学や短期大学に入学し、法令で定められた単位を修得し卒業することが必要です。

もし2年制の短期大学に入学したとしたら、19歳で教員採用試験を受けることができます。よって、最短で教員免許状を取得できる短期大学で学べば、19歳から受験が可能なことがわかります。

教員採用試験は何歳まで受験ができるのか?

年齢の条件は、各都道府県や各政令指定都市によって違い、年齢制限がないところもあれば、制限を設けているところもあります。しかし、一番制限が厳しい自治体でも39歳までと、学校を卒業してかなり月日がたっている方もチャレンジできるのはうれしいですね。

年齢制限がないといっても、教員の定年退職年齢は60歳までなので、受験する年度の4月1日時点で満59歳以下の人が対象です。

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公立学校教員採用試験の年齢制限の傾向

勉強を教える男性

昨今の流れとして、教員採用試験の実質的な年齢制限撤廃に動いている県や市が増えてきています。教育現場では多様な知識や経験を持つ人が求められていて、教育の質向上に向けて取り組まれています。一旦一般企業で働いている方も、教員免許状があれば教員採用試験を受験するチャンスがある状況です。

公立学校の年齢制限は緩和傾向

平成25年度選考試験において年齢制限がない県や市は68県市中18県市しかありませんでしたが、令和2年度には41県市となり倍以上となりました。

下記にある令和2年度と令和3年度「公立学校教員採用選考試験受験年齢制限」の表から、年齢制限がある県や市でも受験可能な年齢が引き上げられていて、年齢制限が緩和傾向にあることがわかります。

福岡県と福岡市、熊本県と熊本市のように県と政令都市では年齢条件が違うところもあるので、しっかりと確認しておきたいところです。

下表の「〇」記号は「年齢制限なし」を意味します。

県名令和2年度令和3年度県名令和2年度令和3年度県名令和2年度令和3年度
北海道石川県49歳49歳岡山県
青森県福井県広島県
岩手県49歳山梨県49歳山口県  49歳  49歳
宮城県長野県徳島県  49歳  49歳
秋田県岐阜県香川県  44歳  49歳
山形県静岡県愛媛県  49歳
福島県50歳愛知県高知県  49歳  49歳
茨城県三重県福岡県
栃木県44歳44歳滋賀県49歳49歳佐賀県  49歳
群馬県京都府長崎県  49歳  49歳
埼玉県大阪府45歳45歳熊本県  49歳  49歳
千葉県奈良県39歳39歳大分県  50歳
東京都39歳39歳兵庫県宮崎県
神奈川県和歌山県鹿児島県40歳49歳
新潟県鳥取県沖縄県45歳45歳
富山県島根県 
市名令和2年度令和3年度市名令和2年度令和3年度市名令和2年度令和3年度
札幌市新潟市神戸市
仙台市静岡市岡山市44歳44歳
さいたま市58歳58歳浜松市広島市
千葉市名古屋市49歳49歳北九州市
横浜市京都市44歳49歳福岡市50歳50歳
川崎市大阪市45歳45歳熊本市
相模原市堺市豊能地区45歳45歳

参照:文部科学省「令和3年度公立学校教員採用選考試験受験年齢制限」より

一般企業から教員に転職するチャンス

文部科学省によると令和4年度教員採用試験において、小学校の競争倍率は、2.5倍と過去最低を更新しています。小学校と中学校、高等学校の合計でも競争倍率は3.7倍と平成24年の5.9倍から年々低くなっています。採用倍率が低くなっていることは、教員になりたい方にとってはうれしい状況です。

また、教員免許状を持ちながら教員でない仕事に就いていて、教員採用試験の年齢制限のために受験を諦めていた方にとってはチャンス到来です。教員採用試験の年齢制限緩和と採用倍率が低いことがダブルでメリットとなり、教員になれる可能性をアップさせています。

教員免許状を持っていない方も改めて大学に入学し教員免許状を取得すると、年齢制限に縛られず教員を目指せます。

年齢制限撤廃以外での不足解消の動き

令和4年1月文部科学省の発表によると全国の公立学校で、始業日時に2,500人以上の教員が不足していることがわかりました。下記の教師不足の状況を示した表からもわかるように授業が開始している5月1日時点でも2,000人以上の教員が不足している状況でした。

自治体の中には不足解消の一環として、自治体にある大学と連携し人材確保に動いています。福岡市を例に挙げると、大学推薦枠を設け、市内の小学校で実習したときの評価などを基にした書類審査で、採用が決定する施策が始まっています。

時期学校に配当されている定数学校に配置されている教師の数不足
令和3年度 始業時837,790人834,014人2,558人
令和3年 5月1日836,079人836,264人2,065人

参照:文部科学省「令和4年1月 教師不足に関する実態調査」より

私立学校の教員採用試験の年齢条件

教室

公立学校と並行して、私立学校の教員を目指したい方も多いのではないでしょうか。私立学校は、各学校法人が行う採用情報を確認し、教員採用試験を受験することになります。

私立学校の教員採用試験は何歳まで受験できるのか?

一般的に私立学校の場合、欠員などがないと採用試験はありません。採用試験がある場合でも、試験スケジュールも学校によってさまざまです。例年同じ時期に教員採用試験募集要項が発表される公立学校とは違います。

一部の私立学校の年齢条件をピックアップした下記の表からもわかるように、教員採用試験の応募条件に年齢制限を記載していない私立学校が目立ちます。教員免許状を持っている方は、年齢を気にすることなく応募ができる状況です。

学校応募条件
立教小学校年齢制限の記載なし
晃華学園小学校年齢制限の記載なし
帝塚山学院中学校年齢制限の記載なし
関西大学第一中学校長期勤続によるキャリア形成を図るため、満30歳以下の者
福岡大学附属大濠高等学校年齢制限の記載なし

年齢制限がない私学適性検査

私立学校の教員を目指す方におすすめなのが「私学適性検査」です。私学適性検査には年齢制限がありません。下記に挙げた都や一部の県私学協会が、教員としての資質と適性についての検査を目的として行われています。適性検査結果が記載された受検者名簿が作られ、それを見た私立学校からの採用のアプローチがある便利なシステムです。

私立学校は欠員などがないと採用活動が行われないため、採用状況を追うのは至難の業です。公立学校のように5〜6月に出願受付が始まり、10月頃に合格や内定がわかるといった例年ほぼ同じといったスケジュールではありません。

公立学校の教員と並行して検討もできるので、希望する地域で私学適性検査が行われているなら、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

  • 群馬県私立小・中・高等学校協会
  • 一般財団東京私立中学高等学校協会
  • 公益社団法人静岡県私学協会
  • 愛知県私学協会
  • 兵庫県私立中学高等学校連合会
  • 広島県私立中学高等学校協会
  • 福岡県私学協会

可能性は広がっている

「長期勤続によるキャリア形成を図るため」と年齢制限を設けている企業が多いなか、年齢制限がなくなりつつある教員を目指すメリットは大きいです。教員になろうかと迷っていた方も年齢制限が緩くなる傾向がわかったことから、教員を目指す決心がつかれたのではないでしょうか。

また、近年の教員採用試験は筆記試験よりも、人物評価を重視する傾向があります。以下の記事では、集団討論について、実際に試験で出されたテーマ15個や、集団討論ならではの対策ポイントを徹底解説しているので、集団討論が初めて、という方にうってつけの内容です。


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